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希少難病患者と家族が直面する困難ー特発性TGCVを考えるー

一般社団法人中性脂肪学会
中性脂肪学会第6回学術集会2023年7月1日(土)9:00~17:30@WEBライブ配信(参加費無料)

一般社団法人中性脂肪学会(代表理事 大阪大学医学部附属病院 平野賢一)は、この度、第6回学術集会(会長 千葉大学大学院医学研究院 循環器内科学 宮内秀行)をWEBライブ配信(参加費無料)にて開催することとなりました。




■ 概要
 一般社団法人中性脂肪学会(代表理事 大阪大学医学部附属病院 平野賢一)は、「わかっていそうで、わからないこと」の多い中性脂肪(TG)を、深く学ぶための学会です。
 この度、第6回学術集会(会長 千葉大学大学院医学研究院 循環器内科学 宮内秀行)をWEBライブ配信にて開催することとなりました。第6回学術集会では「希少難病患者と家族が直面する困難 -特発性TGCVを考える-」をテーマとして、6セッション23講演を予定しております。
 今回の学術集会で取り上げるTGCV(中性脂肪蓄積心筋血管症)は、わが国で見出された新しい心臓の難病です。心臓の筋肉や血管に中性脂肪(TG)が蓄積し、重症心不全、心筋症、狭心症などが引き起こされる病で、国内で4-5万人存在すると考えられています。しかし、血中のTG値や肥満度では診断できないため、これまで診断された患者数はわずか600人程度で、多くの患者さんが診断されずに取り残され、亡くなっている状況です。患者さんは、「病気が知られていない」「病気の診断が遅れる」「適切な治療を受けられない」ため孤立しています。また、対応する医療関係者も、この疾患についての情報や治療経験が無く、同様に孤立しています。本学会ではTGCVの啓発と患者さんの支援も行っており、2021年には「中性脂肪学会宣言2021」(次頁参照)を発表しました。今般、この学術集会の開催により、皆様に情報を発信し、また、一緒に考えることで、より多くの方が「TGCV」について意識し、理解を深めることができ、医療関係者、研究者を含めTGCVを知っている方の輪が広がり、TGCVを克服することに繋がると考えております。
 本年の学術集会は、より多くの方にご参加いただけるよう、参加費を無料と致しました。「中性脂肪学会に参加したことが無い方」「中性脂肪に興味はあるが、学会参加費の負担が大きいと考えていた方」「TGCVという疾患をより詳しく知りたい方」など、この機会に是非、学術集会にご参加ください。
 このように本学会では、幅広い中性脂肪に関する知識を、医療関係者、研究者、そして広く一般市民の方に向けて提供してまいります。

イベント概要  ※詳細はHP https://tgbm.org/special/を参照


中性脂肪学会 第6回学術集会
【日  時】 2023年7月1日(土) 9時00分~17時30分
【開催方式】 WEBライブ配信(全国各所から視聴参加)
【参 加 費】 無料
【会 長】 宮内 秀行 (千葉大学大学院医学研究院 循環器内科学)
【主 催】 一般社団法人中性脂肪学会
【共 催】 厚生労働省TGCV研究班、TGCV患者会

参加申込


 URL:https://tgbm.org/special/sanka/

用語解説


〇特発性中性脂肪蓄積心筋血管症(Triglyceride deposit cardiomyovasculopathy, TGCV)
わが国で発見された原因不明、治療法未確立、長期の療養を要する心臓難病。2022年12月までに診断された患者数は629例で、その内87例が既に死亡している。5年生存率は71.8%である。心臓のエネルギー源である中性脂肪が分解されずに、心臓や冠動脈に蓄積する結果、心不全や狭心症・心筋梗塞、重症不整脈が現れる。厚労省難治性疾患政策研究事業TGCV研究班による推定潜在患者数は4-5万人であるが、血清TG値や体格指数 (Body mass index)、肥満度からは診断できないため多くの患者が取り残されている。中性脂肪学会ではTGCVに関する学術推進のみならず、中性脂肪学会宣言2021(下記参照)を行う等、本症の疾患啓発、周知、患者さんの支援を行ってきている。

〇中性脂肪学会宣言2021
2021年12月4日に開催した第4回学術集会(会長 国立循環器病研究センター 池田善彦)での議論を受けて、同月末に本学会として以下の内容を発表した。(https://www.youtube.com/watch?v=LcFoKWiZrzg)
2008年に我が国で発見された中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)は、細胞内中性脂肪分解障害を起因として心臓、血管、骨格筋、白血球、膵臓及び腎臓など全身組織、またそれらを構成する細胞に障害をもたらす生命予後に直結する中性脂肪代謝異常症である。その発症機構は不明、治療法は未確立、10年以上の長期の療養を要する難病である。TGCVについては、一流学術雑誌であるN Engl J Med、 Eur Heart J、Heart、Diabetes Care、J Clin Endocrinol Metab、JAMA Netw Open、J Atheroscler Thromb, Neuromuscl Disord、Int J Cardiol、Orphanet J Rare Dis、Kidney Int Rep、Pathol Int等に、各分野の専門家による客観的審査(Peer review)を受け掲載されている。 本邦における累積患者数は、2020年12月時点で336例で、そのうち58例は既に死亡している。さらに国立循環器病研究センターが中心になって実施した剖検心の病理学的解析から数万人規模の患者が潜在し未診断で死亡していると考えられる。第4回学術集会のTGCV患者会企画で発表があったように、TGCV患者は診断の遅れ、別診断、治療法がないことなどにより苦しんでおり、「指定難病化」による高額な医療費の助成を強く求めている。患者にとって「指定難病化」は喫緊の課題であり、その1年の遅延は患者にとっては取り返しのつかない大きな不利益となる。中性脂肪を名前に冠する学会は国内外を見ても当学会が唯一であり、発足当時から学会内外の各分野の専門医からなる診断基準委員会を作り議論を重ねてきた。本学会はTGCVの早期の指定難病化が必要であると考える。

〇中性脂肪の日 (毎年10月第3土曜日)
血中中性脂肪値は食事や生活習慣で変動しやすいため、食欲の秋の10月としました。10月はヒトの血中中性脂肪値が最も高いという研究結果(Heart 2014)によれば、年間を通じて、より中性脂肪を気にかける必要のある月です。また、10月は体育の日をはじめ、「健康強調月間」(健康保険組合連合会)、「体力つくり強調月間」(総務省)、「薬と健康の週間」(厚生労働省)など、官民一体となった健康啓発の月です。
中性脂肪はグリセロールに3つの脂肪酸が結合した構造を持ち、100万人規模で血中の中性脂肪値を調べた研究によると、1週間のうち血清中の中性脂肪の値が最も高いのは月曜日、最も低いのは金曜日と報告されています。また、土曜日から始まる週末の生活習慣が月曜日の中性脂肪の高値の原因ではないかとされています(J. Lipid Res. 2018)。
以上より、中性脂肪学会では、土曜日に中性脂肪値が上昇しないような生活習慣を意識することが必要と考え、「中性脂肪の日」を10月第3土曜日とし、当該日を一般社団法人日本記念日協会に認定登録をいただきました。

本件に関する問い合わせ先


一般社団法人中性脂肪学会 事務局
〒547-0024  大阪市平野区瓜破3-2-24
E-mail:office@tgbm.org
TEL:080-2527-7722 (学会事務局)
URL:https://tgbm.org 


https://prtimes.jp/a/?f=d47582-14-b4ebb253672b7c340bfc3edadbc25b46.pdf
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