医療・医薬・福祉

第3相臨床試験に関して良好な事後解析を発表

窪田製薬ホールディングス株式会社
スターガルト病治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」

 窪田製薬ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、以下「当社」)は、当社の100%子会社のクボタビジョン・インク(本社:米国ワシントン州)が実施した「エミクススタト塩酸塩」(以下「エミクススタト」)のスターガルト病を適応症とした第3相臨床試験の事後解析において、良好な結果を得られたことをお知らせいたします。


 当臨床試験の主要評価項目には、若年性黄斑変性スターガルト病患者において黄斑部の萎縮病巣の進行を抑制する効果の検証が含まれますが、先日発表されたトップラインデータでは、プラセボ投与群と比較したエミクススタト投与群の統計学的な有意性を示す結果が得られませんでした。その後、更なる分析の結果、ベースライン時の萎縮病巣面積(mm2)がより小さい被験者グループでのプラセボ投与群と比較したところ、エミクススタト投与群の萎縮病巣の進行率が優位に低いことを示唆され、それを検証すべく、サブグループ解析(*1)を実施しました。ベースライン時の萎縮病巣領域が小さい被験者グループに対して変数減少法による単変量と多変量分析を行い、このサブグループにおける萎縮病巣の進行に影響する独立したベースラインの因子を特定しました。この解析の結果、エミクススタト投与群の24カ月目の黄斑萎縮の進行率が、プラセボ投与群に比べ40.8%抑制されました(p=0.0206、エミクススタト投与群n=34、プラセボ群 n=21)。


 当臨床試験は、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相臨床試験で、被験者をランダムに10mgのエミクススタト投与群とプラセボ群に2対1で割り付け、1日1回の経口投与にて24ヶ月間実施しました。目標としていた被験者数は162名でしたが、世界11カ国29施設で合計194名が被験者登録され、予定通り最終被験者の最後の来院(LPLV)を終えております。

 当社の代表取締役会長、社長兼最高経営責任者の窪田良博士は次のようにコメントしています。
「当臨床試験のサブグループ解析の結果において、高い有効性が示されたことを大変うれしく思います。早期の疾患において効果が示されたことは、アルツハイマー病など他の神経変性疾患で観察されていること同様に早期発見早期治療の重要性を示唆しております。一日も早く全世界のスターガルト病患者の皆様にお届けできるよう努めてまいります。」
 
 今後も当社は、引き続き共同開発パートナーを探す等の活動を継続するとともに、エミクススタトの今後の計画について改めて検討してまいります。あわせて、クボタメガネを中心とした医療機器開発および販売に注力してまいります。
 なお、本件の2022年12月期の連結業績への影響につきましては現在精査中であり、業績予想の修正が必要となった場合には速やかに開示します。
*1 サブグループ解析とは、全体の集団の中から特定のグループを抜き出して解析することです。

当臨床試験に対する助成プログラムについて
 当臨床試験は、2020年8月に、FDAより、Orphan Products Clinical Trials Grants Program の助成プログラムに選定されました。クボタビジョンは2285万ドル(約30億円)(93.3%)を出資し、FDAを所管する米国保健社会福祉省(HHS)から総額163万ドル(約2.2億円)(6.7%)が支給されました。なお、本プレスリリースの内容は、当社グループが発信したものであり、必ずしもFDA/HHSや米国政府の公式見解等もしくは承認を示すものではありません。


スターガルト病について
 スターガルト病は患者数が少ない網膜の遺伝性疾患であり、若年性の黄斑変性とも呼ばれ、8千~1万人に一人がこの病気にかかると推定されています(*2)。スターガルト病を発症すると徐々に視細胞が損傷され、視野の欠損、色覚異常、歪み、ぼやけ、中心部が見えにくいといった様々な症状が見られます。一般的に小児期から青年期にかけて発症しますが、中には成人期まで視力低下を自覚しないこともあります。スターガルト病は、米国における患者数が推定で4万人に満たないことから(*3)、新薬開発を進行促進するためにFDA(米国食品医薬品局)が制定する「オーファンドラッグ法(*4)」の対象です。現在、症状の進行を抑制する治療薬は存在しておらず、スターガルト病の市場は、2027年には約1,600億円に達すると報告されています(*5)。

*2 Retinal Pharma & Biologics Market, Market Scope 2015.
*3 Market Scope社が2015年に発行した「Retinal Pharma & Biologics Market」と「UN World Population Prospects 2015」をもとに、米国、欧州、日本のスターガルト病患者数を自社で算出。
*4 オーファンドラッグ法:オーファンドラッグは稀少疾病用医薬品と呼ばれ、治療が困難な病気や患者数が少ない病気に対する治療薬のことをいいます。「オーファンドラッグ法」は病気を治療する医薬品の重要性に基づき研究開発が進むように、公的援助制度等を整備することを目的に米国FDAにより制定されました。米国で治療薬が存在しない疾患に対して患者数が20万人未満であること、開発コストが販売から回収される見込みがないことなどの基準が設けられている。
*5 WISEGUY RESEARCH CONSULTANTS PVT LTD Global Juvenile Degeneration (Stargardt Disease) Market Research Report- Forecast to 2027

エミクススタトについて
眼球の奥にある網膜には、脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える働きをする「視覚サイクル」と呼ばれる仕組みがあります。この視覚サイクルは、明るい光や強い光にさらされると有害代謝産物を生成します。これが長期にわたり消化されないまま蓄積されると、視覚サイクルの働きに支障をきたすだけではなく、網膜自体が損傷され、視力低下あるいは失明にいたると考えられています。網膜には、こうした有害代謝産物の前駆物質を分解する際に活躍するABCA4という遺伝子があります。スターガルト病はこの ABCA4 遺伝子の異常により、網膜にビタミンA由来の有害代謝産物が過剰に蓄積されることで網膜内の細胞が損傷を受け、最終的には視機能障害をきたすと考えられています。エミクススタトは、視覚サイクルに不可欠な酵素であるRPE65を抑制することで、視覚サイクルを調節し、ビタミンAの代謝率を低下させます。これにより、スターガルト病の発症に関与すると考えられているビタミンA由来の有害代謝産物の産生が低下するため、網膜の機能維持に有用であると理論づけられています。
なお、「エミクススタト塩酸塩」は、FDA(米国食品医薬品局)およびEMA(欧州医薬品庁)により、スターガルト病の治療薬として稀少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されております。


窪田製薬ホールディングス株式会社について
 当社は、世界中で眼疾患に悩む皆さまの視力維持と回復に貢献することを目的に、イノベーションをさまざまな医薬品・医療機器の開発及び実用化に繋げる眼科医療ソリューション・カンパニーです。当社100%子会社のクボタビジョン・インク(米国)が研究開発の拠点となり、革新的な治療薬・医療技術の探索及び開発に取り組んでいます。現在は、ウェアラブル近視デバイス「クボタメガネ」および、在宅・遠隔医療分野(モバイルヘルス)における医療モニタリングデバイス(PBOS)などの医療機器開発に注力しております。
(ホームページアドレス:https://www.kubotaholdings.co.jp) 


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