従業員の健康に配慮する企業を選ぶ「健康経営優良法人認定制度」について、政府の有識者会議が基準を見直し、職場での受動喫煙対策を必須とする方向で検討していることが26日、分かった。全事業所を対象に、敷地内の禁煙か完全分煙を認定要件とする。受動喫煙の防止に努めるよう定めた健康増進法より厳格な基準で、政府内には、海外と比べ遅れていると指摘される国内での対策が進むとの期待もある。
 健康優良法人制度は今年2月から始まり、これまでに計553社を認定。優良認定を低利融資の条件にする金融機関なども相次ぎ、企業側の関心は高まりつつある。新基準は、8月末に有識者会議で了承されれば、9月上旬に公表、来年2月の次回認定分から適用される。
 健康増進法は、学校や病院、職場など不特定多数の人が利用する施設での受動喫煙防止を「努力義務」としている。先の通常国会で、厚生労働省は「禁煙の義務化」など規制強化を盛り込んだ法改正を検討したが、飲食店の扱いをめぐり自民党内で調整が付かず断念した。
 ただ、有識者会議メンバーの間では「健康優良法人を認定するのだから、法律以上に厳しい基準にすべきではないか」との意見が大勢を占め、法改正を待たずに見直しを検討することになった。
 現行基準は、大企業と中小企業で必須項目と選択項目をそれぞれ設定している。大企業では「健康宣言の社内外への発信」「産業医が健康保持・増進の検討に関与」「健康保持・増進の取り組みの効果検証」など5項目が必須。「受動喫煙対策」は14ある選択項目の一つに含まれているが、見直し案ではこれを必須に格上げする。また、新たに「病気の治療と仕事の両立支援」を選択項目に追加したい考えだ。中小企業についても同様の見直しを検討している。 (C)時事通信社