美容・健康 インテリア・雑貨

ドイツを中心に事業を展開する繊維ベンチャーAIZOMEが製造時の廃水をそのまま使ったプレミアムスキンケア製品 AIZOME WASTECARE(TM) 発表

AIZOME
特設サイトURL: https://wastecare.aizome-textiles.com/

ドイツ・ミュンヘンを中心に事業を展開する日系繊維スタートアップ「AIZOME」は、クリエイティブエージェンシーServiceplan Innovationと共同で、同社の繊維製造工程で出る廃水を利用したプレミアムスキンケア製品「WASTECARE(TM)」を2023年4月17日(現地時間)に発表しました。





■ドイツのテキスタイル企業「AIZOME」について
AIZOMEは、ドイツ・ミュンヘンを中心に事業を展開するテキスタイル・スタートアップ企業です。
その名の通り、日本の伝統的な藍染をベースにした染色技術を用いることで、化学物質を一切使用せずに、抗菌、抗炎症、抗酸化作用をはじめとした薬用効果のあるベッドシーツや枕カバーなどの寝具を製造・販売しています。

AIZOME創業者のマイケル・メイは、2009年に母親が癌と診断されたことをきっかけにヘルスケアに興味を抱きました。特に、病院の化学物質を使用したベッドシーツの影響で母親の肌が荒れた経験から、肌に優しいオーガニックな布製品を作りたいと決意しました。その後、日本での生活を始めたマイケルは、妻でありAIZOMEの共同設立者である武藤美沙と出会うと共に、日本伝統の「藍染」を知ります。藍染師・風間幸造氏から手ほどきを受け、藍染で染めた布には、消臭や保温、紫外線防止、抗菌といった効果効能があることに感銘を受けました。
その一方で、洗うことによって藍の成分が抜け、薬効や色が落ちてしまう藍染の弱点にも興味を持ち、藍染の新たな染色方法の開発に着手しました。そして2019年、二人はAIZOMEを設立。染色時に超音波を用いる独自の藍染技術「AIZOME ULTRA」を考案しました。

これは、52.5kHzの超音波によって染液の中にマイクロバブルを生成し、藍の成分を布繊維に強く付着させることで、色落ちや薬効効果の低下を防ぐ画期的な染色技術です。AIZOME ULTRAによって、それまでは藍染師が長年の経験をもとに手作業で行っていた作業が機械で自動化され、高品質な藍染製品をお求めやすい価格で大量生産することも可能となりました。現在、AIZOMEは睡眠時の布環境を改善すべく、ベッドシーツや枕カバーを中心に製造・販売しており、今後は衣料分野への進出も検討しています。

■テキスタイル産業の課題
ファッション産業は、国連貿易開発会議(UNCTAD)から世界第2位の汚染産業とされています。中でもテキ
スタイル産業は、染色に毎年5兆リットルもの水を使用※1し、石油300万バレルに相当する約50万トンものマ
イクロファイバーを海洋に投棄しています。さらに、CO2排出量をみても、テキスタイル業界は国際航空業界
と海運業界を足したものよりも多いCO2を排出※2しているのです。
さらに、製品の染色や仕上げには、ホルムアルデヒドから鉛まで、8000種類以上の合成化学物質が使用※3されています。その使用量は年間1万トンにも上り※4、その過程で20万トンもの有害物質が排出※5されています。
これらの化学物質は水質汚染を引き起こし、繊維産業従事者の健康に深刻な影響を与えるだけでなく、免疫や
神経系を害することで着用者にも影響を及ぼす※3ことが知られています。
繊維産業は世界の水質汚染の約20%の原因になっているというデータ※6もあり、廃水の無毒化や適切な処理は
業界全体で取り組むべき大きな課題となっています。
※1 UKHIよりhttps://hempfoundation.net/water-consumption-of-the-fashion-industry-at-different-stages-how-cutting-it-down-can-impact-the-lives-of-people/#:~:text=The%20apparel%20industry%20uses%20over,hard%20to%20put%20into%20perspective.
※2 国連貿易開発会議発表内容よりhttps://news.un.org/en/story/2019/03/1035161
※3 EARTHDAY.ORGよりhttps://www.earthday.org/toxic-textiles-the-chemicals-in-our-clothing/
※4 Fashion for Goodよりhttps://fashionforgood.com/our_news/fashion-for-good-develops-a-sustainable-dyestuff-library/
※5 コーネル大学よりhttps://news.cornell.edu/stories/2017/04/natural-dye-garden-promotes-greener-fashion-supply-chain
※6 欧州議会よりhttps://www.europarl.europa.eu/news/en/headlines/society/20201208STO93327/the-impact-of-textile-production-and-waste-onthe-environment-infographic

■AIZOMEが着目した藍染の「廃水」
藍染は化学物質を一切使用せず、藍と水のみを使用した100%オーガニックな染色方法です。色合いが美しい藍染には、菌の増殖をおさえ、肌荒れを防ぐ効果が明らかになっております。その効果の高さは、全米湿疹協会やケンブリッジ大学からの認証を得ているほどです。
AIZOMEは、この製造工程のオーガニックさや製品自体の薬効から、染色後に残る「廃水」に注目しました。
オランダ・アムステルダムに本部を置く非営利団体、ZDHC(Zero Discharge of Hazardous Chemicals:
有害化学物質排出ゼロ)の厳しい規制に従ってテストした結果、他の繊維ブランドとは対照的に、AIZOMEの
廃水には一切の毒性がないことが判明。さらに、欧州の研究機関「ユーロフィン」の調査によると、AIZOMEの廃水にも藍の成分が含まれており、乾燥でデリケートになった肌を整え、やさしく保湿する効果があるという見解が 示されました。

※参考:ユーロフィンでの個別テスト項目
・ Chemical Oxygen Demand (COD)
・ Biological Oxygen Demand (BOD)
・ Suspended Solids (SS)
・ Coliform count
・ pH value
・ Ammonia-nitrogen
・ Phosphate (PO3-4)
・ Heavy metals
・ Restricted substances
・ Microbiological parameters

<認証団体>


■AIZOME WASTECARE(TM)
AIZOMEの廃水のユニークな特徴を生かして開発されたのが、製造工程で出る廃水をそのまま使用したプレミ
アムスキンケア製品「WASTECARE(TM)」です。寝具をメインとしたAIZOMEの製品ラインナップを鑑みて、
「夜用美容液」というコンセプトで開発されました。

WASTECARE(TM)は、化粧品としての安全性にも配慮し、医療用の小瓶に詰められており、完全なリサイクル材で梱包されています。ファーストロットとして開発されたプレミアムキットは、NYのデザインスタジオ「WorkByWorks」がデザインを担当。AIZOMEブランドストーリーを綴った3種のブックレット、AIZOMEの製品サンプルが順に梱包されており、最後に美容液に辿り着く体験設計となっています。
WASTECARE(TM)の使い方はとてもシンプルです。通常の美容液と同様、洗顔後に化粧水を付けた状態でのご使用を推奨しています。小瓶の蓋を開け、付属のピペットで美容液を吸い上げ、手のひらに3滴垂らします。軽く手のひらで伸ばした後、顔全体に行き渡るように付けていきます。ゴシゴシとこすらず、マッサージするように優しく、ゆっくりと皮膚になじませれば終了です。入浴後や就寝前など、夜間に継続して使用するのがおすすめです。
※WASTECARE(TM)の主要成分はAIZOMEの廃水ですが、天然由来の防腐剤も一部使用しております。


■今後の展開
AIZOMEは現在ビジネスを拡大中で、2023年中にWASTECARE(TM)を商品化する予定です。それに先立ち、今回はファーストロットを非売品のプレミアムキットとして発表いたしました。これらのキットは、ファッション、テキスタイル、ヘルスケアの主要なオピニオンリーダーへ展開し、AIZOMEとのコラボレーションを呼びかけていく予定です。
さらに、各種展示会やカンファレンス、ポップアップストアなどにもWASTECARE(TM)を順次展開していくことで、繊維業界全体に課題解決に向けた行動を呼びかけていくと共に、藍染の技術的利点やその素晴らしさを世界へと発信していく予定です。
様々なファッションブランドがAIZOMEの染色技術を使って製品を製造し、業界全体がよりクリーンに、より肌にやさしい方向へと進んでいくことを願っています。
特設サイト:https://wastecare.aizome-textiles.com/
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)