美容・健康 スポーツ・アウトドア

「月経周期とスポーツのコンディションについて」の意識調査

株式会社エムティーアイ
~月経により困った経験のある人が多数!相談しやすい環境や指導者に理解を求める声も~

(株)エムティーアイが運営する、ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス『ルナルナ』では、定期的にサービス内で様々な意識調査を行い「ルナルナ通信」として発信しています。  Vol.60では、アディダス ジャパン株式会社と共同で、「月経周期とスポーツのコンディションについて」の意識調査を行いました。  近年、様々なスポーツで女性が活躍していますが、女性アスリートにはエネルギー不足により「無月経」や「骨粗しょう症」のリスク、月経随伴症状によるコンディションへの影響など、特有の健康課題があります。今回の調査では、スポーツ経験のあるルナルナユーザーに、月経やそれに伴う症状により、どのような影響があったのか、どのような対策をとっていたのかなどをたずねました。女性アスリートが試合でハイパフォーマンスを発揮するためにも、また、趣味でスポーツを楽しむためにも、スポーツに取り組むうえでの女性の健康課題について考え、自身の体調管理に役立てるきっかけにしてほしいと思います。


■ 8割近くのルナルナユーザーがスポーツ経験あり。約6割が部活動で実施。
Q.スポーツ経験はありますか?
 はじめに、スポーツを経験したことがあるかを聞いてみました。「ある」77.4%、「ない」22.6%となり、8割弱のルナルナユーザーが、何かしらのスポーツ経験があるようです。続いて、現在も継続して取り組んでいるかを聞いたところ、「現在も取り組んでいる」32.9%、「現在は取り組んでいない」67.1%となりました。
 また、どのような団体にてスポーツに取り組んでいたかを聞いてみると(複数回答)、「学校の部活でのスポーツ経験がある」59.5%が最も多く、次いで「サークルやスポーツクラブでのスポーツ経験がある」27.3%、「団体に所属したことはない(個人活動のみ)」25.9%となり、学生時代などの部活動としての経験者が多い結果となりました。自由回答では、「地域のチーム」や「社会人サークル」といった声も目立ちました。

■ 「女性アスリートの三主徴」を理解している人はわずか2%!スポーツに取り組むうえでの女性の健康課題を学びたい人は6割以上
Q.女性アスリートに起こりやすい「三主徴」について知っていますか?

 続いて、スポーツを経験したことがあると回答した人に「女性アスリートの三主徴」について知っているかを聞いてみました。「全く知らない」86.5%、「言葉は知っているが意味まではわからない」11.2%、「言葉も意味も理解している」2.3%となり、意味まで理解している人は1割にも満たない結果となりました。
 「女性アスリートの三主徴」は、スポーツに打ち込む女性に多い健康問題で、激しいトレーニングを続けていることにより生じる「エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」のリスクを指します。これら3つの症状はそれぞれ影響し合っており、疲労骨折のリスクを高めたり、競技パフォーマンスを低下させるなど、女性アスリートにとって重要な問題です※1。

Q.「知らない」と答えた方にお聞きします。女性アスリートの三主徴とは、「エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」のことです。このような女性アスリート特有の健康課題について知る機会が欲しいですか?

 では「女性アスリートの三主徴」について「知らない」と回答した人に、このような健康課題について知る機会が欲しいか聞いたところ、「とても欲しい」17.1%と「どちらかというと欲しい」44.3%を合わせると、6割以上の人が学ぶ機会を望んでいることが分かります。
 また、「女性アスリートの三主徴」について「知っている」と回答した人に、どこで知る機会を得たかを聞いてみると(複数回答)、1位「webメディアの記事」35.0%、2位「ニュースなどのTV番組」28.2%、3位「SNS」20.1%でした。「学校の授業」14.2%、「スポーツの監督やコーチ」8.1%といった声も1割前後ありましたが、部活動でスポーツを経験している人が多いことからも、女性アスリートが抱える健康課題をはじめ、スポーツに取り組む際の月経との付き合い方や体調管理方法、エネルギー不足にならないための栄養管理などについて、部活動の一環としてもっと学ぶ機会があることが望ましいと感じました。また、「女性アスリートの三主徴」のリスクを回避するためにも、自身の月経周期をきちんと把握していることは大切です。月経周期や基礎体温、月経随伴症状などを記録・管理することをおすすめします。

■ 月経随伴症状の影響により、競技パフォーマンスが低下する人が多数!

Q.スポーツにおいて、月経前から月経中の不快な症状によってどのような影響が出たことがありますか?(複数回答)
 次に、月経前から月経中の不快な症状(以下、「月経随伴症状」)により、スポーツにどのような影響が出たかを聞いてみると、1位「練習中の運動量、パフォーマンス」57.1%、2位「試合中の運動量・パフォーマンス」38.6%、3位「競技への意欲」31.1%でした。また、このような症状が月経周期のどの時期で最も深刻だったかを聞いてみると、「月経中」59.0%、「月経前・月経中、どちらも同程度」23.2%、「月経前」9.3%となり、月経中が6割近くと最も多い回答となりました。
 では、月経随伴症状の影響がない時期における、「競技パフォーマンス」を100%とした場合、月経随伴症状の影響がある時の「競技のパフォーマンス」が何%になるかを聞いてみました。最も多かった回答は「50%(半分程度しかパフォーマンスを発揮できない)」24.1%、次いで「70%」20.8%、「60%」16.0%で、少数ですが、「0%(全くパフォーマンスが発揮できない)」1.5%と回答した人もいました。100%(パフォーマンスは落ちない)と回答した人はわずか1.0%となり、月経に伴う症状によりほとんどの人が競技パフォーマンスに影響が出ていることが分かります。

■ 月経随伴症状を我慢する人が3割弱!つらいと感じたりパフォーマンスに影響がある場合は医療機関の受診を
Q.月経前から月経中の不快症状に対して、どのような対策を取っている・取っていましたか?(複数回答)

 競技パフォーマンスにも影響を及ぼす月経随伴症状に対して、スポーツ経験者はどのような対策をとっているのでしょうか。1位「市販薬を服用する」44.0%、2位「身体を温める」35.0%、3位「身体を休める」30.4%となりました。「医療機関での処方薬を服用する」7.4%、「医療機関を受診する」6.7%と回答した人はそれぞれ1割に満たない結果となりました。
 「我慢する・何もしない」28.5%と回答した人にその理由を聞いてみると、「我慢できる範囲の症状だから」が52.7%と最も多く、次いで「対処方法がわからないから」23.4%、「医療機関に行く時間がないから」6.6%となり、自由回答には「生理痛は我慢するものだと思っていた」「恥ずかしくて話せない」といった声もありました。症状に差はあると思いますが、適切に対処することでパフォーマンスへの影響も軽減できます。我慢できるからと自己判断せずに、つらく感じたり普段と症状が違うと感じたら、まずは婦人科を受診して相談することが大切です。

■ 月経により困った体験がある人は7割以上!監督やコーチに相談ができないという声も・・・
Q.スポーツにおいて、月経が原因で環境面・周囲との関わりの中で「困った」ことはありますか?

 続いて、スポーツに取り組む際に月経が原因で環境面・周囲との関わりの中で「困った」ことがあるかを聞いてみました。「ある」75.4%、「ない」24.6%ととなり、7割以上の人が困った経験があることがわかります。
 具体的には、どのような出来事で困ったのでしょうか(複数回答)。1位「トイレにいく回数が増えた」51.2%、2位「経血漏れにより練習着やユニフォームが汚れた」48.0%、3位「周りの目が気になった」44.0%となりました。
 特に困ったエピソード(自由回答)では、恥ずかしかったり男性が多く相談できなった、蒸れやにおいが気になるなどといった多くの声が寄せられましたので、その一部を紹介します。

<月経が原因で特に「困った」と感じた際のエピソード>
★痛いけれど周りは男性ばかりで言いにくく、こんなことで休んでもいいのかと不安だったから休むことができなかったこと。

★特に夏場は汗もかくので、生理中は漏れ等の汚れだけでなく臭いも気になっていたし、ナプキンを使うことが不快だった。
★思春期で生理が安定していない時期だったこともあり、生理痛と経血の量がすごくて辛かった。身近な母親にすら相談するのが恥ずかしくて我慢するしかなかった。
★水泳の試合と月経が重なり、試合に出られなかった時に、男子部員にずる休みだと思われた。
★コーチも監督も男性だったので生理について相談しにくかった。ユニフォームのズボンが白だったので血で汚れてないかが不安になって集中出来なかった。生理痛で部活を休める環境ではなかったので辛かった。
★生理前や生理中はパフォーマンスが落ちてしまうけどそれを監督やコーチに言えない。

■ 充実してほしいサポートは「休みやすい環境」と「指導者の月経への理解」を求める声が多数!

Q.スポーツにおいて、月経に関連して「もっと充実してほしい」と思うサポートを教えてください。(複数回答)
 最後に、スポーツに取り組む際に、月経に対するどのようなサポートが充実してほしいかを聞きました。1位「部活や練習を休みやすい環境」56.8%、2位「監督やコーチの月経への理解」52.6%、3位「経血漏れに配慮のある練習着やユニフォーム(経血の目立たない色など)」50.2%でした。
 その他の自由回答には「生理の知識を深める講座」「スポーツと月経に関する勉強会の開催」といった声も目立ちました。

 今回の調査では、スポーツに取り組む女性が月経随伴症状によって悩まされていたり、パフォーマンスに影響が出ていることが分かりました。一方で、婦人科を受診して症状の改善に努めるなど対策をとっている人は少ないと感じます。婦人科への受診はハードルが高く、また我慢できるからと放っておいてしまう気持ちもわかりますが、つらいと感じたり競技に支障が出る場合は、医師に相談すると安心です。
 また、環境面のサポートも大切ですが、男性のコーチや監督に月経について理解してほしいといった声も目立つことからも、スポーツに取り組む選手をはじめ、監督やコーチなど男女問わず、女性アスリートの健康課題と対処方法について正しい知識を学べる機会の創出が必要だと感じました。

≪関東中央病院産婦人科医長 岡部葉子先生からのコメント≫

 本調査結果から、スポーツをする上で月経随伴症が影響し、自身のパフォーマンスが十分に発揮できないと感じている女性が多くいることが分かり、月経トラブルやPMSについて理解を深めていただく必要があると改めて感じました。月経随伴症の症状には個人差がありますが、身体的な症状や精神的な症状で、本人が少しでも困っているのなら、その時点でまずは、婦人科を受診して相談して欲しいと思います。
 また、スポーツをする女性に関わる保護者や指導者の方々が女性のカラダとココロの変化について理解していただくことが、適切なケアにたどり着く近道になると感じました。これらの変化に気づいてくれる人、支えてくれる人が増えることで、より多くの女性が長く楽しくスポーツを続けられるようになることを願っています。

◆ADIDAS RUNNERS TOKYOとのタイアップ!ランニング後に「月経」についてのセミナーを開催!

 ADIDAS RUNNERS TOKYOでは、セーフティ・ランの体験と様々なトピックを学べるセッションをセットにした「WITH WOMEN WE RUN」を4月に実施しました。2023年4月23日(土)に開催されたセッションでは『ルナルナ』とタイアップし、ランニングを終えた男女の参加者に向けて、関東中央病院産婦人科医長 岡部葉子先生による「FEMCATIONセミナー 女性のカラダ基礎知識講座」を実施しました。
 セミナーでは、月経の仕組みや、女性ホルモンの変化、月経痛などの対処法として鎮痛剤や低用量ピルなどについて学びました。月経で困ったことがあるかという質問に対しては、参加者の7割くらいが手をあげており、質疑応答では男性の参加者から質問が上がったり、セミナー終了後に岡部先生に直接質問する人も多くいました。岡部先生からは「ぜひ、女性のカラダについて男性も知ってほしいです。また、体を動かすと血の巡りが良くなり、月経にまつわる色々な症状が緩和できるので、少しずつでもよいので運動は続けてください。それでも月経に関連する症状があれば、気軽に婦人科を受診してみてくださいね。」とメッセージが送られました。セミナー後に実施したアンケートでは、参加者全員が女性ホルモンの変化とスポーツへの影響の理解が深まり、何かしら行動をしようと思ったと回答しています※。自由回答でも「我慢しない」、「婦人科受診」、「自分の月経周期を記録する」、「学んだことを伝えたい・周知したい」といった声が寄せられ、意識と行動両方に変化が見られる結果となりました。
※2023年4月23日日開催のADIDAS RUNNERS TOKYO参加者24名に対する、オンラインアンケート結果より

<アディダスの女性に対する取り組み>

 「スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力がある」という理念のもと、全ての人々が安心してスポーツに取り組むことができるよう、様々な活動を行っています。
 スポーツの経験がありながら様々な要因でスポーツをやめてしまう女性が多く存在する中、ランニングやワークショップを通じて一緒に身体を動かす仲間とつながることができるコミュニティADIDAS RUNNERS TOKYO (https://shop.adidas.jp/running/community/ )を運営しています。ADIDAS RUNNERS TOKYOはただ走るだけでなく、定期的に女性限定のランイベントを開催し、女性ならではのスポーツをする際の悩みや相談も気軽に交流できるコミュニティです。
 また、中学生年代の女性がサッカーを続けられる環境作りをサポートする「HER TEAM」プロジェクト(https://shop.adidas.jp/football/herteamproject/ )を公益財団法人日本サッカー協会とともに行っています。中学生年代において日本では女子チームは男子チームと比較してわずか2.7%しか存在せず、そのため女子プレーヤーの5人に1人が、13歳になるとサッカーをやめてしまうという現実があります(2020年時点)。ひとりでも多くの女子プレーヤーが競技を続けられる環境を整え、女子サッカーの未来を変えるため立ち上げられた「HER TEAM」プロジェクトでは、今までに全国25自治体、合計30チームに対して創設サポートを提供してきました。本年度も、審査を通過した新規創設予定チームを対象に、各種のサポートを提供していきます。

 今後も『ルナルナ』は、サービス提供を通じ婦人科医療へのアクセシビリティ向上を図ると共に、「FEMCATION(R)(フェムケーション)※2」を通じて、年齢や性別を問わず誰もが、女性のカラダやココロについて正しく学べる機会を創出し、あらゆる女性たちが、より生きやすく、暮らしやすく、働きやすい社会の実現の一助となることを目指します。

調査実施時期:2023年2月22日(水)~2023年3月1日(水)  
調査方法および人数:『ルナルナ』、『ルナルナ 体温ノート』、『ルナルナ ベビー』にて調査 女性:3,133名

※1:スポーツ庁「スポーツ女子のからだの気がかり解決BOOK」
   https://www.mext.go.jp/sports/content/20210331-spt_kensport01-000011954_PDF10.pdf
※2:「FEMCATION(R)」はFEMALE(女性)とEDUCATION(教育)を掛け合わせた造語です。




※『ルナルナ』「FEMCATION(R)」は(株)エムティーアイの登録商標です。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)