スウェーデンは1970年代から男女の雇用機会の平等実現に取り組んでいる。9月末に来日したヨハンソン雇用・社会統合相は「仕事か育児かを迷うスウェーデン人女性は一人もいない」と述べた。日本では女性が職場で十分に能力を発揮できる環境づくりを目的とした女性活躍推進法の施行から1年半が経過した。厚生労働省によると、いまだに妊娠や出産などの理由で女性の半数が離職している。
 スウェーデンは、世界経済フォーラム(WEF)による男女平等度ランキングで第4位。日本は111位だ。男女平等を支えるのは積極的に育児に参加するスウェーデンの父親たちだ。
 両親合わせて480日間の出産・育児休暇が与えられるスウェーデンでは、両親間でこの休暇を時間単位で融通できる。ただ、このうち90日間は父親のみに認められている。この結果、男性の育児休業取得率は9割を超える。3%台にとどまっている日本とは対照的だ。
 さらに、小学校から大学までの学費と19歳未満の医療費は原則無料だ。スウェーデンも一時は日本と同様、少子化に悩まされていた。しかし、20年近い歳月をかけて徐々に回復。2014年の合計特殊出生率は1.88と、日本の目標値1.8をすでに突破している。
 消費税は25%と日本に比べて高いが、ヨハンソン氏は「全国民が手厚い社会保障制度の恩恵を受けており、不満は少ない」と強調した。
 スウェーデン文化交流協会は、育休中の父親たちを撮影した写真家ヨハン・ベーブマン氏の写真展「スウェーデンのパパたち」の巡回展を8月末から日本で開始した。9月末の在日スウェーデン大使館での展覧会を訪れた教育関係者の三武好道さん(68)は「育児に参加した記憶はなく、隔世の感がある」と感慨深げな様子だった。
 一方、4歳と0歳の娘を持つ会社員の土井基嗣さん(32)は「若い世代で『イクメン』は増えている」と語る。妻の里帰り出産中には時短勤務を選択したといい、幼稚園に通う上の娘と2人で過ごした2週間を「良い経験だった」と振り返った。 (C)時事通信社