「医療の現場を生き生きとカラフルに!」ユニフォームメーカーが起こした白衣のカラー化への挑戦ときっかけ

色には「働く現場を明るくし」「チーム力を高め」「患者の心をケアする」力がある。


創業119年の老舗ユニフォームメーカーであるフォーク株式会社は、2001年に白衣事業に参入。2009年には9色のカラースクラブを発表しその後もメディカルウェアのカラー化をリード、人気シリーズ「PANTONE」では2022年5月現在「白衣業界最多37色」の色を展開しています。カラースクラブ開発のきっかけと、色が働く現場に与える力についてお伝えしていきます。



■そもそもなぜ医療従事者の制服は白いの?■

白衣の登場は化学や研究技術、機器の発展により医学がより科学的になった19世紀半ば頃、医師も科学者であるという考えのもと、科学者と同様に長袖のコート型白衣を着用し始めたことがきっかけとされています。*1


それまでの医師は黒のフロックコートを着用していました。*2 日本では洋装化される以前は医師看護師共に平服の着物を着用していました。


FOLKメディカルウェアカタログよりカラースクラブへの変遷


日本の看護衣は看護教育が始まった1885年当時に洋装が取り入れられ、1887年頃に詰襟の白いワンピースドレスが式服として製作されます。1962年に放送された海外医療ドラマ「ベン・ケーシー」の流行により男性医師らに白のケーシースタイルが定着しました。白が潔白、清潔、清楚といったイメージとつながることも、医療業界に定着した背景にあると考えられます。


白以外の「色」が登場し始めたのは1968年頃で当時は、サックスや薄ピンク色が選ばれていました。

■カラースクラブ誕生のきっかけ■

フォークは2001年白衣事業に新規参入した際、「他にはないフォークらしさ」を追求していました。当時の経営陣は、「日本で着られているナースウェアやケーシーは海外から取り入れられたので、海外に白衣に続く次のヒントがあるのではないか」と考えていました。当時、海外ではカラフルなスクラブが着られており、日本でもその風潮が現れ始めていました。そこで、「日本の医療業界もいずれはカラースクラブスタイルになる」という仮説のもと、2009年のカタログで初めて9色のカラースクラブを発表しました。


FOLK 2009年度メディカルウェアカタログより

■現場の声と社風に後押しされたカラースクラブの開発■

初めて発表したカラースクラブでは、鮮やかな赤、オレンジ、ネイビーなど、当時の日本のメディカルウェアでは見たことがないような色を採用しました。初めから9色もの色展開をしたのは、「絵具や色鉛筆など色を取り扱うものは色相として展開し、カラーバリエーションの楽しみを表現している」からだと当時の企画担当者は言います。


その後、営業部門が販売活動を行うなか、歯科医院などからカラフルなスクラブを望む声を聴くようになりました。そうして「本格的に色のバリエーションを広げよう」という考えに至り、PANTONEのブランドを冠したシリーズを立ち上げました。毎年新しい新色を追加し、2022年5月現在「PANTONE」は「白衣業界最多37色の色展開」の、フォークを代表するシリーズに育っています。


業界最多の37色展開をするPANTONEシリーズより


当時はまだ白衣やケーシーが主流で、色も白か薄いピンクとサックスでした。赤やオレンジのスクラブがお客様に受け入れられるかどうか半信半疑の社員も少なくありませんでした。


しかし当社の社風には「面白いからやってみよう!」という気質があり、現場の声にも後押しされ、他社が思いもつかないような様々なカラーを製品化することになりました。そして、新しい色にチャレンジしては廃番にして。ということを繰り返して今の37色のカラーハーモニーへと成長しました。

■様々な施設で採用されるカラースクラブ■

私たちがこれまで取材をさせて頂いた病院の中でも、特に強く心打たれ気付かされたエピソードをご紹介します。


[医療法人社団志人会 三島中央病院の採用事例]

[三島中央病院の採用事例紹介ページを見る]


静岡県三島市にある「医療法人社団志人会 三島中央病院」は、ダークネイビーのスクラブを着用していました。しかし職員同士で行った身体抑制のシミュレーション体験で患者さんの立場になった時、暗い色のユニフォームに囲まれると心理的な圧迫感があることが分かり、「次に選ぶときは明るい色を」と、薄紫色のスクラブの採用に至ったそうです。


[地方独立行政法人 山形県・酒田市病院機構 日本海総合病院の採用事例]

[日本海総合病院の採用事例紹介ページを見る]


山形県酒田市にある「地方独立行政法人 山形県・酒田市病院機構 日本海総合病院」では、カラフルな色が患者さんとのコミュニケーションに変化をもたらしています。カラースクラブを採用して親しみやすさが増したことで、患者さんから話しかけてもらうことや、気持ちを伝えてもらう機会が増えたそうです。着用しているスタッフからも「ポジティブな気持ちで仕事が出来るようになった」と気持ちに変化が現れているといいます。

■スクラブの色は患者さんへの思いやりの色 ■

これまで私たちは「チーム力の向上」や「職員のモチベーションアップ」に貢献したいという想いでカラースクラブの開発をしていました。しかし、カラースクラブを採用して頂いた多くの施設では、「患者さんから分かりやすいように色分けをしたい」「色で患者さんの不安を和らげたい」「利用者さんとの会話のきっかけになれば」とケアをする相手への「思いやり」が背景にあったのです。


「看護服が病院職員と患者に与える印象調査」では「看護服で患者をリラックスさせる配慮をしている」病院は63.1%あり、30%近くの病院が「色や柄のウェアを採用している」と答えています。*4


FOLK 2022年度メディカルウェアカタログより



医療現場によって求められる色も異なり、白衣のカラー化は今も多様な進化を遂げています。医療従事者の声に耳を傾け、これからも医療現場が色の力で一層生き生きと輝くお手伝いをしていきます。




出典

*1、*2 筑波大学大学院博士課程 人間総合学科研究科 栗原宏:筑波大学 博士(医学)学位論文「医師の身だしなみに関する研究(患者視点と医学生視点の比較・検討)」,1章[1-1](2014)

*3 庄山茂子,栃原裕,窪田恵子,青木久恵:「異なるデザイン看護服に対する印象評価」,日本繊維製品消費科学会誌:54巻2号(2013)

*4 庄山茂子,栃原裕,窪田恵子,青木久恵:「 制服としての看護服の変遷と現代における看護服のデザインの違いが 看護師および患者に与える心理的影響(2011年度報告)」 Changes in nurse clothes as uniforms and the psychological effects of differences in the design of nurse clothes on nurses and patients(2011)


参考

(1)庄山茂子,栃原裕,窪田恵子,青木久恵:「制服としての看護服の変遷と現代における看護服のデザインの違いが 看護師および患者に与える心理的影響(2012年度報告)」 Changes in nurse clothes as uniforms and the psychological effects of differences in the design of nurse clothes on nurses and patients(2013)

(2)筑波大学大学院博士課程 人間総合学科研究科 栗原宏:筑波大学 博士(医学)学位論文「医師の身だしなみに関する研究(患者視点と医学生視点の比較・検討)」(2014)

(3)学校法人 大阪医科薬科大学 歴史資料館:NEWS「看護師白衣の変遷」2018年度

https://www.omp.ac.jp/trad/vqh17r000000ejy9.html(2019)




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