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労働者協同組合法 施行に向けた 理事長声明

ワーカーズコープ
2022年10月1日の労働者協同組合法施行を前に、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会は次の声明を発表します。





労働者協同組合法の施行にあたって


悲願の労働者協同組合法がついに施行の時を迎えました。先人たちが始めた「失業をなくす」「よい仕事に尽くす」取り組みが、公の新しい働くしくみとしていよいよ登場します。
これから始まる労働者協同組合法が存在する時代の入り口に立ち、改めて法制化にたどり着いた運動の歴史と到達点をしっかり受け継ぎ、先人たちの思いを携え、誰もが仕事と暮らし、時代と社会の当事者たらんことを強く呼びかけ、協同労働が「人間の目覚め」を呼び起こす時代を拓く運動として歩み続けることを、ここに誓いたいと思います。

私たちの先人は、戦争の経験とその犠牲当事者として、「失業」の中を生きる激烈な運動をつくりました。その試行錯誤の中から、「働くこと」の尊さを志し、その遺伝子を私たちは引き継ぎました。国の失業対策事業が廃止に向かう中で、そこで働く人々の命と誇りを守る力を膨らませ、労働者協同組合の前身である事業団を生み出します。当時掲げられた目標は、言葉を変え今日まで息づいています。1.働くもの・市民・地域主体の「よい仕事」「仕事おこし」、2.働きたいと願う誰もが働ける社会、3.協同労働の社会化(協同労働推進ネットワーク)、4.社会連帯運動と協同労働・協同組合・非営利・労働運動の連携、などです。

50年余の時を経た事業団・労働者協同組合・協同労働運動は、「よい仕事」「仕事おこし」を掲げ続け、その探求プロセスに人々の「参加」「主体性」「当事者意識」を育んできました。労働者協同組合法の施行とは、この探求プロセスの地域的・社会的実践を公的に呼びかけるものと言えます。法制化が実現し、「社会が協同労働を必要とした」「協同労働の実践に時代が追いついた」と評価されることがあります。こうした評価は私たちの苦闘を最大限評価し、励ますものでした。先人たちの激しい議論と試行錯誤を経て生まれた労働者協同組合の実践は、その歴史のすべての出来事・すべての人々の営みが血肉となり、普遍性を持ちうる内容と、それが問われる時代が交錯した今、必然性を持って法制度として登場するといえます。すべての関わった人々とその実践が何一つ無駄とならず、種となり土壌となって、今の社会環境の中で芽吹き実がなりました。歴史の事実は一つでも、見る人・見る位置によってその景色は多様です。私たち一人ひとりが、自らの五感を働かせ、歴史に感謝し、思いをはせる。切り取られたプラスの歴史だけでなく、すべての歴史を決してなかったことにせず、真摯に歴史から学び未来へと引き継ぐ。こうした責任を引き受け、未来への懸け橋となる。それが今と過去をつなぎ未来へ紡ぐ歴史の当事者となるということだと思います。

不確実で先の見通せない危機極まる今と未来を前に、労働者協同組合と協同労働は、希望の灯となりうるのか、まだその確証はありません。しかし、歴史を紐解き丁寧に意味づければ、未来の輪郭が浮かび、目指す方向が明かりをまとうはずです。それを確かにする必要な条件は二つあるのではないかと思います。一つは私たちが探求者であり続けるということ。実践の格闘と探求が法を編み出した事実を忘れることなく、生まれた法を活用し、更なる実践の探求を深め広げることで、法の質を高め続けることです。その意味で私たちは、法の中で生きるというより、法と共に生き、生きた法を育て続ける、この法律が見据える未来へ向かう実践者たろうということ。それを協同労働の探求者と呼びたいと思います。そしてもう一つは、この探求者を丁寧に増やし広げていくことです。それは協同労働という文化を耕すことに他なりません。「私」から「私たち」を育み、コミュニティをベースとした「みんな」と呼ぶにふさわしい関係を広げていくこと。そして、自然と居り合う生存の場という本来のコミュニティを、自分たちでつくり直すことです。

2022年10月1日から、「協同労働を探求する時代」が本格化します。法律はしくみでしかありませんが、そこに命を吹き込むのは私たち実践者です。臆することなく、決しておごらず、感謝を忘れず、協同労働を真摯に探究する中から、私たちの中に眠る「人間性」の目覚めを呼び起こしていきます。世界に誇る日本の協同労働運動を展望し、八百万の神が宿る日本社会ならではの、命の尊さと命のつながりが感じられるコミュニティを創出することで、生存の危機を乗り越える旅を始めます。その原点を忘れることなく刻み続けることを約し、10月1日を「協同労働の日」とし、実践を耕し続け語り続けます。

最後に、先人たちの言葉を記し、この旅立ちの決意とします。
“自由なる労務の名にて遅々たれど 働く力尊し道なる” (岐阜市・金華山道路竣工石碑より)

2022年9月26日
日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会
理事長 古村伸宏



日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会 組織概要






労働者協同組合法について(令和二年法律第七十八号 2020年12月成立、2022年10月施行)

労働者協同組合(ワーカーズコープ)にはこれまで農協・生協・漁協のような法人格はなく、「協同労働」の法制化をめざす動きが1998年から始まりました。協同労働の実践を全国で広げ、団体署名や意見書の採択に取り組む中で、与野党全会派一致で法制化が実現しました。

協同労働とは「協同の関係」で働くこと。働く人が自ら出資して組合員となり、話し合って事業を行う働き方です。企業組合やNPO法人と違い認可認証が不要で、NPO法人のように活動分野の規定もなく、3人以上で設立できます(NPO法人は10人以上、出資不可)。

法律では、出資額に関係なく「一人一票」の権利が認められています。「一人ひとりが出資して組合員となり、意見反映を通じて運営に参加し、自ら事業に従事する」、これが労働者協同組合の基本原理です。この法律を活用し、協同労働が社会を変えていく推進力となることを目指します。
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