教育・資格・人材 医療・医薬・福祉

博報堂Pechat開発チーム・博報堂こそだて家族研究所・LITALICO発達ナビ「ASDと子育て実態調査」結果発表

株式会社博報堂
第三弾「広げよう!理解・支援の輪!」編―ASDの子育てへの周囲の理解・支援状況とその影響 ―

株式会社博報堂の次世代育児アイテムPechat開発チームと博報堂こそだて家族研究所は、学習塾や障害児支援事業を行う株式会社 LITALICOと共同で、ASD(Autism Spectrum Disorder=自閉症スペクトラム)※1の診断や傾向のある子どもを育てる家庭の実態や周囲の支援のあり方を把握するための「ASDと子育て実態調査」を実施しました。 今回は、第三弾の調査結果として「広げよう!理解・支援の輪!」編をご報告いたします。調査結果からは、ASDの子の子育てにおいて周囲の理解や支援が充分に得られていない現状に加えて、理解や支援が得られていると感じている保護者ほど、ASDの子どもの発達特性をこれからの成長過程で「強みになる」とポジティブに捉えている傾向があることが明らかになりました。 なお、ASDの実態や子育てのヒントを研究・発表するWEBサイト「教えて!はったつ博士」(http://h-hakase.jp/、3者共同で運営)でも調査結果の詳細をご紹介していますので、併せてご活用ください。


※1)ASD(自閉症スペクトラム):「スペクトラム」と言われる通り、虹の帯のように境目なく連続しており、症状や特性は一人ひとり多様です。また、生活における困難さは個人の特性と周囲の人的・物的環境との相互作用によっておこるため「どこからどこまでが障害」と機械的に線引きできるものではありません。最近では、 ニューロダイバーシティ(neurodiversity:自閉症スペクトラムなどの発達障害の特性は障害ではなく「ヒトの脳の神経伝達経路の多様性」とする考え方)も広がっています。

※2)「典型発達の子」:自閉症スペクトラムやその他の発達障害の疑い圏にいない子。NT(neurotypical:神経学的典型)という分類が由来。

〈調査結果のポイント〉
■「ASDと診断された子」の保護者が抱いている子育てへの意識は、「正解がわからない」(69.0%)、「不安がある」(68.1%)、「大変」(53.9%)がTOP3に。この3項目は、「典型発達の子※2」の保護者の回答結果と比較しても特に大きな差が見られる。

■「ASDと診断された子」の保護者の6割以上が、「子育てをする上で困っていることがある」と回答。

■「ASDと診断された子」の保護者の過半数が、ASDの子どもの子育てをする上で、周囲の理解や支援が「とても必要」と回答。一方で、実際の子育てにおいて周囲の理解や支援を得られていると思うかを聴取したところ、「とてもそう思う」と回答した人は17.4%と低い割合にとどまる。

■「ASDと診断された子」の保護者が、子育て支援を求める対象として「国・自治体などの公共機関・相談窓口」(51.7%)が1位となったが、実際に支援を得られていると答えた保護者は 35.4%にとどまっている。

■「ASDと診断された子」の保護者が必要と思う子育て支援の内容は、「ソーシャルスキル(友達とのかかわり方、社会性)を伸ばす支援」(58.2%)が最も高い結果に。子育てに必要なツールとしては「コミュニケーションを活発にするための教育ツール」(60.7%)が1位だった。

■「ASDと診断された子」の保護者のうち、「子育てにおいて周囲の理解や支援が得られているととても思っている」と答えた人の約8割が、「子どものASD特性を強みに思う」と回答。「ASDと診断された子」の保護者全体よりも15.9pt高い結果に。


〈参考データ〉

【ASDの子の保護者が感じている子育てへの意識1.】

■「ASDと診断された子」の保護者が子育てに感じている意識として、「正解がわからない」(69.0%)、「不安がある」(68.1%)、「大変」(53.9%)など、比較的ネガティブな内容がTOP3を占めました。上記の3項目は、「典型発達の子」の保護者と比較しても、特に差が開いています。
そのほかにも、「難しく考えすぎてしまう」(31.4%)、「辛い」(28.1%)といった項目でも大きな差が見られました。

■一方で、「日常生活に幸せを感じる」(25.7%、差分▲12.9pt)、「楽しい」(22.4%、▲10.9pt)、「充実している」(14.9%、▲8.0pt)というポジティブな項目においては、「典型発達の子」の保護者が「ASDと診断された子」の保護者を大きく上回りました。



【ASDの子の子育てに関してどの程度困っているか】
■「ASDと診断された子」の保護者に、子育てに関してどのくらい困っているかを5段階で選んでもらったところ、「とても困っている」(21.5%)「やや困っている」(41.3%)と答えた人は合計62.8%に上りました。


【ASDの子の子育てで、周囲に理解してもらいたいと思うこと】(自由回答集)
■「ASDと診断された子」の子育てをする上で、周囲に理解してもらいたいと思うことを保護者に尋ねたところ、課題が9つに分類できることがわかりました。

【ASDの子の子育てに関する周囲の理解・支援の必要性】
■子育てをする上での周囲の理解や支援の必要性について「とてもそう思う」と回答した「ASDと診断された子」の保護者は53.4%と過半数を超え、「ややそう思う」と回答した人を合わせると8割を超える保護者がサポートを必要としていることが明らかになりました。

【ASDの子の子育てに関する周囲の理解・支援】
■「ASDと診断された子」の保護者が、子育てについて周囲の理解または支援が得られていると思うかを聞いたところ、「そう思う」(「とてもそう思う」+「ややそう思う」)と回答した保護者は63.6%と過半数を超えましたが、「とてもそう思う」と回答した人は17.4%と低い割合にとどまっています。

【ASDの子の保護者が抱いている子育てへの意識2.】
■「ASDと診断された子」を持つ保護者全体と、そのうち「ASDの子の子育てにおいて、周囲の理解や支援を得られているととても思っている」と回答した保護者の子育てへの意識を比べたところ、後者のほうが「子供との絆を感じる」(54.7%、「ASDと診断された子」全体との差分▲20.2pt)、「日常生活に幸せを感じる」(40.0%、▲14.3pt)、「楽しい」(41.1%、▲18.7pt)、「充実している」(28.5%、▲13.5pt)といった項目が特に高く、子育てをポジティブに捉えていることがわかりました。

【ASDの子の保護者が子育て支援を求める相手】
■「ASDと診断された子」の保護者が、現在支援を受けられていると感じる機関や人として、「病院・医院などの医療機関」(55.4%)、「学校・幼稚園などの教育機関」(50.5%)、「福祉サービス」(44.6%)、「家族・親族」(41.8%)が上位に挙がりました。

■一方で、保護者が必要だと思うものの支援を受けられていないと感じている機関や人(「必要だと思う支援」と「現在受けることができている支援」の差が大きい項目)は、「国・自治体などの公共機関・相談窓口」(差分▲16.3pt)、「専門家」(▲19.6pt)、「友人・知人」(▲13.5pt)、「NPO・協会」(▲27.4pt)、「公民館・地区センター・児童館」(▲22.1pt)、「保育園・保育所」(▲14.2pt)で、いずれも10pt以上の開きが見られます。


【ASDの子の保護者が求める子育て支援の内容】
■「ASDと診断された子」の保護者に必要な支援内容を聞いたところ、「必要だと思う支援」と「現在受けることができている支援」の差が特に大きかった項目は、「好き・得意なことを伸ばせる習い事や教材」(差分▲34.7pt)、「好き・得意なことを見つけられる習い事や体験サービス」(▲33.6pt)、「自分や子どもにピッタリなメンターが見つかるサービス」(▲31.3pt)で、子どもの特性に合わせて導いてほしいというニーズが見られます。

【ASDの子の子育てにおいてあるとよいと思うツール】
■「ASDと診断された子」の保護者が、子育てにおいて「あるとよい」と思うツールは「コミュニケーションを活発にするための教育ツール」(60.7%)、「人の気持ちや感情がわかるようになるツール」(59.6%)が上位に挙がり、周囲とのコミュニケーション力を向上させたいと感じているようです。

■また、「スケジュールを管理できるツール」(43.3%)、「時間の認知や切り替えに役立つツール」(40.7%)と続き、時間感覚を養うツールが求められていることもわかりました。

【ASDの子の特性を強みに思う保護者の割合】
■「ASDと診断された子」の保護者に、子どもの発達特性が強みになると思うことがあるか聞いたところ、「よくある」「ときどきある」と回答した人は60.9%だったのに対して、「ASDの子の子育てにおいて、周囲の理解や支援が得られているととても思っている」と答えた保護者では76.8%が「強みになると思う」と回答。「ASDと診断された子」の保護者全体と比較して15.9pt高いことがわかりました。

【子どもの将来の可能性が楽しみと思う保護者の割合】
■「子どもの将来の可能性が楽しみ」と回答した保護者の割合を見ると、「ASDと診断された子」の保護者は19.1%と、「典型発達の子」の保護者の35.2%と比べて16.1pt低いですが、「ASDと診断された子」の保護者のうち「ASDの子の子育てにおいて、周囲の理解や支援が得られているととても思っている」と答えた保護者の回答は32.6%と、「典型発達の子」の保護者と近いスコアとなりました。

〈調査概要:ASDと子育て実態調査2.〉
調査手法:インターネット調査
調査エリア:全国
調査時期:2020年1月
調査対象者: 20~60代男女(N=1,292)
-ASDと診断された0~22歳の同居子を持つ保護者(N=545)
-ASDやその他の発達障害の診断や疑いのない(典型発達)0~22歳の同居子を持つ保護者(N=747)

※本調査は以下の専門家による監修のもと実施しました。

■菅佐原 洋(すがさわら・ひろし)氏
公認心理師/臨床心理士/臨床発達心理士
LITALICOジュニア チーフスーパーバイザー
発達心理学や応用行動分析学を専門とし、発達障害のある子どもへの直接支援、幼・小・中学校教職員への特別支援アドバイザー、教育センター等での研修などに20年以上携わっている。また大学教員として、臨床心理士育成などに関わっており、現職においても支援に関わる指導員への研修やスーパーバイザーの育成の統括を担当している。

【教えて!はったつ博士 とは】
ASD(自閉症スペクトラム)の実態や子育てのヒントを研究・発表するWEBサイト。
実態調査のレポート発信や、ASDの子どもの「こだわりエピソード」の紹介、ASDの子どもたちの「好き」に寄り添うコミュニケーションのヒント集などのコンテンツを、専門家やASDの子どもをもつママ・パパと一緒に研究しながら情報発信をして参ります。
本調査結果の詳細は、「教えて!はったつ博士」のサイトよりご覧いただけます。
http://h-hakase.jp/

【Pechat(ペチャット)】
博報堂のプロダクト・イノベーション・チーム monom(モノム)と、博報堂DYグループの博報堂アイ・スタジオが共同で開発した、ボタン 型スピーカー。Pechat をお気に入りのぬいぐるみに取り付け、専用のスマホアプリを操作することで、ぬいぐるみがしゃべっているように感じさせるほか、Pechat を通して、子供と内緒話をしたり、一緒に歌をうたったり、お昼寝を促したり、物語をきかせたりと、 様々な使い方ができます。
http://pechat.jp/

【博報堂こそだて家族研究所】
晩産化・少子化、共働き世帯の増加、夫や祖父母の育児参加など、この10年で大きく変わってきた「子供のいる家族」に ついて、研究・提案を行う博報堂の専門組織。1996 年より活動していたBaBUプロジェクトを発展改組し、2012 年 10 月設立。 「妊娠期から小学生の子供を持つ家族」に関する専門知識を元に、調査、商品開発支援、広告などコミュニケーション支援、 メディア開発、事業開発などを手掛けています。
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/announcement/24207

【LITALICO発達ナビ】
株式会社LITALICOが運営する、発達が気になる子どもの親向けポータルサイト。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)や自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群や高機能自閉症含む)などの広汎性発達障害、学習障害(LD)、知的障害、ダウン症などの障害に関する情報と、子育ての困りごとを解決するために必要な情報を得ることができます。
https://h-navi.jp/
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)