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【救急隊の現場到着時間短縮の可能性】Smart119のAI技術が川崎市の救急に関する実証実験で効果を証明

株式会社Smart119
救急隊の現場到着時間短縮に向けた実証実験を9月末に完了

千葉大学発医療スタートアップ企業である株式会社Smart119(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長/CEO:中田孝明)は、本年6月13日に締結した神奈川県川崎市(市長:福田紀彦)と「AIを活用した救急隊の現場到着時間短縮に向けた実証実験に関する連携協定」に基づき、同日から9月30日にかけて川崎市内で実施した実証実験の結果を発表しました。


◆AIで救急要請を予測、現場到着時間の短縮を目指す
株式会社Smart119は、AIや音声認識を活用して119番通報から医療機関への迅速な受け入れをサポートし、救急搬送困難事案(救急患者のたらい回し)を防ぐ救急医療情報サービス「Smart119」を展開。さらに心筋梗塞や脳卒中など重大な急性疾患を予測し、適切な救急搬送を促すAI予測診断アルゴリズムを千葉大学大学院医学研究院と共同で研究開発するなど、救急医療現場のAI活用に関する最先端技術、ノウハウを持っています。

川崎市は政令指定都市のひとつで、人口約153万人におよぶ大都市です。今回の実証実験は、Smart119が川崎市における過去の救急出動データの解析を、機械学習の手法などを用いて行い、救急要請が多く発生する場所を事前に把握し、市内の救急車や救急隊をより効率的に配置するAIアルゴリズムの活用の可能性を探るべく実施されました。

◆AUC(*1)値0.88、一定以上の精度で救急需要が予測可能
Smart119は川崎市消防局より提供された2013年1月1日~2021年12月31日の計617,144件、23項目の救急要請事例を、覚知(*2)地点の住所から2km四方、計87個のメッシュに分割。2kmメッシュごとの川崎市の人口動態(2010、2015、2020年国勢調査)を加えて機械学習の手法で解析しました。解析によって作成したモデルによって、その時点から2日後の各メッシュの救急要請件数、また各メッシュの同時刻の平均値より1以上大きくなるかを予測できるかの2点について、検証しました。


▲機械学習による予測をコロプレス地図で見る。川崎市を2Km平方に区切り4時間毎の救急要請件数を分析し視覚化。

その結果、救急要請件数を予測する機械学習モデルについての平均絶対誤差は「0.31」、R2(決定係数)は「0.49」を記録しました。各メッシュの同時刻の平均値より大きくなるか否かを予測する機械学習モデルについては、AUC値が「0.88」、再現率が「0.82」という結果が得られました。Smart119では、機械学習で作ったAIアルゴリズムで救急需要が一定以上の精度で予測できることを示せたと考えています。

◆現場到着時間短縮の可能性が示される
救急車が適正に配置されることにより、到着時間短縮が図れるかどうかのシミュレーションも行いました。前述の2kmメッシュは川崎市においては87個ありますが、そのうち解析可能な出場回数が十分にある51個のメッシュについて解析しました。それぞれの救急隊の担当地域において、対象救急隊が出場できたケースと、他の場所に出場中のため出場できなかったケースに分け、それぞれの現場到着時間の分布を調べました。

もしその担当地域においてもう1台救急車があれば、本来そのメッシュを担当する対象救急隊が出場できたはずです。2つのケースの到着時間の差を解析することで、出場できた場合に短縮できたかもしれない時間を推定しました。


▲消防局覚知から現場到着までの時間分布図。例とした中原救急に、もう1台の救急車があれば現場到着時間が3分以上も短縮できることを示している。

その結果、解析できた51個のメッシュのうち、短縮時間の最大は中原救急で、現場到着までの時間が最大3分強短縮できる可能性が示されました。




▲事案発生場所分布図(円は約310m × 250mで区切った範囲内の救急要請分布)。左は中原救急が対応したケース、右は中原救急が出動中のため他の救急隊が対応したケース。どちらも救急要請の分布は同様。より効率的な救急体制には、中原救急への救急車1台追加が望ましいことがわかる。

◆今後の取り組み
川崎市における救急隊の出動件数は年間6万件を超え、過密化などに従い119番通報からの平均現場到着時間が年々伸びる傾向にあります。そのため、現場到着時間の短縮を目的にした、救命率の向上につながる、AIを活用した救急出場の効率化が検討されています。

今回の実証実験は、今後の救急活動において有意義な成果が得られました。救急隊の現場到着時間短縮に向けたAIの開発、活用については、これからも多くの地方自治体と連携し、一人でも多くの命を救う取り組みに貢献していきたいと考えています。

*1:AUC (Area under the curve) 分類のアルゴリズムの精度を示す曲線値。閾値「0.8」を上回ることで高精度とされている。
*2:消防機関や警察が火災や事件を認知すること。


◆関連プレスリリース
・2022年6月15日
Smart119が救急搬送におけるAI活用で川崎市と連携 救急隊の現場到着時間短縮に向けた実証実験を実施
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000056624.html

■実証実験へのお問い合わせ
smart119toiawase@smart119.biz
※この実証実験についてのご質問やお問い合わせは株式会社Smart119にご連絡ください。
この内容について消防局へ直接ご連絡することはご遠慮ください。


<株式会社Smart119について>
株式会社Smart119は「現役救急医が設立した、千葉大学医学部発スタートアップ」です。
『今の「119」を変える』ため、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」を開発・運用。
千葉市において、日本医療研究開発機構 (AMED) の救急医療に関する研究開発事業を実施。
緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時をはじめ、医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用を行なっています。Smart119は「安心できる未来医療を創造する」を目指します。



【株式会社Smart119概要】
会社名: 株式会社Smart119
住所: 千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館 7階
設立: 2018年5月
代表者: 中田 孝明
事業内容: 音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用
緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用
医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用
URL: https://smart119.biz
Twitter: https://twitter.com/Smart119_jp
メールアドレス: press@smart119.biz (担当:中村)
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