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ノバルティス、ジャカビ(R)がステロイド抵抗性/依存性の慢性移植片対宿主病患者のアウトカムを有意に改善したことを示すREACH3試験の結果を発表

ノバルティス ファーマ株式会社

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2020年12月4日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。

REACH3試験の結果、ジャカビ(R)(ルキソリチニブ)は治療成功生存期間(FFS)および患者報告による慢性移植片対宿主病(GVHD)症状の有意な改善を示した[1]
慢性GVHDは造血幹細胞移植の重篤な合併症であり、患者の約半数はステロイド抵抗性/依存性となる[2],[3]
第62回米国血液学会議(ASH2020)で発表された同試験の結果は、すでに急性GVHDにおいて報告されているジャカビ(R)の良好な結果を支持しており、データは米国外の規制当局に提出される予定[4]


2020124日、スイス・バーゼル発-ピボタル第III相REACH3試験の結果、ステロイド抵抗性/依存性の慢性GVHD患者において、ジャカビ(R)(ルキソリチニブ)が現状で利用可能な最良の治療(BAT)に比べ、多様な有効性評価指標でアウトカムを有意に改善したことを示しました[1]。慢性GVHDで主要評価項目を達成した初の無作為化第III相試験であるREACH3の結果は、本日、第62回米国血液学会議(ASH2020)で発表されました。REACH3試験はノバルティスとインサイト社が共同で実施しています。

フライブルク大学病院血液・腫瘍・幹細胞移植科(ドイツ、フライブルク)のRobert Zeiser医師は「造血幹細胞移植後の慢性GVHDによる障害や、ときに致命的な影響は、治療上の重大な課題となっています。特に、ステロイド療法で十分な効果を示さない約半数の患者さんにとっては深刻です」と述べています。また「今回のREACH3試験の結果は、対象となる患者さんにとってジャカビが新たな標準治療となる可能性を示しています」と述べました。

REACH3試験では、投与24週時の全奏効率(ORR)が、ジャカビを投与した患者さんにおいてBATによる治療を受けた患者さんよりも有意に高く、試験の主要評価項目を達成しました(49.7% vs. 25.6%、p<0.0001i)[1]。また、ジャカビは、主要な副次的評価項目においても、統計学的に有意で臨床上意味のある改善を示しました。

ジャカビを投与した患者さんでは、BATによる治療を受けた患者さんよりも、治療成功生存期間(FFS:原疾患の再発、慢性GVHDに対する新たな全身治療の開始、または死亡までの期間として定義)の有意な延長が認められました(FFSの中央値は未到達 vs. 5.7カ月、ハザード比:0.370、95% CI:0.268~0.510、p<0.0001)[1]。
また、ジャカビを投与した患者さんでは、BATによる治療を受けた患者さんよりも、患者報告による症状の改善が確認されています(24.2% vs. 11.0%、p=0.0011)。これらの結果は、修正版Lee症状スコア(mLSS)[1]の合計(TSS)が、ベースラインより7ポイント以上の低下を示した患者さんの割合によって測定しました。
さらに、ジャカビ群では、患者さんの76.4%において最良総合効果(BOR)が達成されました。これに対し、BAT群では60.4%でした(OR:2.17、95% CI:1.34~3.52)。奏効期間の中央値は、BAT群では6.24カ月でしたが、ジャカビ群では中央値に到達しませんでした[1]。


ノバルティス血液腫瘍開発部門主任のデビッド・フェルトクワット(David Feltquate)は「今回、慢性GVHD患者さんに対して得られた良好な試験結果は、これまで急性GVHD患者さんを対象とした試験で得られてきた良好な所見を補完するものでありジャカビが、この難治性の病態に直面している患者さんのアウトカム改善に貢献できることを明確に示しています」と述べ、「ジャカビは、ステロイド抵抗性/依存性の慢性GVHDを対象とした大規模な無作為化試験において有効性を示した初めての治療です。このデータを基に私たちは規制当局との協議を進めていけると期待しています」と続けました。

REACH3試験では新たな安全性上の懸念は認められず、治療に起因する有害事象(AE)はジャカビですでに確認されている安全性プロファイルと一致していました。ジャカビ群で多く認められた有害事象をBAT群と比較すると、貧血(29.1% vs. 12.7%)、血小板減少症(21.2% vs. 14.6%)、高血圧(15.8% vs. 12.7%)、発熱(15.8% vs. 9.5%)でした。ジャカビ群の37.6%、BAT群の16.5%で用量調節が必要でしたが、AEを原因として投与を中止した患者さんは少数でした(16.4% vs. 7.0%)。死亡率は投与群間で同程度であり(19% vs. 16%),慢性GVHDに起因する死亡は、BAT群に比べジャカビ群でわずかに高いことが示されました[1]。

同種造血幹細胞移植後によく認められ、生命を脅かす可能性のある合併症であるGVHDは、ドナー由来の細胞が移植患者さんの正常細胞を異物とみなして攻撃する反応により起こります[2]。GVHDには主な2つの病型として、移植後主に100日以内に発現する急性GVHD、および移植後100日を過ぎてから発現する慢性GVHDがあります[2]。同種造血幹細胞移植後に約50%の患者さんが、急性または慢性GVHD、もしくはその両方を経験します[3]。慢性GVHDの症状は、皮膚、消化管、肝臓、口腔、肺、関節等に影響を及ぼします[5]。GVHDに対する初期のステロイド療法に奏効しない患者さんやステロイド抵抗性と考えられる患者さんには、追加の治療選択肢が必要になります[3]。

2019年、米国食品医薬品局(FDA)は、単群の第II相REACH1試験[6]の結果に基づき、成人および12歳以上の小児患者さんにおけるステロイド抵抗性急性GVHDの治療薬としてルキソリチニブ(米国ではインサイト社がJakafi(R)として販売)を承認しました。REACH3試験(NCT03112603)は、同種造血幹細胞移植後におけるステロイド抵抗性またはステロイド依存性の慢性GVHD患者さんを対象としてジャカビをBATと比較した、第III相、無作為化、非盲検、国際多施設共同試験です[7]。これらのデータに基づき、2021年の前半には、欧州および米国以外の国々でステロイド抵抗性/依存性GVHDに対する承認申請を行う予定です。

ノバルティスでは、血液学領域における治療に未来を描くため、大胆なアプローチを続けています。ノバルティスの取り組みや、ASH 2020のバーチャル学会、データ発表へのアクセス(登録参加者向け)を含め、最新情報はhttps://www.virtualcongress.novartis.com/ash20をご覧ください。

ジャカビ(R)について
「ジャカビ」は、JAK1およびJAK2チロシンキナーゼの経口阻害剤です。「ジャカビ」は、欧州委員会により、ヒドロキシカルバミドに抵抗性または不耐容である真性多血症(PV)の成人患者さんの治療、原発性骨髄線維症(慢性突発性骨髄線維症)、真性多血症後の骨髄線維症または本態性血小板血症後の骨髄線維症(MF)の成人患者さんにおける脾腫または諸症状の治療薬として承認されました。「ジャカビ」は、欧州連合、スイス、カナダ、日本を含む100カ国以上でMFの治療薬として、また、欧州連合、スイス、日本、カナダを含む85カ国以上でPVの治療薬として承認されています。日本では、2011年9月に骨髄線維症を予定される効果・効能として厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受け、2014年7月に骨髄線維症の治療薬として承認を取得しています。また、2015年9月には、真性多血症(既存治療が効果不十分または不適当な場合に限る)を効果・効能として、承認を取得しました。「ジャカビ」の正確な適応症は各国により異なり、その他の国においても、骨髄線維症および真性多血症の治療薬として世界各国で承認申請が進められています。

ノバルティスは、ルキソリチニブについて、インサイト社から米国外での開発と商業化のライセンスを取得しています。ルキソリチニブは、米国ではJakafi(R)という製品名で、ヒドロキシカルバミドが効果不十分であるか、もしくはヒドロキシカルバミドに不耐容である真性多血症患者さんの治療薬のほか、中リスクから高リスクの骨髄線維症患者さんの治療薬、成人および12歳以上の小児患者さんにおけるステロイド抵抗性急性GVHDの治療薬として、インサイト社が販売しています6。

真性多血症に対する「ジャカビ」の推奨開始用量は、10 mgの1日2回経口投与です。骨髄線維症に対する推奨開始用量は、血小板数が100,000/mmから200,000/mmの患者さんに対しては「ジャカビ」15mgの1日2回経口投与、血小板数が200,000/mmを上回る患者さんに対しては20mgの1日2回投与です。用量は、安全性と有効性に基づいて調整します。血小板数が50,000/mmから100,000/mmのMF患者さんやPV患者さんに対する推奨開始用量については、ごく限られた情報しかありません。このような患者さんに対する最大推奨開始用量は5mgの1日2回投与であり、慎重に調整していく必要があります6。
「ジャカビ」は米国外の国ではノバルティス社の登録商標です。Jakafi(R)はインサイト社の登録商標です。承認されている適応症以外では、「ジャカビ」の安全性と有効性のプロファイルは確立されていません。


免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。


ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約11万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は145カ国に及びます。
詳細はホームページをご覧ください。 https://www.novartis.com                                    以上

i.中間解析で有意であったため,主要解析のORRでは記述的P値を示した(P = 0.0003)

参考文献


Zeiser R, M.D., et al., Ruxolitinib vs Best Available Therapy in Patients With Steroid-Refractory/Steroid-Dependent Chronic Graft-vs-Host Disease: Primary Findings From the Phase 3, Randomized REACH3 Study. Oral presentation at: ASH Annual Meeting; Dec. 4, 2020.
Ferrara JL., et al. Graft-versus-host disease. Lancet. 2009;373(9674):1550-1561.
Jaglowski SM, et al. Graft-versus-Host Disease: Why Haven’t We Made More Progress? Curr Opin Hematol. 2014;21(2):141-147
Zeiser R, M.D., et al. Ruxolitinib for Glucocorticoid-Refractory Acute Graft-versus-Host Disease. New England Journal of Medicine. 2020;382:1800-1810
Jagasia MH, et al. National Institutes of Health Consensus Development Project on Criteria for Clinical Trials in Chronic Graft-versus-Host Disease: I. The 2014 Diagnosis and Staging Working Group report. Biol Blood Marrow Transplant. 2015.
Jakavi(R) (ruxolitinib) tablets: EU Summary of Product Characteristics. Novartis; May 2020.
“A Study of Ruxolitinib vs Best Available Therapy (BAT) in Patients with Steroid-Refractory Chronic Graft vs. Host Disease (GvHD) After Bone Marrow Transplantation (REACH3).” ClinicalTrials.gov, 2017, clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03112603.

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