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「障害者差別解消法」施行から4年を経て、いまだに盲導犬を理由とした「入店拒否」が6割以上

公益財団法人 アイメイト協会
日本初の国産盲導犬チャンピイを育成した公益財団法人アイメイト協会が調査

日本初の国産盲導犬チャンピイを育成した公益財団法人アイメイト協会(東京都練馬区、代表理事:塩屋隆男)は、2020年も全国の現役アイメイト(盲導犬)使用者を対象にしたアンケート調査を実施し、その結果を公表しました(2016~19年も毎年実施)。 本調査は、「障害者差別解消法」(正式名称:「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)の施行(2016年4月1日)から4年を迎えようという時期に、全国で活躍するアイメイト使用者の生の声を集め、広く世間に伝えることにより、共生社会へさらに一歩近づき、障害者と健常者がともに、より暮らしやすい社会に発展していくことを目指しています。以下、調査結果のポイントを抜粋します。(調査の詳細は、別紙の調査報告書をご参照ください。) (※公益財団法人アイメイト協会ウェブサイト:https://www.eyemate.org/)


【調査結果のポイント】

1.「障害者差別解消法」施行から4年目にも拘わらず、いまだに6割以上が入店拒否を経験


法律の施行から4年目にあたる2019年4月1日から2020年2月までの期間に、アイメイト(盲導犬)を理由に入店拒否などの差別的な扱いを受けた人は、全体の62.0%(57人)にのぼり、依然として多くの使用者が差別被害に遭っている状況が確認されました。
同じ質問についてこれまでの調査結果を確認すると(回答者及び回答者数は異なる)、2017年3月が62.0%(75人)、2018年3月は63.0%(75人)、2019年3月は52.9%(45人)でした。オリパラ2020を前に改善されていくことが期待されましたが、状況がほとんど改善していない様子がうかがえます。


2.入店拒否トップは、昨年に引き続き「飲食店(居酒屋、喫茶店含む)」(77.2%)


入店拒否を受けた場所で最も多かったのは、「飲食店(居酒屋、喫茶店含む)」(44人、77.2%)。昨年と同様、約8割もの人が飲食店での入店拒否を経験していました。
2番目に多かったのは、「宿泊施設(ホテル、旅館)」の15人(26.3%)。「飲食店(居酒屋、喫茶店含む)」での被害が圧倒的に多くありました。
3番目に多かったのは「タクシー(運転手)」(12人、21.1%)、さらに「スーパー、コンビニ(食品を扱う商業施設)」(7人、12.3%)、「病院」(7人、12.3%))と続きます。
「その他」には、『救急車』『試験会場』『城』という回答がありました。


3.法の理念と目的達成に向け、「さらなる取り組み」を求める声が8割以上に


「障害者差別解消法」の施行後、法が目指す目標はどの程度達成されたかの問いに、「施行前より良くはなっているが、まだ取り組みが足りないと思う」との回答が最も多く、60人(65.2%)でした。
2番目に多い回答は「施行前と変化は感じられない。もっと積極的な取り組みが必要だと思う」で15人(16.3%)でした。
両回答を合計すると、8割を超える75人(81.5%)の使用者が「さらなる取り組み」を求めており、これまでの調査に引き続き、法が目指す目標達成に向けてまだまだ社会全体として取り組みが必要という結果となりました。
一方で、「どちらかと言えば、達成されていると思う」(14人、15.2%)、「達成されていると思う」(3人、3.3%)という意見もありました。


4.入店を拒否した店側の主張の例


アイメイト使用者に対して店側が伝えた理由として、『前例がない』『犬が苦手/犬アレルギーのお客様がいる』『以前、別の使用者が入店した際にトラブルがあった』『食べ物を扱っている』『スペースが狭い』などの回答がありました。いずれも、法律が示す「正当な理由」には当たりません。


5.「東京オリパラ」後に最も必要なことは、「教育を通じた障害者への理解促進」(41人、44.6%)


「東京オリパラ」後に向けて必要なこととしては、ハード面の整備である「都市や街づくりにおけるより一層のバリアフリー化」をおさえて、「教育を通じた障害者への理解促進」が最多(41人、44.6%)となりました。
次いで、「都市や街づくりにおけるより一層のバリアフリー化」(38人、41.3%)、「心のバリアフリーのさらなる浸透」(36人、39.1%)、「障害者がスポーツに親しむための環境整備」(35人、38.0%)、「健常者と障害者がともに楽しめる場や機会の創出」(30人、32.6%)、「障害者の積極的な社会参加」(28人、30.4%)、「障害者の就労支援の強化」(22人、23.9%)と続いています。


■不当な差別を禁止する「障害者差別解消法」(2016年4月1日施行)


「障害者差別解消法」は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的としています。
同法では、国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者が、障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止しています。例えば、盲導犬を理由とした入店拒否は、車いすや補装具などの障害に関することを理由にして区別や排除、制限をすることと同様、障害者に不利な結果をもたらす差別となります。

・「合理的配慮の提供」とは?
同法では、国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者に対して、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること(事業者に対しては、対応に努めること)を求めています。

【写真1.】 飲食店や商業施設での様子


■街中でアイメイト使用者や視覚障害者に出会ったら? ウェブサイトで学べるコンテンツ
・「アイメイト使用者に出会ったら」https://www.eyemate.org/doc/assisting/
街中でアイメイト使用者に出会い、何かサポートをしたい時どのようにすればいいのか、使用者への接し方や声のかけ方をまとめました。
・「動画で知るアイメイト」https://www.eyemate.org/doc/education/
アイメイト(盲導犬)の歴史や、駅・街中・レストランそれぞれの場面で使用者や視覚障害者を誘導する方法を映像でご覧いただけます。

■公益財団法人アイメイト協会について
1957年に日本初の国産盲導犬第1号「チャンピイ」を育てた塩屋賢一が創設(第1号使用者は、河相洌さん)。アイメイト(盲導犬)育成、視覚障害者への歩行指導を通じて視覚障害者の自立支援を行い、社会参加を推進しています。東京都内(23区)にありながらも、全国の視覚障害者にアイメイト歩行を指導。指導の対象は海外の方にも広がり、これまでにアイメイト協会が歩行指導し卒業したペアは延べ1,384組にのぼります(2020年3月27日現在。使用者とアイメイトのペアを1組と数えます)。
アイメイト協会では、日本にまだ盲導犬に関する法整備が整う前、日本の盲導犬事業が草創期の頃から長年にわたり、アイメイト使用者や支援者とともに盲導犬使用者への理解を社会に訴えてきました。

※アイメイト協会出身の犬は、「盲導犬」ではなく、「アイメイト」と呼んでいます。アイメイト歩行は、十分に歩行指導を受けた視覚障害者の指示を受け、人と犬とが協同で安全な移動を実現します。その主体はあくまでも人にあります。そのため、アイメイト協会では、「私の愛する目の仲間」という意味を込め、「アイメイト」と呼んでいます。

■公益財団法人アイメイト協会の歩み
1948年 塩屋賢一が目隠しの生活を体験しながら、盲導犬の育成を独自の方法で始める
1950年 自宅に「日本盲導犬学校」を開き、「盲導犬研究会」を設立
1957年 塩屋賢一が国産第一号の盲導犬チャンピイを育成
1967年 日本盲導犬学校の施設を母体に(財)日本盲導犬協会が認可される
1971年 その後(財)東京盲導犬協会として新たに東京都からの認可を受ける
(1989年4月にアイメイト協会に改称)
2007年 アイメイトペア1,000組に到達。アイメイト50周年(チャンピイ活躍開始から)
2011年 公益財団法人に移行
2017年 アイメイト60周年
(アイメイトの歴史URL:https://www.eyemate.org/history/

【写真2.】国産盲導犬育成のパイオニアたち


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