感染症予防やがんの免疫療法に使うワクチンをリボ核酸(RNA)で作る場合に、免疫細胞を活性化させる新技術を開発したと、東京大や東京医科歯科大などの研究チームが11日発表した。RNAのワクチンが実現すれば、感染症の流行に応じて素早く製造できるほか、個々の患者のがんに合わせたワクチンを作れると期待される。
 ワクチンは通常、病原性を弱めた病原体や不活化した毒素などを使い、免疫細胞に敵と覚え込ませるが、発熱などの副反応が起きることがある。これに対し、RNAの一種のメッセンジャーRNA(mRNA)を使う場合は、免疫細胞に敵の成分の「設計図」だけを送り込むため安全性が高いが、活性化させる物質を一緒に送り込む必要がある。
 東京大の内田智士特任助教らは、活性化する物質を別に用意しなくても、1本の鎖のような形をしたmRNAの片端だけ部分的に2本鎖にすれば、免疫細胞を活性化できることを発見した。2本鎖のRNAはウイルスに多く、反応しやすいためと考えられる。
 生きたマウスや人から採取した免疫細胞で効果を確認した。内田さんは「今後は皮膚がんのマウスで治療実験を行い、有望なら人への臨床応用を目指したい」と話している。 (C)時事通信社