NHKは4日、2013年7月に東京都内の自宅で死亡した首都圏放送センター所属の記者、佐戸未和さん=当時(31)=が14年5月に過労死認定されていたと発表した。
 渋谷労働基準監督署が認定した死亡前1カ月間の時間外労働時間は過労死基準を大幅に上回る約159時間で、休日は2日だけだった。NHKは記者に事業場外みなし労働時間制を適用していたという。同制度は勤務状況の把握がおろそかになり、長時間労働の温床になると指摘されている。
 NHKによると、佐戸さんは当時、東京都庁担当として都議選や参院選などを取材。選挙終了後の13年7月25日、連絡が取れないことを不審に思った知人が自宅を訪ね、倒れている佐戸さんを発見したという。死因はうっ血性心不全だった。
 当初は公表を控えていたが、「働き方改革の徹底を図るため、過労死の事実を全職員に伝え、外部に公表することが必要と判断した」という。
 NHKは佐戸さんの過労死認定を受け、報道現場から問題点を抽出するアンケート調査などを実施。今年4月には記者を対象に裁量労働制を導入するなどの改革を進めているという。
 佐戸さんの両親はNHKを通じ、「今でも娘の過労死を現実として受け入れることができません。志半ばで駆け抜けていった未和の無念さ、悔しさ、遺族の悲しみを決して無駄にすることなく、再発防止に全力を尽くしてもらいたい」とコメントを出した。 (C)時事通信社