医療・医薬・福祉

SB623が慢性期外傷性脳損傷患者において、48週時点まで持続する運動機能障害の改善と、運動機能と日常生活動作の改善傾向を示す

サンバイオ株式会社
2022年米国神経学会(AAN)年次総会にてフェーズ2臨床試験(STEMTRA試験)の1年間の良好な解析結果を初めて発表 外傷性脳損傷に起因する慢性期の運動機能障害に対する初の細胞治療薬となる可能性


サンバイオ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:森 敬太)及びその子会社であるSanBio, Inc.、SanBio Asia Pte. Ltd.は、開発中のSB623について、本日、慢性期の運動機能障害を有する外傷性脳損傷患者を対象に、偽手術と比較したSB623の有効性と安全性を評価したフェーズ2臨床試験(STEMTRA試験)の1年間の最終解析結果において主要評価項目を達成し、運動機能と日常生活動作に改善傾向が認められたことをお知らせします。最終解析結果は2022年4月5日に米国ワシントン州シアトルで開催される米国神経学会(American Academy of Neurology, AAN)年次総会のプレナリーセッション( https://www.aan.com/conferences-community/annual-meeting/program/browse-plenary-sessions/ )で発表される予定です。

SB623は、骨髄液由来の間葉系幹細胞からなる開発中の製品で、頭蓋内の損傷部位周辺に移植されます。

ニューイングランド神経・頭痛研究所 医長兼チーフ・メディカル・オフィサーであり認定神経科医でもあるピーター・マカリスタ医師(Peter McAllister, M.D.)は次のように述べています。「外傷性脳損傷による長期障害に悩む何百万人もの患者さんの多くは医療制度の中で見過ごされがちです。本解析からは、SB623がそうした患者さんの運動機能や日常生活への復帰能力につき、臨床的に有意な改善をもたらす可能性を強く支持する知見が得られました。」

本臨床試験では合計61名の患者を対象とし、46名にSB623が投与され、15名が対照群として偽手術を受けました。本臨床試験の主要評価項目である24週時点のFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)のベースラインからの改善量の測定を通じて運動機能改善を評価した結果、SB623投与群は偽手術を受けた対照群と比較して有意な改善が認められました(SB623投与群で8.3点[1.4]、対照群で2.3点[2.5],p値=0.04)。運動機能障害の改善は、SB623投与群で48週時点まで維持されました。Action Research Arm Test(ARAT)、歩行速度、NeuroQOL上肢・下肢機能Tスコアなどで測定した結果、SB623細胞の移植と48週時点の患者の運動機能および日常生活動作の改善には関連性が認められました。

SB623は、これまでの試験と同様、良好な忍容性を示し、新たな安全性の懸念は認められませんでした。また、有害事象による治療中止はなく、SB623による治療と偽手術の間で有害事象の発生率に統計的有意差は認められませんでした。

サンバイオは、STEMTRA試験のデータに基づき、外傷性脳損傷に起因する慢性期の運動機能障害に対する治療薬として、先駆け審査指定制度の枠組みの中で、日本の厚生労働省に対するSB623の承認申請を2022年3月に完了しました。なお、SB623は先駆け審査指定制度の対象品目指定に加え、厚生労働省からは希少疾病用再生医療等製品の指定を、米国食品医薬品局(FDA)からはRMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)の指定を受けています。

サンバイオの代表取締役社長である森敬太は次のように述べています。「SB623が損傷後の脳を再生する可能性を再確認するデータが得られ、慢性期の外傷性脳損傷と生きるみなさんの生活を大きく変えるだけでなく、神経再生研究の将来を形作るのに役立つことが示唆されました。今回の結果に基づき、SB623の日本での承認申請を完了させたところですが、根治的治療が未だ存在しないこの疾患に苦しむ患者さんに一日も早く新たな治療の選択肢をお届けできるよう、規制当局の審査に迅速に対応して承認取得に向けた努力を続けてまいります。」

サンバイオは、現在、外傷性脳損傷の患者さんが多くいる米国でのSB623のフェーズ3臨床試験開始に向けた準備を進めています。

SB623について
SB623は、健康成人骨髄液由来の間葉系幹細胞を加工・培養して作製されたヒト(同種)骨髄由来加工間葉系幹細胞(国際一般名:バンデフィテムセル)です。脳内の損傷した神経組織にSB623を移植すると、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、失われた機能を回復させる効果が期待されています。慢性期外傷性脳損傷および慢性期脳梗塞を含む複数疾患を対象に研究・開発を進めています。

外傷性脳損傷について
外傷性脳損傷は、世界中の主な死因および障害の原因の一つです。2016年の世界の急性外傷性脳損傷の新規患者数は2700万人(推定)、外傷性脳損傷に続発する慢性障害の新規患者数は5550万人(推定)でした(1)。外傷性脳損傷および外傷性脳損傷に続発する長期に渡る運動障害は、患者の自立、雇用、およびQOLを著しく損ない、総じて各国の医療システムの大きな負担になっています。米国では、外傷性脳損傷で入院し生存した患者の約43%が長期の運動障害を経験しており(2)、317万人が外傷性脳損傷に続発する運動障害を長期に抱えて生活していると推定されています(3)。

STEMTRA試験について
STEMTRA試験は、外傷性脳損傷による慢性期の安定した運動機能障害を有する61名の患者さんに対し、SB623の有効性と安全性を評価する48週間の、ランダム化、二重盲検、偽手術対照、国際共同フェーズ2試験でした。本試験において、SB623は定位脳手術により脳内に移植されました。患者さんは2.5x10(6乗),5.0x10(6乗),10x10(6乗)個のSB623細胞投与群または偽手術群のいずれかに1:1:1:1の割合で層別無作為に割り付けられました。

本試験においては、外傷性脳損傷後12か月を経過し、Glasgow Outcome Scale extended(GOS-E)が3~6の中程度または重度の18歳~75歳の患者を対象とし、治験期間中に実施されるすべての検査・診断を受けることと、治験参加前3か月間にてんかん発作を起こしていないことを条件としました。主要評価項目は、6か月時点のFMMS(Fugl-Meyer Motor Scale)スコアのベースラインからの改善量であり、米国や日本を含む世界各国の13の手術施設と18の評価施設で61名の被験者を対象に行いました。

サンバイオについて
サンバイオは、再生細胞薬の研究、開発、製造及び販売を手掛ける再生細胞事業を展開しています。既存の医療・医薬品では対処できず、アンメット・メディカル・ニーズが高い中枢神経系領域の疾患を主な対象としています。東京に本社、カリフォルニア州マウンテンビュー、シンガポールに子会社を置くサンバイオグループの詳細は、 https://www.sanbio.com にてご覧いただけます。

<出典>
1.James SL, et al. “Global, regional, and national burden of traumatic brain injury and spinal cord injury, 1990-2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016.” Lancet Neurol 2019;18:56-87.
2.Selassie AW, et al. “Incidence of long-term disability following traumatic brain injury hospitalization, U.S.”, 2003. J Head Trauma Rehabil 2008;23:123-31
3.Zaloshnja E, Miller T, Langlois JA, Selassie AW. “Prevalence of long-term disability from traumatic brain injury in the civilian population of the United States, 2005.” J Head Trauma Rehabil. 2008 Nov-Dec;23(6):394-400.

プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-99190-2022040510-389ad7c1bf30a0f54dd8c9bfe7e54417.pdf
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