医療・医薬・福祉

救急医療領域での活用に向けて、セキュリティーを担保したリアルタイム映像共有システムの共同研究を開始

凸版印刷株式会社
119番通報の現場と医療機関の間における安全で効果的な情報伝達の実現を目指す

 凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下「凸版印刷」)、北里大学(設置者:学校法人北里研究所、本部:東京都港区、理事長:小林 弘祐)およびソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川 潤一、以下「ソフトバンク」)は、119番通報の現場と医療機関の間における安全で効果的な情報伝達を実現することを目的に、セキュリティーを担保したリアルタイム映像共有システムの共同研究(以下「本共同研究」)を、2022年7月から開始します。


 本共同研究では、119番の通報者や現場に出向く救急隊、搬送予定先の医療機関の医療従事者などがスマートフォン(以下「スマホ」)のカメラの映像を通して現場の状況をリアルタイムに共有し、スムーズな状況把握やコミュニケーションを実現する仕組みの構築を目指します。具体的には、医療従事者の本人確認や保有資格の確認ができる凸版印刷の「本人確認アプリ」(※1)と、遠隔地にいる人同士がスマホのカメラの映像を見ながらリアルタイムにコミュニケーションを取れるソフトバンクの「visuamall VISUAL TALK(ビジュアモール ビジュアルトーク)」(以下「VISUAL TALK」)(※2)を連携させ、必要な資格を保有する医療従事者のみが現場の映像にアクセスできる映像共有システムを構築します。まずは、三次救急医療機関(※3)である北里大学病院 救命救急・災害医療センター(所在地:神奈川県相模原市、センター長:浅利 靖)の医師や看護師が、救急現場に出動するドクターカーからの情報伝達や、別室にいる患者や他の医療従事者との情報伝達にこのシステムを活用し、その有用性やセキュリティー、使い勝手などの評価を行います。また、それらの評価を基にシステムの改善を図るとともに、北里大学病院がある神奈川県相模原市の消防機関と連携し、救急車の出動時にこのシステムを活用する実証実験を、2023年度中に実施することを目指します。さらに、2023年4月に設置予定の北里大学 未来工学部(※4)との連携により、このシステムに集積された映像などのメディカルビッグデータをAI(人工知能)で解析し、救急医療分野における複雑なデータ抽出や活用のためのAI・統計モデリングの新手法を開発します。
北里大学病院 救命救急・災害医療センターのドクターカー
映像共有システムを活用する救急現場のイメージ
■ 背景
 現在、救急隊と医療機関の情報伝達は、電話(音声)や書面(紙)を用いて行われることがほとんどですが、5G(第5世代移動通信システム)などの普及により、近年は4Kや8Kの高精細な映像による精緻な情報伝達や、AIを活用した情報分析・伝達の高度化への期待が高まっています。また、救急医療の分野においては、消防庁による「救急業務のあり方に関する検討会」で、救急活動におけるICT(情報通信技術)の活用が検討されている他、病院や民間企業などが連携して、リアルタイムの映像を通して現場の状況や傷病者の状態を伝達する実証実験などが行われています。これらの取り組みをさらに加速させ、安全で安心な医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するには、患者のプライバシー保護などのセキュリティーの確保が重要です。本共同研究では、このような背景の下、119番通報システムの進化を見据えて、その標準化と社会実装を目指します。また、多彩な研究者や企業、大学、医療機関が連携することで、学問の領域にとどまらない研究開発を進めていきます。

■ 各者の取り組み
・凸版印刷

 凸版印刷は、デジタル情報の伝達やDXに必要不可欠な「デジタル視覚データ」(画像や映像などの視覚で得る情報)の各種要素やパラメーター、プロトコルなどを「DX-E(R)(Elements)」と定義し、色や質感などを表現する「デジタル視覚データ」の品質管理基盤の構築に取り組んでいます。また、2021年5月から提供を開始した、スマホとマイナンバーカードのみで非対面での本人確認を可能にするスマホアプリ「本人確認アプリ」に、HPKI(※5)カード(医師資格証:医師資格を証明する電子的な証明書を格納したICカード)で医療従事者の本人確認と資格確認ができる新機能を追加しました。HPKIカード申請時に設定したPINコードを「本人確認アプリ」に入力し、スマホにHPKIカードをかざすと、医療従事者や関連する資格の保有者などとして認証されます。この仕組みにより、適切な情報アクセス制御が可能となり、安全で安心なオンライン医療サービスの提供を実現できます。本共同研究では、救急医療での活用に向けて「デジタル視覚データ」の品質管理に関する研究を行うとともに、「本人確認アプリ」とソフトバンクの「VISUAL TALK」を連携させます。

・北里大学/北里大学病院 救命救急・災害医療センター
 天国への階段を上り始めた重篤な患者を、この世に引き戻すことが救命救急センターの役割です。北里大学病院の救命救急センターは、1986年に開設され、地域医療への貢献を重視して、神奈川県相模原市を中心とした地域の救急医療の最後の砦としての役割を担ってきました。2014年の春には、免震構造を持つ新病院での診療を開始するとともに、名称を救命救急・災害医療センターに改めました。これは、災害時にも地域医療に貢献するという「報恩」「不撓不屈」の精神を貫く覚悟の現れです。学祖の北里 柴三郎博士が残した教えの一つである「事を処してパイオニアたれ」という開拓の精神を継承し、救急医療DXの新たな道を切り拓いていきます。本共同研究では、北里大学病院 救命救急・災害医療センターで、「本人確認アプリ」と「VISUAL TALK」を連携させたシステムの評価や検証を行います。なお、北里大学は、2022年5月25~27日に大阪国際会議場で開催される「第25回日本臨床救急医学会総会・学術集会」において、本共同研究についての発表を行います。

・ソフトバンク
 ソフトバンクは、「Beyond Carrier」戦略の下、従来の通信事業者の枠を超えて、幅広い産業分野における革新的なサービスの提供や、他社との共創による各業界のDXに注力しており、医療・ヘルスケア分野においても、データ分析に関する知見や5G、AIなどを活用したさまざまな取り組みを推進しています。また、ソフトバンクは、スマホのカメラの活用により、遠隔地にいるオペレーターとユーザーが同じ映像を見ながらリアルタイムにコミュニケーションを取れるサービス「VISUAL TALK」を開発し、2021年9月から提供しています。オペレーターがユーザーのスマホに、SMSで指定のURLを送り、ユーザーはそのURLをタップするだけで、映像の共有と通話やチャット、手書き機能を使った直感的なコミュニケーションを開始することが可能です。ウェブブラウザー上で操作を行うため、専用アプリのインストールは不要です。オペレーターは、ユーザーのカメラのオン・オフやズーミング操作、音声のオン・オフなどの制御を行うことができるため、スマホに不慣れなユーザーでも簡単に利用することができます。本共同研究では、「VISUAL TALK」と凸版印刷の「本人確認アプリ」を連携させて、救急現場へのカスタマイズに向けた開発を行います。

以 上

※1 本人確認アプリ
サービスサイト:https://solution.toppan.co.jp/secure/service/honninkakunin.html
プレスリリース:https://www.toppan.co.jp/news/2021/07/newsrelease210721_2.html
参考(公益社団法人 日本医師会による「オンライン診療時の医師資格と本人確認について 患者の安全・安心を確保するための提言」):https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20201007_3.pdf

※2 VISUAL TALK
サービスサイト:https://www.visuamall.com/service/visualtalk/

※3 三次救急医療機関
 一次救急医療機関や二次救急医療機関では対応できない、重症および複数の診療科領域にわたるすべての重篤な救急患者を24時間受け入れる体制と、高度な診療機能を有する医療機関

※4 設置認可の申請中です。学部の名称は変わる可能性があります。

※5 HPKI
保健医療福祉分野の公開鍵基盤(Healthcare Public Key Infrastructure)

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