医療・医薬・福祉

アストラゼネカのイミフィンジ、切除不能なステージIII非小細胞肺がんにおいて顕著な生存率を示し、4年後まで生存している患者さんは約50%におよぶ

アストラゼネカ株式会社
欧州臨床腫瘍学会(ESMO)にて第III相PACIFIC試験データが発表され、イミフィンジ投与群の非小細胞肺がん患者さんの約35%が4年経過した時点においても、病勢進行していないことが示された。 ESMOにて発表された第III相CASPIAN試験データにおいても、進展型小細胞肺がん患者さんの一部で長期的なベネフィットが明らかに。


本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年9月18日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、9月18日、第III相PACIFIC試験の最新データから、イミフィンジ(R)(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え]、以下、イミフィンジ)が、同時化学放射線療法(CRT)後にがんが進行しなかった切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)の患者さんにおいて、持続的で臨床的に意義のある全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を示したことを発表しました。

NSCLC患者さんの3人に1人は、腫瘍の大半が切除不能(手術により腫瘍を切除しきれない)であるステージIIIと診断されます(1,2)。しかし、このような患者さんに対してイミフィンジが承認される以前は、過去数十年間、CRT以外の新たな治療法はありませんでした(3,4,5)。

最新の事後解析の結果から、CRT後の患者さんの4年生存率の推定値は、イミフィンジ投与群で49.6%、プラセボ投与群で36.3%であったことが示され、OSの中央値は、イミフィンジ投与群で47.5カ月、プラセボ投与群では29.1カ月でした。また、最長1年間の治療を受けた患者さんにおいて、試験開始から4年間がんが進行しなかった患者さんの割合はイミフィンジ投与群で35.3%、一方でプラセボ投与群で19.5%でした。The New England Journal of Medicine ( https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1809697?query=featured_home )に2018年から掲載されてきたPACIFIC試験データは、主要評価項目であるOSにおいてイミフィンジの優位な有効性を示しています(6)。

第III相PACIFIC試験の治験責任医師であり、マンチェスター大学教授でChristie NHS Foundation TrustのCorinne Faivre-Finn氏は次のように述べています。「これまで切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん患者さんの5年生存率はわずか15~30%であり、その患者さんの多くが最終的には進行し転移していました。今回のデータでは、イミフィンジを投与された患者さんの約半数が4年を経過した時点においても生存しており、加えて35%の患者さんに病勢進行が認められませんでした。これらの結果は、根治を目的とした切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん治療における著しい進歩と言えます」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。「イミフィンジが示した4年生存における顕著な結果は、切除不能なステージIIIの非小細胞肺がんの確立された標準治療としてのイミフィンジのポジションをさらに確固たるものとし、根治を目的とした治療における生存期間の新たなベンチマークとなりました。ESMOで発表した小細胞肺がん患者さんを対象としたCASPIAN試験のデータからも分かるように、イミフィンジは様々な種類の肺がんに対して優れた長期的なベネフィットをもたらしています」。

第III相PACIFIC試験のOS主要解析において、プラセボ投与群との比較でイミフィンジ投与群にみられた主な(発現率20%以上の)有害事象は、咳嗽(イミフィンジ投与群35.2%対プラセボ投与群25.2%、以下同様)、倦怠感(24.0%対20.5%)、呼吸困難(22.3%対23.9%)および放射線肺臓炎(20.2%対15.8%)でした。CTCAEグレード3または4の有害事象の発現率は、イミフィンジ投与群で30.5%、プラセボ投与群で26.1%でした。また有害事象により治療を中止した割合は、イミフィンジ投与群で15.4%、プラセボ投与群で9.8%でした。

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル会議2020で発表された進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)における第III相CASPIAN試験の探索的サブグループ解析結果
長期的な有効性を示す患者さんの特性を明らかにするべく、イミフィンジの第III相CASPIAN試験結果から新たな探索的サブグループ解析を実施しました。化学療法単独群と比較して、イミフィンジと化学療法の併用療法群では、1年以上がんが進行しなかった(PFS≧12カ月)患者さんの割合は3倍以上の差がありました(イミフィンジと化学療法の併用療法群17%対化学療法単独群4.5%)。また、いずれの治療群においても1年経過時点で病勢進行が認められなかった患者さんのうち、75%の患者さんが2年経過した時点で生存していました。その一方で、1年未満で病勢進行が認められた(PFS <12カ月)患者さんにおける2年時点での生存割合は10%でした。なお、長期的な有効性を示す患者さんの臨床的な特徴を特定することができませんでした。

PFSが12カ月以上の患者さんは、PFSが12カ月未満の患者さんと比較して、イミフィンジ治療のサイクル数が多くなっていました(中央値:25サイクル対7サイクル)。イミフィンジへの曝露量が多い患者さんでは、免疫介在性の有害事象の発現率が数値的に高いものの、重度の有害事象、重篤な有害事象および投与中止に至った有害事象の発現率は曝露量に関わらず同程度でした。

CASPIAN試験は2019年に主要評価項目であるOSを達成し、イミフィンジと化学療法の併用療法は、化学療法単独療法との比較で、ES-SCLC患者さんの死亡リスクを27%低下させました。イミフィンジと化学療法の併用療法の安全性および忍容性は、これらの医薬品の既知の安全性プロファイルと一致していました。これらの結果は、2019年にLancet ( https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2819%2932222-6/fulltext )誌に発表され、世界各国における薬事承認の根拠となっています(7)。

第III相PACIFIC試験と第III相CASPIAN試験の結果は、9月19日~21日に開催されたESMOバーチャル会議2020で発表されました。

以上

*****

肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています(8)。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、肺がん患者さんの約85%がNSCLC、15%がSCLCに分類されます(9)。

ステージIIIの非小細胞肺がん(局所進行性)は、一般的に、局所的にどの程度がんが拡がっているか、および手術の可否によって定義される3つのサブカテゴリー(IIIA、IIIBおよびIIIC)に分類されます(10)。ステージIIIの病変は、がんが拡がっている(転移している)ステージIVの病変とは異なるため、ステージIIIの患者さんの大半は根治目的の治療を行います(10,11)。2015年には、ステージIIIの非小細胞肺がんについては、中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、英国、米国の主要8カ国で20万人近くの患者さんが罹患し、米国だけでも患者数約43,000名と推定されました(2)。

小細胞肺がん(SCLC)は、一般的には化学療法で奏効が認められたとしても再発し、急速に進行する、悪性度が高く増殖の速いがんです(12,13)。SCLC患者さんの約3分の2は、がんが肺の大部分または体の他の部位に広範囲に拡がっている進展型と診断されます(14)。SCLC患者さんの5年生存率はわずか6%であり、予後は特に不良です(14)。

PACIFIC試験について
PACIFIC試験は、PD-L1の状態にかかわらず、白金製剤を用いた同時化学放射線療法後に増悪が認められなかった切除不能局所進行(ステージIII)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象にイミフィンジを投与した、無作為化二重盲検プラセボ対照多施設国際共同試験です。
本試験は、713名の患者さんを対象に、26カ国235施設で実施されました。主要評価項目はPFSおよびOSであり、副次評価項目はランドマークPFSおよびOS、客観的奏効率および奏効期間が含まれました。

CASPIAN試験について
CASPIAN試験は、ES-SCLC患者さん805名が参加し、その一次治療を対象とした、無作為化非盲検国際多施設共同第III相試験です。本試験では、イミフィンジと化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)の併用療法、またはイミフィンジと化学療法に免疫チェックポイント阻害剤であるトレメリムマブを追加した併用療法と、化学療法を比較しました。イミフィンジを投与している2つの群においては化学療法を最長4サイクル実施しました。化学療法群においては最長6サイクルの化学療法および予防的頭蓋内照射の実施が認められていました。

本試験は、米国、欧州、南米、アジア、中東の23カ国200以上の施設で実施され、イミフィンジを投与しているどちらの群においてもOSを主要評価項目としました。2019年6月、CASPIAN試験は計画された中間解析で、イミフィンジと化学療法の併用療法において、全生存期間(OS)の延長を示し、主要評価項目の1つを達成しました。なお、2020年3月の解析において、2つ目の治験薬群であるイミフィンジとトレメリムマブとの併用療法群では、OSの主要評価項目を達成しませんでした。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ [遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第III相PACIFIC試験に基づき、切除不能なステージIIIの非小細胞肺がんにおける化学放射線療法後の根治を目的とした治療薬として、米国、日本、中国、欧州諸国をはじめ、多くの国々で承認されています。また、ES-SCLCの治療薬としても、米国、欧州、日本およびその他数か国で承認されています。さらに、前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国を含む複数の国で承認されています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、NSCLC、SCLC、膀胱がん、頭頸部がん、肝がん、胆道がん、子宮頸がん、子宮内膜がんおよび他の固形腫瘍患者さんの治療薬として、単剤療法、および抗CTLA4モノクローナル抗体で新薬候補のトレメリムマブなどとの併用療法においても検討されています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、さまざまな病期における異なる組織型の肺がん、治療法、作用機序に対して、承認済みおよび後期臨床開発段階の新薬候補を含め、包括的なポートフォリオを有しています。

また、当社の広範ながん免疫療法の開発プログラムは、すべての肺がん患者さんの4分の3にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています(15)。免疫治療ポートフォリオには、PD-L1抗体であるイミフィンジ単剤療法、およびトレメリムマブおよび/または化学療法との併用療法が含まれ、病勢進行が認められた患者さんを対象とした第III相試験(POSEIDONおよびPEARL)、治癒の可能性がある初期段階の患者さんを対象とした第III相試験(MERMAID-1、AEGEAN、ADJUVANT BR.31、PACIFIC-2、PACIFIC-4、およびADRIATIC)が現在進行中です。

さらに、イミフィンジは、まだ開発パイプラインの初期段階にある新薬候補との併用療法を評価する第II相併用投与試験(NeoCOAST、COASTおよびHUDSON)においても検討されています。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
免疫腫瘍学(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療によって支えられています。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法に対しては、様々ながん腫、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。2014年から2020年までの期間に7つの新薬発売を予定し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

※References
※以下よりプレスリリースをダウンロードいただき、ご覧ください。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2020092515-22065894a5295f3b0a6d070c2cdddac1.pdf
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)