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新型コロナ感染拡大の最中に生まれる赤ちゃん1億1,600万人【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会
ユニセフ、母親になる女性たちへの支援訴え


バルセロナの病院で生まれたばかりの娘を抱く母親。(スペイン、2019年1月1日撮影) (C) UNICEF_UN0269508_Barrena-Capilla AFP-Services
【2020年5月7日 ニューヨーク 発】

ユニセフ(国連児童基金)は母の日を前にした本日、世界で推定1億1,600万人の赤ちゃんが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの最中に生まれると発表しました。この数字は、世界中の医療システムとサプライチェーンを圧迫しているパンデミックが3月11日に宣言されて以降40週以内に生まれると予測されている赤ちゃんの人数です。

母親になった女性や新生児の子どもたちは、厳しい現実に直面することになるでしょう。今、各国ではロックダウンや外出禁止などの封じ込め対策が行われ、保健センターはCOVID-19への対応に追われています。物資や機器が足りず、助産師を含む医療従事者たちは感染者治療のため再配置され、出産に対応する熟練した助産師が不足しています。

「世界の何百万人もの女性たちは、これまでと同様の世界で親となるべく一歩を踏み出しました。しかし彼女たちは今、妊婦が感染することを恐れて保健センターに行けず、ひっ迫した医療サービスやロックダウンのために救急医療を受けることのできない世界に生命をもたらすため準備をしなければなりません」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「パンデミックによって、母親としての生活は大きく変容してしまったのです」

北部コロゴの病院で生後10日の赤ちゃんを抱く女性。母親が三つ子の出産時に亡くなってしまったため、女性と3人の姉妹が赤ちゃんの世話をしている。(コートジボワール、2020年4月28日撮影) (C) UNICEF_UNI325619_Frank Dejongh
世界128カ国以上が祝う5月の母の日を控え、ユニセフは、COVID-19の封じ込め対策により、出産ケアなどの命を守る医療サービスが混乱し、数百万人の妊婦とその赤ちゃんが大きなリスクにさらされる可能性があると警鐘を鳴らしています。

パンデミック宣言以後、9カ月の間に最も多くの出生が予測される国は、多い順にインド(2,010万人)、中国(1,350万人)、ナイジェリア(640万人)、パキスタン(500万人)、インドネシア(400万人)です。これらの国のほとんどは、パンデミック以前より新生児死亡率が高く、現状況によって死亡率がさらに高まってしまうおそれがあります。

より裕福な国にもこの危機の影響が及んでいます。推定出生数が6番目に高い国である米国では、330万人を超える赤ちゃんが3月11日から12月16日の間に生まれると推測されています。ニューヨークでは、多くの妊婦が病院で出産することに不安を抱いているため、政府は代替となる出産センターの整備を検討しています。

ユニセフが支援するビサウの病院で出産の時を待つマリアマさん。(ギニアビサウ、2020年1月15日撮影) (C) UNICEF_UNI285112_Prinsloo
ユニセフは、妊婦がその他の人々以上にCOVID-19の影響を受けやすいことを示すデータはないものの、各国に対し、母親たちが出産前後のサービスを引き続き利用できるようにしなければならないと訴えています。また、病気の新生児は死亡リスクが高まるため、緊急サービスを必要としています。赤ちゃんを迎えた家族は、母乳育児を始めるためのサポート、赤ちゃんの健康を守るための薬やワクチン、栄養を必要とします。

ユニセフは、世界中の母親に代わって、政府と医療提供者に対し今後数カ月の間に生まれてくる命を守るよう、以下について緊急に呼びかけます:

妊婦が妊婦検診、熟練した出産ケア、出産後ケア、および必要に応じてCOVID-19関連ケアを受けられるよう支援する。
医療従事者が必要な個人用防護具を保持し、COVID-19のワクチンが利用可能になった際には優先的に接種をできるようにすることで、パンデミック時にすべての妊婦と新生児が高品質のケアを受けられるようにする。
出産前後に、保健施設においてすべての感染防止および管理対策がとられていることを保証する。
保健員が自宅訪問を通じて妊婦や母親になった女性に面会できるようにする。遠隔地に暮らす女性には、出産を待つ妊婦のための待機施設(maternal waiting home)を利用するよう促し、モバイル端末を医療に利用することで遠隔診察を実施する。
保健施設が閉鎖されている地域では家庭での出産を行えるよう、医療従事者を守り、清潔な出産キットを提供し、トレーニングを行う。
命を守るサービスへの資源の割り当てと母子保健のための物資を確保する。


妊娠中および出産中にCOVID-19が母子感染するかどうかについては未だ不明であるものの、ユニセフはすべての妊婦に対し以下を推奨しています:

ウイルスから身を守るための予防策に従い、感染を疑う症状がないか体調を注意深く観察し、懸念や何らかの症状がある場合は最寄りの指定施設に相談する。
感染を回避するために、他の人々と同じ予防策を講じる。物理的な距離を保ち、人との集まりを避け、オンラインでの保健サービスを利用する。
影響を受ける地域やリスクのある地域に暮らし、発熱、咳、呼吸困難等がある場合は、早めに医療機関に相談する。
母乳からはこれまでウイルスが検出されていないため、感染している、または感染疑いがある場合でも、赤ちゃんへの授乳は続ける。感染した母親は、赤ちゃんに授乳する際はマスクを着用し、赤ちゃんに触れる前後に手を洗う。そして、定期的に表面を清潔にして消毒する。
赤ちゃんを抱っこし、母と子の肌のふれあいを続ける。
助産師または医師に、出産するのに最も安全な場所についてアドバイスを求め、また不安を軽減し時間通りにその場所に到着できるようしっかり出産計画を立てる。
赤ちゃんが生まれた後も、定期予防接種を含む医療サポートを受け続ける。



カブールの病院で受け取った出生証明書を持つ母親と赤ちゃん。(アフガニスタン、2020年3月3日撮影) (C) UNICEF_UNI309807_Frank Dejongh
COVID-19の流行以前より、毎年、妊婦と新生児が推定280万人、または11秒にひとり、主に予防可能な原因で死亡していました。ユニセフは、妊娠中および出産時の合併症を予防・治療するためにすべての母親と新生児が安全にケアを受けられるよう、医療従事者が適切な薬を備え、適切なトレーニングを受けるために必要な支援を呼びかけています。

「パンデミックによって多くの家族が引き離された中で迎える母の日に、心が痛みます。しかし、今は皆が心をひとつにし、団結する時でもあります。妊娠中のすべての母親が、今後数カ月のうちに安全に出産するために必要な支援を受けられるようにすることで、命を救うことができます」(フォア)

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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
「ネット休んでやってみた」コンクール: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0103.html
左ききのエレン ユニセフ特別編: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0105.html
学校再開ガイドライン: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0107.html

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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