国立がん研究センターは20日、2013年に新たにがんと診断された患者は推計約86万2000人(前年比約3000人減)と発表した。都道府県別では、がんの発症率が高い地域は死亡率も高い傾向がみられたが、発症は全国平均程度でも死亡率が低い県や高い県もあった。
 同センターは、全国の医療機関を受診した患者の発症に関するデータを都道府県別に集計。国の人口動態統計を基に死亡のデータもまとめ、発症率と死亡率の関係を検証した。
 がん全体の発症率と死亡率は、全国平均を100とすると、男性では日本海側で発症、死亡ともに100以上の県が多かった。女性も同様の傾向があったが、男性ほど明確ではなかった。
 がんの種類別では、胃がんは東北、日本海側、紀伊半島で発症・死亡率が高かった。肝がんは近畿以西の地域と山梨県で、肺がんは北海道、近畿、九州北部で目立った。
 こうした地域では、がんの原因となるピロリ菌や肝炎ウイルスなどへの感染、喫煙などの生活習慣を背景に発症率が高まり、これに伴い死亡率も高くなっているとみられるという。
 一方、長野県はがん全体の発症率が全国平均程度だが、死亡率は低かった。反対に青森県は発症が平均程度なのに、死亡率は高かった。
 同センターの松田智大・全国がん登録室長は、検診受診率や拠点病院の受診しやすさ、適切な治療が実施される割合などで、死亡率に違いが生じ得ると指摘。「今回のデータを、自治体が対策を取る際の材料にしてほしい」と話した。 (C)時事通信社