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レバノン:危機的状況続く給水システム~飲料水価格は3~5倍【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

ヘスビ(Hesbi)にある唯一の水源から水を飲む子ども。(レバノン、2021年10月撮影) (C) UNICEF_UN0550968_
【2022年7月21日 ベイルート(レバノン)発】

レバノンは、水インフラの全面崩壊を何とか回避していますが、給水システムは依然として瀬戸際にあり、何百万人もの人々、特に子どもたちの健康が危険にさらされていると、ユニセフ(国連児童基金)は警鐘を鳴らしました。

ユニセフは新しい報告書「水道を維持するために(原題:Struggling to keep the taps on)」の中で、電力危機が続く限り、解決への見通しは暗いままだと指摘しています。電力不足のために十分な水をくみ上げることができず、場合によっては揚水作業が完全に停止してしまうからです。

ユニセフ・レバノン事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデルは、「公共水道の全面的な崩壊は今のところ回避されているものの、危機は解決されておらず、何百万人もの人々が清潔で安全な水が十分に手に入らないために影響を受けています。この問題に取り組むことは、レバノンの子どもたちと家族の健康にとって最も重要なことです」と述べました。

水不足により湧き水をペットボトルに溜めて持ち帰る家族。(レバノン、2021年8月撮影) (C) UNICEF_UN0671360_Haidar
世界的な原油価格の上昇は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響と2020年のベイルート大爆発の余波によってすでに引き起こされていた経済破綻をさらに悪化させ、重要なインフラに深刻な影響を及ぼしました。

公共事業者は、電力危機の大きな影響に加え、インフレの悪循環の中で部品の購入や修理、ディーゼル燃料の調達ができないため、顧客に十分な水を供給できないでいます。危機が始まって以来、4カ所の水道局からの水の供給が激減し、必要最小限の量とされる1人1日当たり35リットルを下回ることもしばしばです。

多くの家庭は、費用のかかる水のトラック輸送や、水質の保証がない民間業者からの供給に頼らざるをえません。給水トラックが運ぶ水の平均価格は、2022年4月には1,000リットルで14万5,000レバノンポンド(LBP)に達し、2021年同月と比較してほぼ50%増、2019年と比較してほぼ6倍の上昇となっています。

また、水道水の水質に対する懸念もあり、レバノンのほとんどの家庭が飲料水をボトル入りの水に頼っています。2022年4月の時点で、ボトル入り飲料水の価格は1年前の3倍から5倍になっていました。5人家族で1日に合計10リットルを飲む場合、料理や衛生面で必要な水の費用に加えて、年間約650万LBP(261米ドル)が必要です。

バールベック近くのシリア難民のための非公式居住区に届いた水の様子。(レバノン、2022年7月6日撮影) (C) UNICEF_UN0671356_
水と衛生に関連する病気は5歳未満の子どもの主要な死因であり、そうした病気に特にかかりやすい乳幼児にとって、安全な水の不足は大きなリスクとなります。

ユニセフは、公共事業者による水の供給が依然として最善かつ最も安価な解決策であると強く訴えています。 電力危機の解決とサービス支援のための対策を直ちに講じる必要がある一方、公共水道網が実行可能な運営に戻れるよう、大規模な投資が緊急に必要です。

政府は危機の解決に取り組む一方で、すべての家庭、特に最も厳しい状況の人々が水を購入できるようにすることが重要です。「水を利用できることは基本的なニーズであるばかりでなく、基本的な権利でもあります。十分な量の安全な水を、手頃な価格で手に入れることは、命を守り、子どもたちの健康を保ちます」(ベイグベデル)

ユニセフは危機の発生以来、レバノンのすべての人が安全な水を利用できるように、物資や消耗品の提供、緊急の修理など、水道事業への支援を大幅に強化しています。

ユニセフは、重要なシステムを稼働させ、レバノン全土で400万人以上に水を供給し続け、公共水道システムのアクセスと運営を保護するための資金として、年間7,500万米ドルを必要としています。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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