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新型コロナで下痢や嘔吐の緊急入院7割減(GHC調査)

株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
全国242急性期病院の4月データを分析

 重症患者を診療する「急性期病院」の経営コンサルティングなどを行う株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC※1=本社・東京都新宿区、代表取締役社長・渡辺幸子)はこのほど、新型コロナウイルス感染症が病院経営に与えた影響の調査結果を発表しました。  今年4月時点における全国242の急性期病院(※2 DPC対象病院)のデータを分析したところ、下痢や嘔吐などの症状を伴う「ウイルス性腸炎」の緊急入院が、前年同期比で73.0%減と7割以上減ったことなどが明らかになりました。新型コロナ感染予防のため、手洗い、うがいなど医療の需要側の衛生面の向上や、受診控えなど受診行動の変化が影響しているものと思われます。



 4月は新型コロナ感染者が急拡大。政府は4月7日に緊急事態宣言を発令し、病院経営にも大きな影響を及ぼしました。

 急性期病院の多くは入院医療7割、外来診療3割という収益構造です。収益の柱とも言える入院医療は4月に激減。前年同期比で平均15.4%の入院症例が減少しました。中でも200床台の急性期病院では平均19.1%と2割近くの減少になっています。



 入院医療を緊急性のない「予定入院」と救急車などで搬送される「緊急入院」を分けると、救急入院の減少幅の方が大きい傾向にあることが、今回のデータ分析で明らかになりました。例えば、減少幅が最も大きい200床台で見ると、予定入院が同13.8%減、救急入院が23.8%減と10ポイントの差があります。




 これについて今回のデータ分析を担当したGHC創業者で国際医療経済学者のアキよしかわは、「患者数の減少要因は2つあります。1つは供給側の理由。コロナ患者治療に医療資源を集中させるため、受診抑制や病棟閉鎖、白内障など「待てる」予定手術・検査の延期などです。ただ、より重要なのはもう一つの需要側の要因です」と指摘します。

 需要側の要因はおおよそ3つに分類できます。

 まずは「衛生要因」。これはコロナ予防のため手洗い、うがい、マスク着用などの衛生面の向上により、他の感染症疾患の罹患防止につながったことです。2つ目は「環境要因」になります。最も大きいのは、外出自粛や休業・休校の要請に伴う罹患減です。そして「最も重要なのが『受診行動の変化』だと考えられます」(アキ)。

 需要側の受診行動の変化は、安易に病院へ行くとコロナ感染リスクが高まるとの懸念が広まったことによる受診抑制です。かぜや胃腸炎のような軽症では、極力、医療機関へ行かずに、自宅療養や市販薬などでのセルフメディケーションに務めることもできます。また、「安易な救急車の出動要請も減った可能性が高い」(同)とも考えられます。

 実際、今回のデータ分析の結果を見ると、緊急入院の減少幅が大きく、症例別で見ても「急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症」(前年同期比78.0%減)、「肺炎等」(同37.5%減)など比較的軽症の症例が大きく減少していることが分かりました(以下再掲)。


 この結果についてアキは「ポストコロナになっても、生活習慣として身に付いた衛生行動や受診行動の変化は、多少緩んだとしても完全に元に戻るわけではないのではないでしょうか」としています。

 また、外来診療における症例数は、平均で前年同期比17.3%減少。減少幅が10%を超える医療機関が全体の9割近く、20%を超えるのは4割近くになりました。


 上記の速報分析とは別に、GHCでは約400病院からの依頼で、データ分析だけではなく、アンケート調査も加え、より詳細な分析を行う予定です。


(※1)株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
医療専門職、ヘルスケア企業出身者、IT専門家らで構成される経営コンサルティングファーム。急速な高齢化で社会保障財政の破たんが懸念される中、「質の高い医療を最適なコストで」という理念を実践する具体的な手法として、米国流の医療マネジメント手法「ベンチマーク分析」を日本に初めて持ち込み、広めたパイオニアです。URL:https://www.ghc-j.com/

(※2)DPC対象病院
包括支払い方式で入院医療費を請求する「DPC(診療群分類別包括払い)制度」の対象病院。DPC制度は、従来型の出来高制度と比較して、1日当たりの報酬が決まっているため、過剰な診療の抑制や必要なコスト削減を促すことが期待できる。主に病床数が多く、重症患者を診療する急性期病院の多くが導入している。対象病院は1730病院。
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