医療・医薬・福祉

東京都初 順天堂医院が睡眠時無呼吸の最新治療「舌下神経電気刺激療法」を開始

学校法人 順天堂
順天堂大学医学部附属順天堂医院(院長:高橋和久)は、東京都で初(国内では4例目)となる“閉塞性睡眠時無呼吸”に対する新しい治療法「舌下神経電気刺激療法」を導入し、2022年8月に耳鼻咽喉・頭頸科の井下綾子准教授、大峡慎一准教授、松本文彦主任教授が、第1例目の手術を実施しましたのでお知らせします。現時点で本治療を受けることのできる施設は、東京都内では当院のみです。



「舌下神経電気刺激療法」について
2021年6月に保険適用された新しい治療法です。パルスジェネレータ(*1)を鎖骨下に埋め込み、睡眠中の呼吸に同期させ微弱な電気で舌を動かす舌下神経を刺激することにより、舌を収縮させて前に出し、のどを広げ、通りをよくする効果があります。本治療により、睡眠中のいびきや無呼吸の軽減、主観的な眠気の改善が報告されています。

装置操作:就寝前に外部コントローラーを操作し、スイッチをオンにすると作動します。

「睡眠時無呼吸」について
一般的に広く認められている睡眠時無呼吸は閉塞性睡眠時無呼吸で、肥満や首が短い、下顎が小さい、舌や扁桃が大きい、などの原因によりのどが狭くなるために無呼吸を起こしやすくなります。日中の眠気や集中力の低下、交通事故の原因となるだけでなく、高血圧、冠動脈疾患、不整脈、心不全などの循環器疾患の原因となり、生命予後(*2)にも影響することが知られています。中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸への標準的な治療はCPAP療法(*3) (持続陽圧呼吸療法)で、上述の症状や合併症の治療にも効果的です。しかし、CPAP療法に耐えられず治療を中止してしまうこともあり、継続率は50%とする報告もあります。
そこでCPAP療法の代替治療として新治療である「舌下神経電気刺激療法」が開始されました。

舌下神経電気刺激療法の適応条件


中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸の方(無呼吸低呼吸指数が20 回/時以上)
CPAP療法を試行錯誤しても継続できなくてお困りの方
18歳以上の方
肥満指数(BMI)が30 kg/m2未満の方
薬物睡眠下内視鏡検査で軟口蓋が全周性に虚脱しない方(当院で検査を行います)

※上記の条件に該当しても、別の理由により適応外となる場合もあります。

舌下神経電気刺激療法の実施概要
本治療に適応すると判断されると、まず、全身麻酔による手術「舌下神経刺激装置植込み術」を行います。刺激リード(*4)の固定や副反応、切開創の状態などの、経過観察(約1ヵ月)の後、舌下神経への電気刺激による治療を開始します。
本治療を行うためには、頭頸部の専門的な外科的手技や、研修の修了が必要です(*5) 。さらに、術後の管理体制が整った認定施設でのみ実施することができます(*6) 。当院はこれらの基準を満たしている、東京都内では唯一の施設です。また、本治療は科を超えたチーム医療です。受診相談は睡眠・呼吸障害センターの睡眠専門医がまずはご対応します。

担当医師のコメント
本治療は日本では導入されたばかりですが、欧米ではすでに2万件以上の症例で実施されています。無呼吸の改善や眠気の解消といったデータが示されているものの、心血管合併症への効果については未解明です。日本人と欧米人の体質の違いにより有効性が異なる可能性もあり、今後は国内での症例の蓄積が期待されています。本治療が、CPAP療法が使用できない方への大きな希望となることを願っています。

用語解説
*1パルスジェネレータ:センサーリードからの信号に合わせて刺激リードへ電気刺激を送る刺激装置本体。
*2生命予後:病気・手術などの経過において、命に与える影響のこと。
*3CPAP療法:機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法。
*4刺激リード: 舌下神経周囲に植え込まれ、パルスジェネレータからの電気刺激を舌下神経に与える導線。
*5耳鼻咽喉科又は頭頸部外科の経験を5年以上有し、所定の研修を修了していることが必要です。
*6本治療を行うために十分な体制が整備された施設であることが必要です。
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