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コロナ禍の外出自粛により生活リズムが変化 (3万人規模の調査成果)

株式会社asken
食事管理アプリあすけんと早稲田大学の時間栄養学研究グループ

・新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛中の生活リズムの変化について調査を実施した。 ・外出自粛により、若者は平日も夜型化し、平日と休日の生活リズムの差(社会的時差ボケ)が解消されていた。 ・外出自粛中に朝型化した人は痩せ、夜型化した人は太ったことが明らかになった。


早稲田大学理工学術院の柴田 重信(しばた しげのぶ)教授および田原 優(たはら ゆう)准教授、株式会社asken(代表取締役社長:中島 洋、以下asken)らの研究グループは、askenが提供する食事管理アプリ「あすけん※1」の利用者に対し、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛中の生活リズムの変化についてアンケート調査を行い、約3万人から回答を得ました。

調査の結果、10代から30代の若者において、平日の寝る時間、起きる時間が遅くなり、生活リズムが夜型化したことにより、平日と休日の生活リズムの差(社会的時差ボケ)が大きく解消したことが明らかになりました。また、外出自粛中の体重変化と生活リズムの関係を調べたところ、平日・休日に関わらず、睡眠時刻が朝型化(早寝、早起き)した人は痩せ、夜型化(遅寝、遅起き)した人は太ったことが明らかになりました。

本結果は、コロナ禍の外出自粛により、学校や仕事に関する社会的制約(通学や通勤)の減少で若者の生活リズムが改善した貴重な社会実験データとなります。また、時間栄養学※2として、朝型化でダイエットに成功という新たなエビデンスが、3万人規模の調査で分かった初めての事例ともなりました。

本研究成果は、2020年8月29日(土)にオンライン開催された第7回日本時間栄養学会学術大会のワークショップ「個人ベースの時間栄養・運動」内で発表されました。

概要図
調査結果1(左図)「若者の夜型化と生活リズム改善(10代を例に)」
調査結果2(右図)「朝型シフトでダイエット成功」

(1)これまでの研究で分かっていたこと

身近な体内時計(概日時計※3)の乱れとして、「社会的時差ボケ」と呼ばれる、平日と休日の生活リズムの差が昨今問題視されています。特に夜型の若者で顕著に起こり、平日の社会生活(仕事や学校)による早起きと睡眠不足(睡眠負債※4)、休日の夜更かし、朝寝坊による夜型化が原因と考えられます。社会的時差ボケは、学業における成績の悪化や、肥満等の生活習慣病とも関連があると多々報告されてきました。今回のコロナ禍による外出自粛、テレワーク、オンライン授業などが、日本国民の生活リズム等にどのように影響を与えるのかは、これまでの報告を大規模に検証できる、大変興味深いテーマであると考えます。

一方で、本研究グループは、食のタイミングや内容を考える時間栄養学の研究を展開してきました。体内時計の乱れや朝食欠食、夜食などと肥満の関連がこれまでに明らかになっています。しかし、実際にどのような食べ方や生活をすれば、体重をコントロールできるのかはよく分かっていませんでした。今回の外出自粛により、普段の生活習慣が大きく変わった可能性があり、調査によって生活習慣と体重変化の関係を掴める可能性がありました。

(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと
本研究グループは、askenが提供する食事管理アプリ「あすけん」の利用者に対し、外出自粛中の生活リズムの変化についてアンケート調査を行いました。

アンケート実施期間:2020年5月25日~6月1日
調査方法:「あすけん」アプリ上で、アプリ利用者を対象にアンケート調査を実施
対象者:10代から70代までの男女
有効回答数:30,275人

調査結果1「若者の夜型化と生活リズム改善」
特に10代から30代の若者において、平日の寝る時間、起きる時間が遅くなり、生活リズムが夜型化していました(図1)。一方で休日は生活リズムに変化は見られませんでした。その結果、これまで問題視されていた平日と休日の生活リズムの差(社会的時差ボケ)が大きく解消されていることが分かりました。特に10代の若者では、外出自粛前に平均して1時間あった平日・休日の差が、平均20分まで短縮していました。また、睡眠時間も平日に全年齢で増加していました。一方で、睡眠の質が改善したと答えた人は全体の2割程度で、外出自粛による生活リズム改善が睡眠の質の改善には結びついていないことが分かりました。これは、外出自粛による精神的な苦痛やストレスが影響しているものと考えられます。

図1:外出自粛における生活リズムの変化
(A)平日の起床時刻の平均値を年齢ごとに算出し、外出自粛前後で比較したグラフ。特に若者で、外出自粛後に、平日の就寝・起床時刻が遅れていた(夜型化した)。
(B)平日と休日の生活リズムの差(社会的時差ボケ)の平均値を年齢ごとに算出し、外出自粛前後で比較したグラフ。特に若者で社会的時差ボケが減少していた。

調査結果2「朝型シフトでダイエット成功」
「あすけん」アプリ利用者の多くはダイエットを目的として利用しています。そこで外出自粛中の体重変化と生活リズムの関係を調べたところ、外出自粛により平日・休日に関わらず、睡眠時刻が朝型化(早寝、早起き)した人が痩せ、夜型化(遅寝、遅起き)した人が太ったことが明らかになりました(図2)。また、太った人は痩せた人に比べ、外出自粛中に活動量が低下し、ダイエットに挑戦しなかったと答えた人が多く、間食も増え、さらに睡眠の質も低下したと回答していました。睡眠不足や社会的時差ボケは、肥満の要因です。しかし今回の研究成果は、睡眠の長さや社会的時差ボケと体重変化の相関は見られず、体重が増加した人も減った人も睡眠時間が増加し、社会的時差ボケが減少していました。従って、睡眠不足や社会的時差ボケの解消というよりも、朝型―夜型の変化、それに伴う活動量、間食、睡眠の質の変化が、短期間の体重変化に繋がったと考えました。一方で年齢による差は特にありませんでした。

図2 外出自粛における体重変化と睡眠の関係
(A)外出自粛前後における休日の就寝時刻の変化と、外出自粛中の体重変化を比較したグラフ。体重減少した人は、朝型化し、体重増加した人は夜型化した傾向が見られた。
(B)自粛による睡眠の質の変化スコア(1:とても悪くなった、2:悪くなった、3:変わらない、4:良くなった、5:とても良くなった)の平均値と、自粛中の体重変化を比較したグラフ。体重増加した人の方が睡眠の質が悪化した傾向が見られた。

(3)研究の波及効果や社会的影響
社会的時差ボケは、特に夜型の若者で週末に夜更かしをし、朝寝坊することで起こりやすく、学校の成績や肥満、免疫機能低下などに影響することが分かっていました。近年、学校の始業時間を遅らせることで、子供の睡眠、生活の質等が改善する報告が相次いでいます。今回の外出自粛は、学校や仕事に関する社会的制約(通学や通勤)の減少で若者の生活リズムが改善した貴重な社会実験データであると考えます。

また、遅い夜食や夕食中心の生活が肥満に繋がることが多々報告されていますが、生活リズムの変化が実際にダイエットにどう影響するのかは明らかになっていませんでした。今回の研究結果は、コロナ禍の外出自粛という生活を見直す機会を経て、体内時計とダイエットとの相関関係について国民規模で明らかになった貴重な事例であると考えます。

(4)今後の課題
今後さらに「あすけん」アプリに記録された栄養摂取データを解析することで、どういった食べ方がダイエットに効果的か、体内時計や睡眠の観点から検討していきます。また、社会的時差ボケ軽減と他の精神衛生やパフォーマンスの関係も検討していきます。これらのデータを機械学習技術を取り入れながら解析することで、生活習慣や食生活からダイエットの成功率を予測したり、時間栄養学をベースにした、より効果的なダイエット方法を提示するようなアルゴリズムを構築できる可能性があります。

(5)研究者のコメント
朝型や夜型の指向性は、生活習慣や外的環境によっても、また遺伝的素因によっても影響を受けます。また、多くの研究で夜型は朝型よりも健康被害が大きい結果です。夜型の人は遅れやすい体内時計を持っており、朝型生活にトライしても気を抜くと夜更かし朝寝坊しがちです。今後、夜型が朝型に負けないような生活習慣の提案、サプリメント等を開発していきたいと思います。

(6)用語解説
※1 あすけん
簡単な食事記録でカロリー計算・体重管理ができるスマートフォンアプリ。AIを用いた解析技術により食事の画像でも分析・記録ができ、毎日の栄養摂取状況をグラフで可視化。その結果を元にAIが管理栄養士の監修した文章を組み合わせて、20万通りのアドバイスから選んで提示される。450万人のダウンロードを突破し、利用者は開始後3ヶ月程度で平均2.6kg以上、BMI25以上の方では4kg以上の減量効果が得られている。

※2 時間栄養学
食事は体内時計を調節する効果があることから、「いつ」「なにを」食べれば体内時計を健康に保つことができるのかを考える学問。また、夜食は太るといった、生体リズムに合った食生活を考える側面も時間栄養学として捉えることができる。

※3 概日時計
睡眠・覚醒、体温、ホルモン分泌など、生体の様々な機能に見られる昼夜差、日内変動を制御するシステム。ClockやPeriod2といった時計遺伝子が細胞内で働くことで、約24時間の時を刻むことができる。体内時計の乱れは、睡眠障害、肥満、糖尿病、循環器系疾患、寿命の低下など様々な健康被害に繋がる。

※4 睡眠負債
日々の睡眠不足が借金のように積み重なることを睡眠負債と呼ぶ。溜まった睡眠負債を、週末の寝溜めなどで解消することはできない。時差ボケと同様に、負債として蓄積することで、生活習慣病等のリスク因子となる。

(7)学会情報
学術大会名:第7回日本時間栄養学会学術大会 ※オンラインにて開催
演題名(講演者):ワークショップ「個人ベースの時間栄養・運動」
・食生活管理アプリ「あすけん」による個人ベースの栄養管理の取り組み(asken 道江美貴子)
・ヒト大規模データ、動物実験併用による時間健康科学への挑戦(早稲田大学 田原優)
発表日時:2020年8月29日(土)

(8)研究助成
研究費名:科学研究費 基盤研究(A)
研究課題名:ライフステージ別の体内時計応用の健康科学研究
研究代表者名(所属機関名):柴田重信(早稲田大学)

研究費名:公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター パブリックヘルス科学研究助成金
研究課題名:時間栄養学による睡眠、ストレス改善効果の検討
研究代表者名(所属機関名):田原優(早稲田大学)

【発信元】
早稲田大学広報室広報課
Tel:03-3202-5454 E-mail:koho@list.waseda.jp

株式会社asken
Tel:03-3379-1213 E-mail: grp_asken_pr@asken.inc
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