手足の震えなどが起きるパーキンソン病の患者に不足している細胞を、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製してサルに移植し、有効性と安全性を確認したと、京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授らの研究グループが発表した。2018年秋までに人での臨床試験(治験)を学内の審査委員会に申請し、認められれば18年度内に京大病院で開始する方針。
 論文は31日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
 パーキンソン病は、体を動かす際に脳内で放出される神経伝達物質ドーパミンが不足し、運動障害が起きることが分かっている。研究グループは人のiPS細胞から、ドーパミンを放出する神経細胞のもとになる細胞を作製。パーキンソン病の状態を再現したカニクイザルの脳に移植した。
 サルの行動を1~2年間、観察した結果、ドーパミンの合成が増え、症状が軽くなることが分かった。少なくとも2年以内に、脳内に腫瘍はできなかった。健康な人とパーキンソン病患者からそれぞれ作製した細胞を4匹ずつに移植したが、違いはなかった。
 サルの脳内を、磁気共鳴画像装置(MRI)などで調べると、移植した480万細胞のうち、13万細胞が生きたまま定着していた。
 高橋教授は「人に行うのと同じ方法で、サルに移植を行った」と説明し、18年度中の治験開始に意欲を示した。 (C)時事通信社