アパレル・ファッション 医療・医薬・福祉

第3回全国母乳調査 母乳に含まれる機能性成分 ピロロキノリンキノン(PQQ)の測定方法を開発

雪印ビーンスターク
《日本農芸化学会2019年度大会》で発表しました


 雪印ビーンスターク株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:稲葉聡)は雪印メグミルク株式会社と共同で第3回全国母乳調査を実施しております。

これらの調査の一環として、東北大学との共同研究により母乳に含まれる機能性成分のひとつであるピロロキノリンキノン(PQQ)の測定方法を開発しました。
この研究成果につきまして、3月24日より東京農業大学世田谷キャンパスほかで開催された「日本農芸化学会2019年度大会」において、下記のとおり口頭発表いたしましたので、ご案内申し上げます。

◆発表内容サマリー
・ピロロキノリンキノン(PQQ)は、酸化還元酵素の補酵素の一つとして発見され、ビタミンB様物質として注目を集めている水溶性キノン化合物です。PQQに関する近年の研究では、脳機能改善、抗酸化作用、抗糖尿病作用などの機能が報告されており、健康食品素材として注目されている機能性成分です。
・PQQは、牛乳やヒト母乳に含まれることが報告されていますが、その分析例は少なく、抽出法や測定原理が異なることから、定量的な議論は難しい状態でした。
・東北大学と雪印ビーンスタークの共同研究として、内部標準物質を用いた抽出法と、高感度かつ高選択的なLC-MS/MS法を組み合わせて、母乳中のPQQを分析する新たな方法を開発しました。
・測定結果から、牛乳にはほとんど含まれないPQQがヒト母乳にはあり、かつ一部はPQQのアミノ酸付加体として存在することが分かりました。
・今後はヒト母乳中での生理的意義の解明に向けて泌乳期の異なる様々なヒト母乳の分析を実施する予定です。

◆日本農芸化学会2019 発表概要
演題名 ピロロキノリンキノン(PQQ)のLC-MS/MS分析:牛乳およびヒト母乳の測定
発表者 ○加藤主税1,河合笑子1,小林俊二郎2, 伊藤隼哉1,永塚貴弘1、仲川清隆1
1.東北大院農・機能分子解析 2.雪印ビーンスターク(株)商品開発部
発表日時 2019年3月26日(火)(口頭発表)
会場 東京農業大学 世田谷キャンパス(東京都世田谷区桜丘1-1-1)

◆研究発表内容の要約
【目的】
ピロロキノリンキノン(PQQ)は、バクテリア由来の補酵素として知られる水溶性キノン物質であり、マウスを用いた試験でPQQ欠乏症状(成長障害や出生率の低下)やPQQを補酵素とする酵素の存在が報告されたことから、新規ビタミンB様物質と考えられるようになった。さらに、PQQが牛乳やヒト母乳に少なからず含まれていることが報告され、その生理的意義に注目が集まっている。但し、牛乳や母乳のPQQ分析例は未だ数法に限られ、抽出法や測定原理が異なることから、定量的な議論は難しい状態にある。加えて、PQQと各種アミノ酸の付加体(IPQ-R: R=アミノ酸側鎖)については、ヒト母乳中の存在が示唆されているが、牛乳の解析例はない。そこで、本研究では内部標準物質を用いた抽出法と、高感度かつ高選択的なLC-MS/MS法を組み合わせて、PQQとIPQ-Rの定量法を構築し、牛乳およびヒト母乳を分析してPQQやIPQ-Rの存在有無や量を明らかにしようとした。

【方法と結果】
PQQ2Na標品およびIPQ(PQQ2Naと各種アミノ酸の混合物をインキュベートして調製)をリファレンス化合物として、MS/MSのイオン化条件を最適化した。MS/MSにLCを付し、イオンペア剤を使用した逆相系で分離を行い、選択的分析が可能なMultiple Reaction Monitoring (MRM)モードで検出を行った。その結果、PQQとIPQ-R(Cys、Pro、Trp由来のIPQを除く17種)の検出に成功し、外部標準法によるng/mLレベルのPQQ定量、およびIPQ-Rの定性分析が可能となった。本法でPQQを確実に含むサンプル(PQQ生産菌培地上清; 三菱ガス化学から恵与)を分析したところ、PQQと数種類のIPQ-Rのピークを検出でき、本法の有用性が確認された。そこで、製造工程の異なる数種類の牛乳、および泌乳期1カ月目のヒト母乳の分析に取り組むこととした。これら試料に内部標準物質[U-13]C-PQQ(三菱ガス化学)を添加してOasis WAXに供し、得られた溶出物を強酸性条件下で酢酸エチル/アセトニトリル抽出して、LC-MS/MS分析に供した。結果、牛乳中のPQQやIPQ-Rはほとんど検出限界以下であり、他方、ヒト母乳にはPQQが含まれ、その濃度は1-3 ng/mLであった。さらに、少なからずグリシン由来のIPQを含むヒト母乳も確認された。以上の結果から、牛乳にはほとんど含まれないPQQがヒト母乳にはあり、かつその一部はIPQとして存在していると推測される。今後はPQQとIPQ-Rの一斉定量とともに、これらのヒト母乳中での意義の解明に向けて泌乳期の異なる様々なヒト母乳の分析を実施する予定である。
企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)

横浜市立大学医学部医学科同窓会 倶進会