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バイオ医薬品製造の最適化を実現する製造データ管理システムHistoHub(R)の提供開始

日揮HD
日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之)の国内EPC事業会社である日揮株式会社(代表取締役社長 山田 昇司。以下、日揮)は、4月30日よりバイオ医薬品製造の最適化を実現する製造データ管理システムHistoHub(R)の販売を開始したことを、お知らせ致します。


1. バイオ医薬品製造における製造データ管理の現状
バイオ医薬品製造プラントの製造工程では、バッグ、フィルター、チューブ、コネクター、センサーなどにおいて、製造毎の洗浄、滅菌が不要となる単回使用のシングルユース機器が多く用いられています。しかしながら、複数のサプライヤのシングルユース機器で構成される設備では、サプライヤ各社の通信規格・仕様が異なるため、製造設備全体の製造データの一元管理が難しく、これまで機器単位での管理が一般的でした。


一方、医薬品製造管理及び品質管理基準であるGMP(Good Manufacturing Practice)では、製造者に最長で30年間に亘る製造記録の保存が求められていますが、現状は主に紙ベースで機器毎に製造データの管理・保管が行われているため、GMPの要件に効率的に対応することが難しいのが実態となっています。

2. HistoHub(R)の主な特徴
このたび、日揮が開発したHistoHub(R)は、様々な通信規格に対応することでシングルユース設備の製造データの一元管理を可能とするデータ管理システムで、これまで紙ベースで行われてきた製造データ管理の電子化に加え、稼働状況の監視、バッチのワークフローシステムや、監査証跡レビューといった製造現場管理の効率化を可能とする機能を備えています。各機能の詳細については補足資料およびHistoHub(R)のウェブサイトをご覧ください。



https://www.jgc-histohub.com



なお、HistoHub(R)という名称は、バイオ医薬品製造に用いる複数のシングルユース機器の接続(Hub)と、製造データの時系列データベースシステム(Historian)への集約という、2つの特徴に由来しており、医薬品製造現場におけるデータ管理の新しいハブを目指しています。






<HistoHub(R)システム構成概要>



3. 今後の予定
当社グループは、これまでバイオ医薬品製造プラントを含め、600件を超える医薬品製造プラントの設計、建設を手がけた実績を有しています。今後もエンジニアリング会社の視点からプラントの設計、建設のみならず、医薬品製造の効率化、最適化に寄与する幅広いサービスを提供することにより、医薬品業界の発展に貢献してまいります。


なお、2023年7月5日(水)~7日(金)に開催される第25回 インターフェックス ジャパン -[医薬品] [化粧品] 製造展の日揮グループ展示ブースにおいて、HistoHub(R)のデモ機と説明パネルを展示予定です。







補足資料
HistoHub(R)の各機能
1. 各シングルユース機器の稼働状態の監視


2. 各シングルユース機器より運転データ、各種ログの収集・保存・閲覧


3. 各バッチの製造状況・記録作成承認状況を可視化できるワークベンチ機能(特許出願中)


4. バッチ登録から製造記録作成、電子承認までのシームレスな連携


5. バッチ登録のダブルチェック(PIC/S Annex 11対応)


6. 中間製品登録および製品バッチとの連携


7. 監査証跡レビュー(PIC/S Annex 11対応)


8. 様々な規格に対応した通信インターフェース



各機能の詳細
1. 稼働監視機能
HistoHub(R)に登録した機器の稼働状況(運転中、警報有無、製造に使用されている場合はバッチ番号等)を機器ごとに一目で判別できるようにしています。PCあるいはタブレット画面を通じ、製造現場以外で稼働監視できるようにしています。

2. 製造データ収集・保存機能
HistoHub(R)に接続されている機器からの製造データ(運転データおよび操作履歴/警報などのログ情報)が通信機能により収集され、HistoHub(R)内のデータベースサーバにデータインテグリティに沿って一元管理されて保存されます。保存された運転データは、製造記録閲覧画面においてトレンドグラフで確認可能であり、各種ログ情報は一覧を画面で確認可能です。



3. ワークベンチ機能
HistoHub(R)に登録した製造バッチおよび製造バッチ内の各工程(本システムにおいてサブバッチと命名)の製造データ記録作業について、進捗状況が画面で閲覧可能としています。この機能により、ユーザは自分が終わらせるべき業務を画面で確認可能です。



4. 製造記録作成・承認機能
HistoHub(R)に登録したサブバッチ毎に、製造記録の作成および承認作業が画面上で可能です。この機能により、これまで製造記録について印刷した紙を回覧して捺印していた作業が、ペーパレス化されます。



5. バッチ登録のダブルチェック機能(PIC/S Annex11対応)
バッチ番号等、製造バッチに使用される重要な情報の信頼性を確保するため、登録時にダブルチェックする機能を備えています。この機能により、複数の業務に影響する重要な情報の登録を間違えるリスクを低減しています。



6. 中間製品登録・製品バッチとの連携機能
培地・バッファや中間製品等、複数の容器に分注されて冷蔵庫などに保管されるものは、複数の製造バッチに原料もしくは中間製品として使用されます。それら原料/中間製品の製造記録を製造バッチに連携させる機能を備えています。この機能により、製造バッチで引用する中間製品の製造記録が、落ちなく製造バッチの記録に紐づかれます。



7. 監査証跡レビュー機能(PIC/S Annex11対応)
製造記録を作成・承認する中で、監査証跡をデータインテグリティに沿って画面上でレビューすることが可能です。規制が求める監査証跡レビューを、製造記録が作成・承認されるタイミングで実施されたことが記録されます。



8.  様々な通信規格に対応した通信インターフェース機能
OPC通信の他、機器からのFTP通信に標準機能で対応しています。またオプション機能として、上記以外の規格についても通信対応する機能を備えています。この機能により、機器サプライヤおよび通信仕様に関わらずHistoHub(R)において製造データの一元管理が可能となり、各製造データはデータインテグリティが確保されます。


<HistoHub(R)画面構成(一例)>
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