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高齢者住宅の最新動向

株式会社タムラプランニング&オペレーティング
TPデータ・サービス「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」2023年度上半期号を用いて

高齢者住宅・居宅サービスのデータベースとコンサルティングを提供する株式会社タムラプランニングアンドオペレーティングは、4月末日、TPデータ・サービス「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」2023年度上半期号を発行いたしました。 当商品は、全国を網羅した高齢者住宅に関する業界随一のデータ集であり、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅をはじめ、14種類・約5.8万ヶ所の高齢者住宅を収録しております。高齢者住宅のホーム名や事業主体、所在地、戸数等の基礎情報のほか、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅については、月額費用や居室面積、入居率等の詳細情報も提供しております。また、「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」2023年度上半期号及び既存発表データを用いて、有料老人ホームをはじめとする高齢者住宅の最新動向に関する分析レポートも併せて発行致しました。現況の開設戸数及びその推移、費用推移、事業主体別動向等もご覧いただけます。


■高齢者住宅の最新動向に関する分析

●高齢者住宅のホーム数及び戸数の現況
全国の高齢者住宅・全14種類(2023年4月時点集計)のうち、ホーム数ではグループホームの14,213ヶ所が最多であり、住宅型有料老人ホーム(以下、住宅型)が11,771ヶ所、介護老人福祉施設(地域密着型含む)が10,316ヶ所とそれに次ぐ。サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ付住)の登録数は8,168ヶ所となっており、介護付有料老人ホーム(以下、介護付)は4,422ヶ所とその半分に留まっている。
居室数/定員数では、介護老人福祉施設の656,070名が最多となっている。介護老人保健施設の369,824名、住宅型の328,747戸がそれに次ぐ。サ付住は279,793戸となっており、介護付は252,775戸となっている。
介護療養型医療施設については、2023年度末に廃止することが決められており、医療保険施設や介護医療院への転換等が進められている。現在、介護療養型医療施設は282ヶ所/9,330名まで減少しており、対して介護医療院は750ヶ所/43,574名と介護療養型医療施設の4.7倍の規模まで増加した。

※サービス付き高齢者向け住宅かつ有料老人ホームの届け出を行っているホームは有料老人ホームとして集計
※本資料に掲載の情報・図表の無断転載を禁じます。

●高齢者住宅のホーム数及び戸数推移
高齢者住宅のタイプのうち、特に民間事業者の運営が中心となっている介護付、住宅型、サ付住、グループホームの各タイプに着目し、近年のホーム数・戸数推移を見ると、各タイプともホーム数・戸数は増加し続けている。
2020年末に比して、2023年4月までに最も増加したタイプは住宅型であり、全国で983ヶ所/37,242戸増加した。サ付住がそれに次ぎ、580ヶ所/23,135戸の増加となっている。それらのタイプに比べ、介護付及びグループホームは増加量が少なく、それぞれ207ヶ所/13,612戸、397ヶ所/6,776戸に留まる。
後期高齢者数の増加に伴い、要介護者向け高齢者住宅の需要は伸びており、そのホーム数/戸数も増加している。しかし、介護付やグループホームについては、各自治体による開設規制があることからその供給量拡大は抑えられ、相対的に住宅型及びサ付住による供給量が大きい。

●近年の事業主体別の有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅の開設状況
2019年以降において、有料老人ホームの新規開設戸数(2023年4月まで)が最も多い事業主体は(株)川島コーポレーションであり38ヶ所/4,172戸に達する。(株)アンビスの53ヶ所/2,715戸、(株)ベネッセスタイルケアの40ヶ所/2,384戸がそれに次ぐ。同様に、サービス付き高齢者向け住宅において新規開設戸数(2023年4月まで)が最も多い事業主体は、学研グループの65ヶ所/3,661戸。フジ・アメニティサービス(株)の100ヶ所/3,415戸、ウェルオフ・グループの59ヶ所/2,652戸がそれに次ぐ。
(株)川島コーポレーションは、この間にサニーライフ芝浦(288戸)やサニーライフ板橋徳丸(164戸)を開設し、100戸以上の大規模ホームを積極的に展開している。(株)アンビスは、医療依存度の高い方を入居対象とし、「医心館」のブランド名で全国展開をしている。2021年は15ヶ所、2022年は17ヶ所を開設し、急拡大を続けている。(株)ベネッセスタイルケアでは、老朽化した有料老人ホームの閉鎖を進めつつ、新規開設も積極的に行っている。
学研グループでは、グループ会社の(株)学研ココファンがサ付住の運営を行っており、2021年は18ヶ所、2022年は17ヶ所を開設する等、積極的な開設が行われている。フジ・アメニティサービス(株)は、主に関西圏で事業展開しており、月額費用が12万円代前半の低廉な価格設定が特徴となっている。
自立高齢者向けの高齢者住宅では、大手不動産デヴェロッパー系による開設が散見される。野村不動産ウェルネス(株)によるサ付住「オウカス志木」(145戸)が2023年2月に開設され、三井不動産レジデンシャルウェルネス(株)による住宅型「パークウェルステイト千里中央」(470戸)が3月に開設されている。「パークウェルステイト」シリーズは、2024年に首都圏で3ヶ所が開設予定となっており、いずれも300戸以上の大規模かつ高級な有料老人ホームのため、自立高齢者向け有料老人ホーム市場にインパクトを与えるものと考えられる。

●ホスピスやパーキンソン病対応の事業所の増加
近年、ホスピスやパーキンソン病に対応した手厚い看護サービスを提供する有料老人ホームが増加してきている。このような有料老人ホームの運営を行っている事業主体としては(株)サンウェルズ、ファミリー・ホスピス(株)等がある。(株)サンウェルズは、「PDハウス」のブランド名で、パーキンソン病専門の有料老人ホームを2019年以降だけで18ヶ所/946戸開設している。ファミリー・ホスピス(株)(日本ホスピスホールディングス グループ)は、主に「ファミリー・ホスピス」のブランド名で、2018年以降、23ヶ所/708戸開設してきている。このほか、(株)スーパー・コートも既存有料老人ホームをパーキンソン病専門住宅への転換を行っている。
特にホスピス的な性格を持つ有料老人ホームは、既存の一般的な要介護者向け有料老人ホームと比較し、入居者の入居期間が著しく短くなるうえ、ターミナルケアの割合が高くなるなど、入居動態が既存ホームと異なっている。また、ガン末期やパーキンソン病等の特定疾病に対しては、医療保険による訪問看護サービスが適用となるため、介護保険を中心とした既存の有料老人ホームとは収益構造が異なる部分がある。このようなホスピス的な性格を持つ有料老人ホームの大規模かつチェーン的な展開は、これまで無かったこともあり、今後の動向が注目される。

●高齢者住宅事業者におけるM&Aや事業継承の事例など
高齢者住宅事業者における、2022年から2023年にかけての主なM&Aの事例として、2022年6月に関西電力グループの介護事業会社である(株)かんでんジョイライフ及びかんでんライフサポート(株)がALSOKグループに事業譲渡された。2社は有料老人ホームを13ヶ所運営しており、これによりALSOKグループの関西圏における介護事業が大幅に拡大した。また、2023年4月にアジア系投資ファンドのMBKパートナーズが、株式会社ユニマット リタイアメント・コミュニティの全株式を取得した。MBKパートナーズは、2021年にツクイ グループを傘下に置いており、この買収により介護事業の大幅な拡大が図られる。高齢者住宅事業の規模も倍増し、グループの全国高齢者住宅ランキング(有料老人ホーム等、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅)も10位となる。

■TPデータ・サービス
高齢者住宅に特化した開設支援コンサルタントとして長年の実績を持つ株式会社タムラプランニング&オペレーティングは、2005年より高齢者住宅や介護保険居宅サービスのデータ・分析レポート集(TPデータ・サービス)を提供しております。全国の高齢者住宅・施設、介護保険情報公表制度対象外の住宅型有料老人ホーム、分譲型ケア付きマンションや居宅サービス事業所までも網羅する等、他の追随を受けない業界最大のデータ・サービスです。
2023年度版TPデータ・サービスでは、「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」、「2.介護保険居宅サービスデータ〔全国版〕」、「3.自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ」を中心に、「1-a.高齢者住宅データ〔地域分割版〕」、「1-b.高齢者住宅データ〔分析レポート〕」、「2-a.介護保険居宅サービスデータ〔地域分割版〕」、「2-b.介護保険居宅サービスデータ〔分析レポート〕」、「3-a. 自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ〔地域分割版〕」、「3-b. 自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ〔分析レポート〕」を提供しております。「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」では、高齢者住宅・施設のデータ及び分析レポート、オープン予定ホーム情報や公募情報等を提供するホームページサービス等で構成され、ワンストップで高齢者住宅の概況を把握できる商品となっております。

■1.高齢者住宅データ〔全国版〕
【データ】
全国・全14種類・約5.8万ヶ所(2023年4月時点)の高齢者住宅データを収録。
年2回、エクセルファイルによるデータ提供。
提供データの主な施設タイプ
・介護付有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 分譲型ケア付きマンション サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 介護老人福祉施設(地域密着型含む) 老人保健施設 介護療養型医療施設 介護医療院 ほか
提供データのうち、有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅のデータ項目
・ホーム名 事業主体 戸数 開設日 市町村コード 郵便番号 住所 入居率 居室数 居室面積 入居一時金・保証金 月額費用(管理費・家賃・食費等) ほか 延べ379項目

【分析レポート】
5種類の分析レポートを提供。なお、分析レポートは上半期号(各年4月発行)のみの提供。
  1.開設動向分析レポート高齢者住宅の現況・推移・将来推計
  2.商品分析レポート高齢者住宅の価格等の商品性を分析
  3.高齢者住宅ブランド分析レポートブランド別の集計
  4.高齢者住宅オペレーター分析レポート主要事業者の集計・分析・動向
  5.エリア別供給・商品分析レポートエリア別の集計・分析

【ホームページサービス】
開設予定情報、公募情報、M&A、業界ニュース等の最新情報を弊社ホームページに適時掲載。

URL:https://www.tamurakikaku.co.jp/
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