美容・健康

肥満型で中性脂肪が高い遺伝子タイプが多い都道府県ランキング発表 1位 沖縄県、2位 佐賀県、3位 鹿児島県

株式会社ユーグレナ
縄文人由来の遺伝子多型を多く持つタイプが多い九州や東北が上位に

株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充)は、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとにした「肥満型で中性脂肪が高い遺伝子タイプが多い都道府県※1ランキング」を公開します。 ※1 出生地に関するアンケートから都道府県を出しています




 ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスは、個人の健康リスク・体質・祖先について350項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかについて結果を提供するサービスです。遺伝子解析項目は定期的に追加・更新され、2023年は、健康リスクでは「子宮筋腫」「緑内障」などの項目、体質では「睡眠中の歯ぎしり」「昼寝習慣」「眉毛の濃さ」「体毛の濃さ」「二重まぶた」などの項目の結果を新たに提供できるようになりました。なお、追加・更新された項目の結果を知るのに再度解析の必要はありません。提供する情報は無料でアップデートされます。

 ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスの利用者の中から20,000人以上のゲノムデータを用いて、これまで、さまざまな遺伝子タイプに関する都道府県ランキングを発表しています。今回は、ダイエットの観点から脂質代謝に関わる遺伝子の遺伝子多型と肥満傾向・体質の関係をみた項目「ダイエット【脂質代謝】(SNP:rs651821)」に注目し、解析しました。

■中性脂肪と肥満の関係
 中性脂肪は体内にある脂肪の一種です。摂取された食物の中で、エネルギーとして使われなかった糖質や脂肪は、大部分が皮下脂肪として蓄えられます。そのほとんどが中性脂肪です。
 中性脂肪(トリグリセリド)は全身の脂肪組織の主成分であり、エネルギーを貯蔵する役目を担っています。普段は肝臓・皮下・血液中に存在し、糖質が不足するなどした場合、必要に応じてエネルギー源として、また、生命維持のために消費、代謝されます。一方で、血液中の中性脂肪濃度が高いと、肥満症や脂肪肝になりやすいと言われています。

■遺伝子解析項目「ダイエット【脂質代謝】(SNP:rs651821)」について
 脂質代謝に関与することが知られている遺伝子に「APOA5(アポリポタンパク質A5)」があります。この項目「ダイエット【脂質代謝】(SNP:rs651821)」では、脂質代謝に関与する「APOA5」の遺伝子多型のひとつと、肥満・体質の傾向との関係を表示しています。SNP:rs651821には3つの遺伝子型があり、ユーグレナ社の遺伝子解析サービスでは、それぞれ「標準型に多いタイプ(遺伝子型:TT)」、「肥満型に多く血中脂質濃度が高いタイプ(遺伝子型:CT)」、「肥満型に多く血中脂質濃度が高いタイプ(遺伝子型:CC)」と表記しています。
 根拠としている論文においては、浙江大学の研究チームが、高グリセリド血症との研究が広く行われているAPOA5遺伝子に注目して、子どもの時期における肥満と関連があるのか調べました。700名以上の中国人の若者を対象に調査を行い、その結果、SNP:rs651821という遺伝子型において「C」を持っている人、つまり遺伝子型が「CT」と「CC」に該当する人の方が、肥満または過体重の傾向があり、血液中のHDL(善玉)以外のコレステロール濃度や中性脂肪(トリグリセリド)濃度も高い傾向がある中と分かりました。※2
※2 根拠とする文献は次の通りです。Zhu WF et al. (2014) "Triglyceride-raising APOA5 genetic variants are associated with obesity and non-HDL-C in Chinese children and adolescents." Lipids Health Dis. 13:93.

■調査結果
 今回の調査では、「肥満型に多く血中脂質濃度が高いタイプ」である「CT」と「CC」の遺伝子型を「肥満型で中性脂肪が高い遺伝子タイプ」とし、この遺伝子タイプに該当する人の割合を都道府県(出生地)別に算出し、数値化しました。
 上記の解析結果より、「肥満型で中性脂肪が高い遺伝子タイプ」の人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 沖縄県、2位 佐賀県、3位 鹿児島県、4位 秋田県、5位 島根県、6位 福島県、7位 宮城県、8位 山形県、9位 宮崎県、10位 新潟県となり、九州や東北各県が上位に入りました。

■縄文人由来の遺伝子多型を多く持つタイプが多い九州や東北各県が上位に
 東京大学の研究チームが2023年2月にアメリカの科学誌「アイサイエンス(iScience)」のオンライン版で発表した研究論文※3では、縄文人由来の遺伝子多型を多く持っている、つまり「縄文度」が高い地域として、一番高いのは沖縄県で、次いで東北各県や九州では鹿児島県、中国地方では島根県と報告されています。これは当社の今回の調査による「肥満型で中性脂肪が高い遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」の上位に入った地域と非常に似ていることが見て取れます。

 なお、縄文人由来の遺伝子多型である「血糖値および中性脂肪を高める」遺伝的因子は、現代の日本人にとっては肥満の要因となるものの、縄文人にとっては、血糖値や中性脂肪を高く維持することで常に食料を入手できるわけではない狩猟採集生活に適応していた可能性があると考えられています。
※3 参考にした文献は次の通りです。Watanabe, Yusuke, and Jun Ohashi. (2023) “Modern Japanese ancestry-derived variants reveal the formation process of the current Japanese regional gradations.” iScience. 3;26(3):106130

■日本人の約6割が「肥満型で中性脂肪が高い遺伝子タイプ」に該当
 今回の調査で遺伝子解析項目「ダイエット【脂質代謝】(SNP:rs651821)」に関して、日本人における遺伝子型の割合は、「標準型に多いタイプ(遺伝子型:TT)」が42.6%、「肥満型に多く血中脂質濃度が高いタイプ(遺伝子型:CT)」が45.6%、「肥満型に多く血中脂質濃度が高いタイプ(遺伝子型:CC)」が11.8%でした。つまり、日本人の約6割が「肥満型で中性脂肪が高い遺伝子タイプ」に該当することが分かりました。

 「ユーグレナ・マイヘルス」の遺伝子解析サービスと「ジーンクエストALL」には、遺伝子に注目したダイエットに関する項目として「基礎代謝」「食欲調節」「脂肪産生」「糖への応答」などがあります。ご自身のタイプが気になる方は、「遺伝子解析サービス」を試して健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。

■調査概要
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2023年9月
調査項目:ゲノムデータ「ダイエット【脂質代謝】(SNP:rs651821)」の項目について、「肥満型に多く血中脂質濃度が高いタイプ(遺伝子型:CT)」に該当する人と「肥満型に多く血中脂質濃度が高いタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を足して、都道府県ごとに算出

■「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」について
個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて350項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにあなたができることをチェックできます。また、体質や病気の発症は遺伝要因だけでなく、食生活や生活環境など環境要因も大きく影響を受けるため、自分の遺伝子情報を理解したうえで生活習慣を見直す際のヒントとなります。
https://myhealth.euglena.jp/products/gene_analysis/

<ユーグレナ・マイヘルスについて>
『ユーグレナ・マイヘルス』は、「科学(Science)」「信頼(Credible)」「パーソナル(Personal)」の3つを軸に展開するユーグレナ社の検査サービスブランドです。学術研究などに基づいた多様な検査サービスを通じて、お客様の健康リスクや体質、健康状態を把握していただいたうえで、一人ひとりに対応したヘルスケアソリューションの提供を目指しています。今後、複数のサービスを『ユーグレナ・マイヘルス』にて展開することで、ヘルスケアに関するビッグデータを1か所に集積し、中長期的には、そのビッグデータを活用した科学研究の推進を通じて、生命科学の発展とより付加価値の高いヘルスケアソリューションの提供を目指します。https://myhealth.euglena.jp/

<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。https://euglena.jp
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)