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新型肺炎:安全な学校運営のための行動指針を発表【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会
ユニセフ、WHO、赤十字が共同で


北京の自宅でオンライン授業を受ける高校2年生のシャオユウさん。(2020年2月18日撮影) (C) UNICEF_UNI304636_Ma
【2020年3月10日 ジュネーブ/ニューヨーク 発】

ユニセフ(国連児童基金)、国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)およびWHO(世界保健機関)は本日、新型コロナウイルス(Covid-19)の感染から子どもと学校を守るための新しい行動指針を発表しました。本指針には、学校を安全に運営するために考慮すべき項目と実用的なチェックリストが記載されています。また、国や地方自治体に向け、教育施設における緊急計画の策定と実施に関わる具体的な助言も提供しています。

本指針は、休校中の子どもたちの学習と健康に悪影響が及ばないよう、オンライン教育や学習コンテンツのラジオ放送といった遠隔授業など、すべての子どもにとって不可欠なサービスへのアクセスの確保を含め、子どもたちが学習を継続できるようしっかりとした計画を立てることを推奨しています。また、緊急計画には、最終的に学校を安全に再開するために必要なステップも含めなければならないとしています。

本指針は、学校が開校している場合、子どもとその家族の身を守るため、また、それに必要な情報を提供するために、以下の取り組みを呼びかけます:

子どもたちに、感染から身を守る方法を伝える
効果的な手洗いと衛生習慣を促進するとともに、衛生用品を提供する
校舎、特にトイレなど水と衛生施設の清掃と消毒を行う
空気の流れをつくり、換気の頻度を増やす


本指針は、一義的にはCOVID-19の感染が確認されている国々に向けまとめられたものですが、その内容は、新型肺炎の感染が確認されていない国々でも応用できるものです。教育を通じ、ウイルスの拡散を防ぐ方法について他者と話をすることで、子どもたちは、自宅や学校、地域社会で(様々な疾患の)感染の予防や制御を推し進める主体になれるでしょう。安全な学校運営を維持するうえで、あるいは休校していた学校を再開するには、多くの課題を検討する必要がありますが、適切な対策を講じれば、感染の予防や制御などの公衆衛生を確保することは可能なはずです。

例えば、2014年から2016年にかけてエボラ出血熱が流行したギニア、リベリア、シエラレオネで安全な学校のガイドラインに即して実施された様々な取り組みは、学校における感染予防対策に役立ちました。


石けんを使って手を洗うキリバスの子どもたち。(2019年10月撮影) (C) UNICEF_UNI220408_Pacific
ユニセフは、学校での教育活動を継続している場合や、休校措置で遠隔授業を実施している場合、いずれの場合でも、子どもたちに包括的なサポートを提供するように呼び掛けています。学校は子どもたちに、自分自身と家族の身を守るための手洗いをはじめとする感染症対策に関する大切な情報を伝えなければなりません。また、心のケアのサポートを進めるとともに、子どもたちには互いに思いやりをもって接し、ウイルスについて固定観念にとらわれた発言をしないよう促すことで、非難や差別の発生や拡散を抑止しなければなりません。

さらに本指針は、保護者や養育者、子どもたち自身向けに、下記のような「役に立つヒント」と「行動のチェックリスト」も提供しています:

子どもの健康状態に留意し、体調不良の場合は自宅に待機させる
子どもの疑問や不安をうけとめ、自由に質問できたり心配事について話せるようにする
咳やくしゃみはティッシュ或いは肘で受け、顔や目、口、鼻を触らないようにする


* * *

新型コロナウイルス(Covid-19)の感染から子どもと学校を守るための新しい行動指針の全文(英文)は、 https://uni.cf/33hxaSd よりダウンロードいただけます。
本指針の主なポイントは以下の通りです。(日本ユニセフ協会編集・抄訳)

【学校の先生、職員の方々へ】
■ 安全で清潔な学校の確保
石けんや消毒剤を備えた手洗い場を整備し、正しい衛生習慣を促進しましょう。また、たくさんの人が触れるドアや窓、遊具やスポーツ用具、手すりやテーブルなどの消毒を含めた清掃をおこなってください。場合によっては、人々の接触を避けるための以下の対応も必要でしょう。

登下校の時間をずらす
集会やスポーツの試合、イベントなどの中止
可能であれば、生徒同士の机を1m以上離す


■ 安心して休める環境づくり
休まず登校することを奨励せず、具合の悪い生徒や職員が迷わず休める環境をつくりましょう。欠席の先生がいても授業を補完し合える体制づくりや、試験や休暇の日程などを含めた学校活動のスケジュールを変更することも検討してください。

■ いざという時の体制づくり
もし生徒や職員が体調を崩したときにどこに連絡しどう対応するか、その計画や手順を保健当局等と連携して整備してください。その際には、具合が悪くなった人への偏見や差別が生じないよう配慮しましょう。また、そうした対応策を職員、保護者、生徒と共有しましょう。

■ 情報共有を強化する
口コミやインターネット上で広がる偽情報に注意し、確かな情報源から正しい情報を得ましょう。COVID-19の最新状況や学校での取り組みをPTAなども活用して生徒や保護者に周知してください。同様に、もし家庭内で感染した人が発生した場合には速やかに学校に通知される体制や、生徒たちの疑問や質問に答える取り組みも必要です。

■ 年齢や状況に合った指導を
日々の学習や活動の中に感染予防を取り入れ、未就学児、小学生、中高生とそれぞれの年代に応じた指導と対応をしてください。障がいがある子ども、家族の看護を担わされやすかったり搾取のリスクが高い女の子など、特に支援が必要な子どもたちを注視してください。

■ 心の健康を保つために
生徒たちに、疑問や不安があったら先生に遠慮なく話すよう働きかけましょう。影響の受け方は様々です。友だちを支え、仲間外れや悪口が生じないように生徒を導いてください。支援が必要な生徒を見つけるために、養護教諭やスクール・ソーシャルワーカーなどと連携しましょう。

■ 長期欠席や休校への対応
学校が休校になったり、長く学校をやすむ状況になった子どもたちが、勉強を継続できるよう対策をとってください。たとえば、

インターネットを活用した学習
家庭学習のための宿題
ラジオやテレビの教育コンテンツの活用
先生たちによる、定期的な生徒へのフォローアップ
補習計画づくり


【保護者の方々へ】
■ 正しい情報を
COVID-19の感染経路や症状、予防方法等に関する正しい情報を確かな情報源から得てください。口コミやインターネット上で広がる偽情報に注意しましょう。

■ 子どもたちの体調管理と感染予防
COVID-19の症状は、一般的な風邪と酷似しています。もしお子さんの具合が悪くなったら、医療機関の指示に基づいて受診しましょう。学校にも、症状を伝えてください。お子さんには、わかりやすい言葉で状況を伝え、安心させてあげましょう。お子さんが元気で、学校が開校しているなら、学校に行かせてください。通学を避けるのではなく、正しい衛生習慣を教え、家でも学校でも、正しい手洗いや、咳をするときに肘やティッシュで覆い、目や口を触らない、といった行動を実践できるよう教えてください。

■ 子どもの心に寄り添って
非日常の中で、子どもたちのストレスは様々な形で表出します。眠れなくなったり、おなかが痛くなったり、引きこもりがちになったり怒りやすくなるお子さんもいるでしょう。そうした反応を優しく受け止め、こうした状況では当然のことであると説明してください。お子さんの心配事に耳を傾け、慰め、たくさん褒めてあげてください。可能なら、遊んだりリラックスする機会をつくってください。年齢に応じた情報を与え、何が起きているのか、自分の身を守るために何ができるのかを話してあげましょう。

【子どもたちへ】
■ 不安になるのは当然です
普段とちがう状況の中、悲しくなったり、不安になったり、混乱したり、腹が立ったりするのは、当然です。あなたはひとりではありません。お父さんやお母さん、先生など信頼できる人と話しましょう。疑問に思うことがあったら聞きましょう。正しい情報を得られれば、それはあなたや周りの人を守ることにもつながります。

■ 自分と周りの人を守るために
石けんを使って、よく手を洗いましょう。20秒以上かけて洗うのが効果的です。むやみに顔を触らないようにしましょう。コップや食器、食べ物や飲み物を他の人とシェアしてはいけません。

■ 一人ひとりがリーダーに
感染予防の方法を学んだら、おうちの人や友達、とくに弟や妹など小さな子どもたちに教えてあげましょう。咳エチケットや正しい手洗いを、弟や妹の前で実践してあげましょう。

■ 感染は、だれにでも起こりえます
COVID-19の感染は、誰にでも起こる可能性があります。住んでいるところや民族、年齢や性別、障がいの有無は関係ありません。具合が悪くなった人を非難したりいじめたりしてはいけません。

■ がまんしないで
もしも具合が悪くなったら、おうちの人や面倒を見てくれている人に伝え、家から出ないようにしましょう。

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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