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【介護DXでリバースメンターの効果】 LINEアプリを活用して紙記録の全廃を目指し、コミュニケーションの変化から、さらにより良いケアの実現を目指します。

株式会社ライフケア・ビジョン
大阪府を中心に有料ホーム「はっぴーらいふ」シリーズを運営する株式会社ライフケア・ビジョン(大阪市 代表取締役 祝嶺良太)は2023年1月より、同社内の全訪問介護事業所(21事業所、利用者832名、従事する従業員約500名、2022年10月現在)の介護記録において、紙用紙(通称:「テレッサ」)(※1)を全廃し、新たにLINEアプリ(※2)を活用した記録システム「テレッサmobile」(タニシ企画印刷社製)に移行いたします。介護DXを推進することで従業員の業務負担を軽減し、本来のケアに注力する体制を再度構築いたします。



「テレッサ」とは

 訪問介護事業所では、入浴、掃除洗濯、排泄などのサービスを一つ実施するたびに、一枚の介護記録(通称「テレッサ」)を作成しなければなりません。この介護記録は介護サービス中の利用者の状況報告だけでなく、保険請求の元となる資料となるため、複写式の用紙のうち1枚は事業所保管とし、もう1枚は利用者へ交付します。
 介護記録には一つひとつ細分化された介助内容の項目をチェックする必要があります(右図参照)。たとえばトイレ介助の場合、□トイレ介助 □P(ポータブル)トイレ介助、□尿器介助、□パッド交換、□おむつ交換、□排尿  回、□排便  回というように、様々な項目があります。これらをその利用者の介助内容ごとにチェック(レ点)を記入します。このチェック内容は訪問介護計画と整合している必要があります。

 また、サービス中の利用者のADL(日常生活動作、たとえば歩行状態や認知機能など)や気分など、サービス中の利用者がどのような状態であったか、それについてどのように介助したかを事細かに記載する必要があります。
 例えば図1の右下欄の「車いすからの移譲の際は少しふらつきがみられました。手すりをしっかり握っていただくように声かけしました」です。
(図1)紙テレッサ(見本)


介護においてもちろん「記録」は大事なもの。しかし業務負担として重くのしかかることも

 もちろんこのような記録は正確に行うべきです。しかしこのコロナ禍のなか、業務負担として重くのしかかるものでもありました。
 当社はこれら訪問介護事業所を住宅型有料老人ホームなどの施設に併設しています。介護職は入浴や排せつ介助といった介護保険サービスと、配膳や体調管理といった施設サービスを兼務していることになります(時間等を明確に区分し、保険請求サービスとインフォーマルサービスを混合することなく適正に行っています)。

 コロナ禍においては、感染予防のため様々な対策を行いました。ほんの一例では、食堂に集まって食事をするのではなく、一人ひとりの居室に配膳に変更する、居室内隔離すべき陽性者が認知症であった場合は施設内を歩き回らないように見守りを強化するなどです。

 このように利用者への感染予防や体調管理にさらに気を配ることで通常よりも業務が増え、これらの介護記録を全てサービス中に記入することが介護職の負担として重くのしかかり、記録の抜けや提出漏れにもつながってしまいました。

 この「テレッサ」の形態は訪問介護事業所ならではのものです。特別養護老人ホームなどの介護施設から転職してきたベテラン従業員ですら、慣れない記録業務に負担を覚え、自信を喪失して離職してしまう事例もありました。

9月から試験導入した結果

 こういった苦境を踏まえ、介護記録の業務負担を軽減すべく、スマートフォンのLINEアプリを活用した「テレッサmobile」を導入することにいたしました。

 まずスタッフは、LINE公式アカウントを友だち登録します。介助が終わればLINEを立ち上げ、介助内容のチェック欄を画面タップするだけです。コメント欄もフリック入力で手軽に行うことができます。サービス提供責任者は、訪問介護計画と実施報告に差異があれば赤いアラートが現れるため、整合チェックも容易となります。
(図2)テレッサmobile(見本)


(図2)テレッサmobile(見本)

※「テレッサmobile」の操作方法や仕様はタニシ企画印刷社様のHPをご覧くださいhttps://caps-teressamb.jp/(図2:画像提供 タニシ企画印刷社)


 9月から3事業所で試験導入をし、慣れ親しんだスマホとLINEアプリで、手軽に記録を行うことで介護職をはじめ、業務負担が軽減したと好評を博しています。

 試験導入の検証の結果、記録に要する時間が3分の1に減少したことがわかりました。紙テレッサの場合、1枚記録するのに約1~3分を要します。1日で10~15枚。つまり毎日10~45分を記録業務に要していました。これが3分から15分で済むようになり、その分ケアに時間を割くことができます。


紙からスマホへ、変わるコミュニケーションの形

 それだけでなく副次的な効果として、コミュニケーションの形が変わりつつあります。
 社内でインタビューした職員の声をご紹介します。

ベテラン社員(介護職歴10年以上、50代)の声
「私は逆に紙に慣れていたので、書く作業は早い方だったと思います。(テレッサmobileに代わって)最初は覚えるのが大変でしたが、若い子たちに聞いたりしながら教えてもらっています。よく教えてくれるんです。紙のときは利用者さんのお部屋で、今日は何を書こうかな、とコミュニケーションをとりながらやっていたこともありましたが、アプリだとそれがなくなって、少し味気ないこともあります。ですが、記録の時間が少なくなった分しっかりと介護サービスに集中できれば、それはそれで利用者さんとまた別な方法でコミュニケーションできると思います」
 「慣れたLINEだと特に使い方が分からないことはありませんでしたが、周りに優しく教えてもらえると、やり方が困るというようなことはありませんでした」

(図3)1か月分の紙テレッサの山(利用者数30人の事業所)40人定員では一月3000枚になることも

若手社員(新卒入社、20代)の声
 「介護職になって1年ですが、まずサービスをしながら記録を書く、というのがとても大変でした。勤務中に終わらせられないので、残って書くこともありました。
 前は勤務中はテレッサの冊子1冊まるごとをそのまま持ち歩くことになるので、めちゃくちゃ荷物が重くてしんどかったです。スマホだと慣れたLINEの画面でささっとできるので、本当に楽になりました」

 「『認知症』と手書きすると時間がかかります(計測すると8秒でした)。スマホだと予測変換で、一瞬ですみます」

(図4)さくさくと記録が可能

サービス提供責任者の声
 「紙の場合は一枚一枚めくって確認する必要がありましたが、スマホからデータが流れてきて、パソコン画面を見ながら介護サービスのチェックができるので、抜群に効率よくなりました。文章の誤字脱字も行政から指摘されるので確認しないといけなかったのですが、スマホだと入力予測があるので、誤字脱字もほとんどなくなりました。膨大な紙の束を保管するスペースもいらなくなります。ただ、これは保険請求するシステムと連動していないので、介護職は飛躍的に効率が上がっても、事務作業としては少し負担が残っています」

施設長の声
 「家族様の中には、利用者様のお部屋で紙の手書きの記録を見られたりすることもありました。電子記録になるとデータを出力してお渡しすることになるため、さみしくなったというお声もありました」


期待されるコミュニケーションの変化/DXにより、リバースメンタリングの効果も

 業務負担改善のために導入するDXの本質は、それを導入することではなく、より良いケアを実現することにあります。より良いケアのためには、当社はスタッフ間のコミュニケーションや情報共有、すなわち何でも聞ける雰囲気やチームワークを重要視しています。

 このように記録業務でDXを促進した結果、享受しつつある変化として、「双方向の」コミュニケーションが上げられます。これまでの「物事や仕事は先輩や上司から教える/教えられるものだ」という考えではなく、ベテランこそデジタルネイティブの若手から教わることができます。

 「リバースメンター」というイノベーションを促進するための制度があります。これはフラットな環境で若手が上司や先輩社員・職員に助言することで、双方のエンゲージメントを高めることを期待するものです。DX導入による業務改善という直接的な効果だけでなく、紙に慣れたベテラン勢とデジタル機器に慣れた若手同士が双方向に教え合うことで、職場の風通しの良さや、ひいては組織力の強化が実現されるのではないでしょうか。
(図5)新人とベテランがお互いに教え合うことで、チームワークの向上に


介護DXと法制度、これからのコミュニケーション

 DXは様々な業界で推進されており、介護業界も例外ではありません。しかしダイナミックな改革が困難である理由のひとつに、法的な制約があります。

 特に「訪問介護」という業態は当然ですが一軒一軒の利用者の「自宅」への訪問を想定されているため、こういった有料老人ホームの「施設」のように共同生活を行う「在宅」は想定されておらず、また「訪問介護」を管轄する介護保険法と「施設」を管轄する老人福祉法とで運営を区分する必要があり、全体の業務効率化を図るには困難さが伴います。
 記録という一面だけでも、「氏名は直筆でなければならない」、「記録は手書きでなければならない」、「受領の証に必ず認印で捺印しなければならない」、「面談は必ず対面でしなければならない」等々、行政からの様々な指摘がありましたが、これらはようやく緩和されつつあります。

 コロナ禍では私たち介護業界にとっても激震であり、現在第8波の到来に予断を許さない状況ではありますが、しかし一方では様々な規制や制約が緩和されつつもある追い風でもあります。

 2012年のはっぴーらいふ2店舗目から睡眠センサーを活用し(約1000室導入)、対話式ナースコールを活用するなど、IoT/ICTの活用を図ってまいりました。これからもスタッフの業務負担を軽減し、利用者さまに向き合う時間を少しでも増やして本来のケアにつなげ、理念でもある「私たちはありがとうを追い求めます」の実現に努めてまいります。

※1 テレッサは株式会社タニシ企画印刷の登録商標です。
※2 LINEはLINE株式会社の登録商標です。


【企業情報】

社名:株式会社ライフケア・ビジョン
代表者名:代表取締役 祝嶺 良太
設立:2011年7月   
資本金:900万円
所在地:〒533-0033 大阪市東淀川区東中島1-18-22新大阪丸ビル別館
公式サイト:https://lifecare-holdings.com
施設数:25施設1054室
従業員数:約740名(2022年10月現在)
事業内容(グループ全体):介護保険サービス、有料老人ホーム運営、高齢者向け給食事業、不動産開発、調剤薬局事業、地域支援事業等
関連会社:(株)ライフケア・ホールディングス、(株)ライフケア・プロパティ、(株)ライフケア・デザイン、(株)イートハピネス、(株)ライフケア・ファーマシー、NPO法人WAIKI

【本件お問合せ先】

株式会社ライフケア・ビジョン 担当:企画広報室 頭山・高木まで
電話:090-6756-3180/06-6160-7088(平日9-18時) 
Email:koho@lifecare-vision.co.jp
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