医療・医薬・福祉

全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)診療における医師・患者の疾患理解及びコミュニケーションに対する意識調査

日本ベーリンガーインゲルハイム
SSc-ILD診断時、患者さんの約8割が「不安」を感じ、医師からの説明で半数以上の患者さんが覚えていたのは「病態」「長期間の治療」の2項目

<SSc-ILD診断時・治療開始時の患者さんのお気持ち> -診断時に患者さんの約8割が「不安」を感じており、治療開始時に「不安」を感じていた患者さんは約半数(図1) <SSc-ILD診断時の、患者さんと医師の説明に対する認識の齟齬> 診断時の医師からの説明としてアンケート調査の設問項目に設定した15項目のうち、 -半数以上の患者さんが覚えていたのは、「病態」「長期間の治療」の2項目(図2) -一方、医師の半数以上は、13項目を「説明している」と回答(図2) <SSc-ILD治療開始時の患者さんと医師の説明に対する認識の齟齬> 治療開始時の医師からの説明としてアンケート調査の設問項目に設定した10項目のうち、 -半数以上の患者さんが覚えていたのは「薬剤の有効性」(図3) -医師の半数以上は、9項目を「説明している」と回答(図3)


日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役 医薬事業ユニット統括社長:ヤン・シュテファン・シェルド以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)患者さん58名と膠原病内科医121名を対象に、医師及び患者の全身性強皮症に伴う間質性肺疾患診療における疾患理解及びコミュニケーションに対する意識調査を実施しました。日本のSSc-ILD診療において医師・患者の疾患理解及びコミュニケーションにおける認識の一致・不一致を確認し、コミュニケーションの現状と課題を明らかにすることを目的としています。本調査結果は、 THERAPEUTIC RESEARCH(セラピューティック・リサーチ)誌に掲載されました[1]。

<全身性強皮症に伴う間質性肺疾患診療における医師患者の疾患理解及びコミュニケーションに対する意識調査概要>
調査目的:医師・患者の意識調査を通して日本のSSc-ILD診療において医師及び患者の疾患理解及びコミュニケーションにおける認識の一致・不一致を確認し、コミュニケーションの現状と課題を明らかにする。
調査期間:(医師)2021年9月3日~2021年9月10日
(患者)2021年9月10日~2021年11月19日
調査方法:(医師)インターネット調査
(患者)医師からの手渡しによる郵送留置き調査
対象者:SSc-ILD患者さん58名、膠原病内科医121名
監修:日本医科大学大学院医学研究科
アレルギー膠原病内科学分野 大学院教授 桑名正隆先生
調査協力:株式会社インテージヘルスケア
調査依頼元:日本ベーリンガーインゲルハイム 株式会社

本調査から、SSc-ILD診断時に患者さんの約8割が「不安」を感じ、診断時の説明としてアンケート調査の設問項目に設定した15項目のうち、医師の「説明を受けた」ことを覚えているのは、患者さんご自身にもっとも関係する「病態」と「長期間の治療」の2項目でした。(図1、2)
一方、医師の半数以上は、13項目を「説明している」と回答しました。(図2)



治療開始時の医師からの説明として、半数以上の患者が医師の「説明を受けた」ことを覚えているのは「薬剤の有効性」でした。(図3)
また、医師の半数以上は、9項目を「説明している」と回答しました。(図3)



診断時・治療開始時の説明における医師・患者間の認識に違いがみられたことより、医師が説明している情報が患者に正確に伝わっておらず、医師と患者の間で課題が共有できていない可能性が示されたため、医師-患者間のコミュニケーション・ギャップを解消するための取り組みの必要性が明らかとなりました。

本調査を監修した日本医科大学大学院医学研究科 アレルギー膠原病内科学分野 大学院教授 桑名正隆先生は、次のように述べています。
「患者さんは治療開始時と比較して、診断時に不安が大きいことが明らかになりました。診断時に説明を受けたことの中で、患者さんが覚えている項目が少ない結果を踏まえ、重要な情報から、段階を追って伝えていくなど、医師側がコミュニケーションを工夫し、患者さんの理解を促す取り組みが求められています。患者さんが適切な治療を受けるために、インフォームドコンセントと意思決定の共有(Shared decision making)の重要性が改めて確認されました」

日本ベーリンガーインゲルハイムは、膠原病に伴う肺疾患に対する課題と、その解消のための各種啓発活動を行っています。9月の肺線維症月間を起点に、膠原病の合併症である間質性肺疾患や肺線維症を啓発する活動を行うほか、患者さんの意見を取り入れたインフォームドコンセントの実現をテーマとした医師向けのセミナーを実施しています。

*本プレスリリース文章中、小数点以下の数字は四捨五入して表示しています

9月の肺線維症啓発月間(Pulmonary Fibrosis Awareness Month)
『肺の線維化 いきいきチェック!』キャンペーン:

・メディカルノート特設サイト「肺線維症 いきいきチェック!」:
https://medicalnote.jp/features/interstitial_lung_disease/check_sheet/campaign/

全身性強皮症(SSc)および全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)について
全身性強皮症(Systemic sclerosis:SSc)は、免疫異常、線維化、血管障害を基本病態とした疾患で、厚生労働省が定める難病に指定されています。皮膚が硬くなる変化を代表的な症状とする疾患ですが、皮膚以外の消化管、肺、心臓、腎臓など全身の臓器にも症状が現れます。間質性肺疾患(Interstitial lung disease:ILD)は、SScの主な死亡原因であり[2]、患者の生命予後に大きく影響します。そのため、SSc-ILDはアンメットメディカルニーズが高い疾患として、治療薬の開発が望まれていました。

間質性肺疾患/肺線維症について
間質性肺疾患は、肺の間質に起こる様々な病気の総称で、200を超える様々な病気が含まれます[3]。代表的なものとして、「原因不明の間質性肺炎(特発性間質性肺炎)」、「膠原病に伴う間質性肺疾患」、「過敏性肺炎」、「サルコイドーシスなどを含むその他の間質性肺疾患」などがあります。間質性肺疾患のうち、肺の間質に炎症が起こり、間質の壁が硬くなって(線維化)、呼吸がしづらくなる病気を肺線維症といいます。また、長い期間にわたって「空咳」が続いたり、軽い運動で息切れがする「労作時の息切れ」があらわれます[4]。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、今日そして次世代にわたり、暮らしを変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的視野を維持しています。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、52,000人以上の社員が世界130ヵ国以上の市場で事業を展開しています。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)

References


桑名正隆,馬場峻平,齊藤愛子.全身性強皮症に伴う間質性肺疾患診療における医師・患者の疾患理解およびコミュニケーションに対する意識調査.Ther Res 2022;43(9):719-46.
Tyndall AJ, et al. Ann Rheum Dis. 2010; 69: 1809-1815
British Lung Foundation. What is pulmonary fibrosis? Available at:
https://www.blf.org.uk/support-for-you/pulmonary-fibrosis/what-is-pulmonary-fibrosis [Accessed September 2019].
日本呼吸器学会/一般社団法人 日本リウマチ学会 膠原病に伴う間質性肺疾患診断・治療指針2020

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