膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンのような物質が、脳や脊髄にある神経回路を修復させることが分かったと、大阪大の村松里衣子准教授らが22日、米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションに発表した。
 この物質「FGF21」は将来、手足がしびれたり、視覚や排尿・排便などに障害が起きたりする難病「多発性硬化症」の治療薬開発につながる可能性があるという。
 脳や脊髄の中枢神経細胞は電線のような軸索を伸ばし、他の神経細胞に電気信号を伝えている。軸索は髄鞘(ずいしょう)と呼ばれる絶縁膜に覆われているが、髄鞘が脱落した部分が増えると神経回路に障害が起き、多発性硬化症などを発症する。
 村松准教授らはマウスの実験でFGF21の髄鞘修復作用を発見。培養細胞実験で、人の髄鞘になる前段階の細胞を増やすことを確認した。 (C)時事通信社