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ギリシャ政府が庇護希望者の入国に厳しい措置――MSF、人道的な対応を要請

国境なき医師団
ギリシャ政府は2月28日から29日にかけて、トルコから入国を試みる数千人の庇護希望者と移民の越境を止めるため、厳しい措置を講じた。軍隊を国境に派遣し、庇護申請の受け付けを停止。通常と異なる形で入国した移民は強制送還すると発表した。国境なき医師団(MSF)は、ギリシャ政府と欧州連合(EU)加盟国に対し声明を発表し、庇護体制を確立させ、人びとの危機に即応するよう要請した。 3月2日のギリシャ沿岸警備隊の発表によると、レスボス島沖で転覆したボートに乗っていた子ども1人が死亡、移民47人が救助された。またトルコ政府が公開した動画には、同警備隊が移民の近くの海面に向けて発砲している様子が映っている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は過度な暴力行為を行わないよう強く要請し、他の欧州各国からの援助を呼びかけている。


ギリシャ・レスボス島のモリア難民キャンプ。3000人を収容するために作られたキャンプに1万3000人が暮らしている(2019年10月時点) (C) Anna Pantelia/MSF
MSFのオペレーション・マネジャー、ステファノ・アルジェンツィアーノによる声明

「EUとトルコ政府の間に政治的利益のために人命をないがしろにする協定が結ばれて間もなく4年が経ちます。EU加盟国は今も、庇護を求め援助を必要としている人びとを阻止することに全力を挙げ、手を差し伸べようとしません。こうした抑止策は人びとをさらに深刻な危険に追いやっているのです。ここ数日で、EU加盟国による厳格な措置によって子どもが1人亡くなり、陸上の国境地帯では人びとに催涙弾が発射されています。沿岸警備隊員は、遭難したボートを救助するどころか、暴力的に上陸を阻んでいると報じられました」

緊張高まるギリシャの島々

「欧州首脳陣に見捨てられたも同然の庇護希望者と地域住民4万人がギリシャの島々に閉じ込められ、危機的状況は限界に達しています。緊張が高まり、暴動、道路封鎖、人道援助従事者への攻撃が起きています。MSFを含む人道援助団体も安全確保のために活動規模の縮小を余儀なくされ、人びとは必要な援助を受けられない状況です。ギリシャ政府とEUは緊張緩和に向けて、即座に行動しなければなりません。

庇護希望者から保護を求める権利を剥奪し、トルコに追い返すギリシャ政府の緊急措置は、深刻な結果をもたらすでしょう。事態は混迷を深め、海上で亡くなる人は増え、暴力は高まり、人道危機は悪化の一途をたどると予想されます。

EU加盟国はこの危機的状況に向き合い、庇護体制を確立させ、人びとが現在留め置かれて劣悪な環境からEU諸国に退避させる措置を取るべきです」

<ギリシャにおける活動>
MSFは1996年にギリシャで活動を開始。庇護希望者と移民を対象とした医療・人道援助を実施している。2014年にギリシャでの活動を拡充し、トルコからギリシャ諸島と本土に来る庇護希望者、難民、移民とニーズの増加に対応。2016年以降、MSFの医療チームがギリシャで行っている活動は、基礎的な医療、慢性疾患治療、リプロダクティブ・ヘルスケア、理学療法、心理ケア、精神科診療や包括的な社会支援。現在、MSFはレスボス島とサモス島と首都アテネで活動している。
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