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花巻の高校生が約6カ月の宇宙実験に挑戦

Space BD株式会社
ISS「きぼう」施設を活用し高品質なタンパク質結晶化に成功創薬研究プロセスを追体験し、新しい教育の機会を提供

岩手県立花巻北高等学校(所在地:岩手県花巻市、校長: 須川和紀、以下花巻北高)は、宇宙をテーマに花巻を盛り上げるため誕生した合同会社SPACE VALUE(本社:岩手県花巻市、代表:安藤修一、以下:SPACE VALUE)と、宇宙産業における総合的なサービスを展開するSpace BD株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:永崎将利)が企画運営する民間プログラム「花巻スペースプロジェクト UP花巻」を展開しています。


宇宙実験サンプルを解析する様子
実際に宇宙で生成された結晶
この度、プログラムの一環で実施された「タンパク質結晶化実験」において、花巻北高生徒が調製したタンパク質サンプルの宇宙空間での生成と地球への帰還が完了し、生徒による解析が2023年3月21日に実施されたことをお知らせします。
解析の結果、地上で結晶化したサンプルよりも、宇宙で結晶化したサンプルの方が高品質な結晶であるということが分かり、タンパク質結晶化実験は無事成功しました。また生徒は、宇宙で生成されたサンプルデータを使い結晶の構造と化合物との関係性をシミュレーション上で明らかにしました。
今回の実験で生徒は、最適な結晶化条件の探索、宇宙実験による結晶化、シミュレーションソフトを活用したデータを解析等の全ての工程を遂行し、実際の創薬研究の流れとその奥深さ、大変さを体験しました。これらは、生徒が自ら問いを立て検証していく力を育み、地球での暮らしを豊かにする宇宙利活用への興味関心を高めるなど、アントレプレナーシップ醸成のきっかけにもなりました。
UP花巻について


2024年の人工衛星打上げを掲げる「衛星開発プログラム」と、宇宙を題材に花巻を支える地場産業に新たな価値を創出することを目的とする「地場産業プログラム」の2つの取り組みを通じ、花巻の魅力を全国・海外へ再発信していくことを目的としています。プログラムには花巻にゆかりのある若者にも参画してもらい、未来の花巻のリーダーの育成も視野に入れています。
UP花巻ウェブサイト:https://www.up-hanamaki.com/
タンパク質結晶化実験プログラムについて


国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」では、船内実験設備を活用し、微小重力空間の特性を活かした高品質なタンパク質結晶の生成が可能です。今回の取り組みではSpace BDが提供する「タンパク構造解析サービス」を活用し、岩手医科大学薬学部で教鞭をとる阪本泰光教授にご協力をいただき、花巻北高生徒に向けて、宇宙実験の機会を提供しました。
2022年6月からスタートし、阪本泰光教授の特別講義や実際に生徒たちが手を動かした結晶化溶液の調製実験を通じてサンプルが準備され、2022年11月27日にNASA 26th Commercial Resupply Service mission (CRS-26)の一部としてSpaceX社クルードラゴン補給船に搭載され、米国フロリダ州のケネディスペースセンターから打上げられました。
その後サンプルは、ISSの微小重力環境下で結晶が生成され、2023年1月11日に地球に帰還し、今冬生徒たちは帰還したサンプルを通じて実験結果から考察を深めました。
このプログラムには、花巻北高の科学部および有志の生徒約20名がこの宇宙実験に参加し、全6回にわたり授業を受講しました。
これまでのスケジュールと取り組み
岩手県立花巻北高等学校ついて


「百年生きる君たちが花高百年の学びを創る」のキャッチフレーズのもと、「学ぶ力の育成」に力を入れる岩手県立の高等学校。2022年度から2年間の「スペース・プロジェクト」を掲げ、全校生徒で宇宙をテーマに学びを深め、「宇宙に一番近い高校生」として、横断的な学びを経験し、非認知能力や起業家精神の育成を目指し、挑戦と失敗を繰り返しながら実践的な課題設定力や意思決定力を育んでいます。2022年に創立90周年を迎えました。
合同会社SPACE VALUEついて


SPACE VALUEは、「×宇宙で花巻をワクワクさせる」をミッションに、花巻の魅力を宇宙をテーマにして発信する花巻発の企業です。「花巻スペースプロジェクト UP花巻」を企画し、人工衛星の開発・打上る衛星開発プログラムと、地場産業と宇宙をかけ合わせ新商品・サービスの開発を目指す地場産業プログラムを推進しています。2022年現在、「UP花巻」では2024年の衛星打上げを目指しています。
Space BD 株式会社について


Space BDは、日本の宇宙ビジネスを、世界を代表する産業に発展させることを目指す「宇宙商社(R)」です。2017年の創業以来、宇宙への豊富な輸送手段の提供とともに国際宇宙ステーション(ISS)を初めとする宇宙空間の利活用において、ビジネスプランの検討からエンジニアリング部門による技術的な運用支援までをワンストップで提供しています。技術力に立脚した営業力・事業開発力を礎に、多様なキャリアバックグラウンドを持ったメンバーが、宇宙を活用した官民の事業化支援・事業変革、教育分野などに事業を展開しています。
2023年1月現在、衛星取扱い件数 約70件を含め、約300件以上の宇宙空間への輸送実績を重ねています。
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