医療・医薬・福祉

アストラゼネカのカルケンス(R)、日本において再発/難治性慢性リンパ性白血病の治療薬として承認取得

アストラゼネカ株式会社
12カ月後も病勢進行が認められなかった患者さんはカルケンス投与群の88%に対し、比較対照群は68%


アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下「アストラゼネカ」)は、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるカルケンス(R)(一般名:アカラブルチニブ、以下、カルケンス)について、2021年1月22日付で、「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果として、厚生労働省より承認を取得いたしましたのでお知らせいたします。

今回の厚生労働省による承認は、国内第I相試験および国際共同第III相試験(ASCEND試験)の中間解析の良好な結果に基づいています。ASCEND試験の中間解析では、カルケンス単剤療法群は、リツキシマブと治験担当医師の選択によるidelalisibまたはベンダムスチンの併用療法群と比較して、無増悪生存期間(PFS)において統計的に有意で臨床的に意義のある改善が示されました。カルケンスは、病勢進行または死亡のリスクを69%減少させました(ハザード比:0.31、95%信頼区間:0.20-0.49、p <0.0001)。なお、これらの結果はJournal of Clinical Oncology( https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.19.03355 )(2020年1月)で発表されています(1)。

慢性リンパ性白血病(CLL)は欧米では最も患者数が多い白血病となりますが、日本および東アジアでは稀な疾患と見なされており、白血病と診断された患者さんの1~2%を占める程度です(2-4)。

公益財団法人がん研究会 がん研有明病院 血液腫瘍科 部長である丸山 大医師は次のように述べています。「ASCEND試験において、カルケンスが現在の標準治療と比較して無増悪生存期間を有意に改善することが示され、新たな治療薬として承認されたことは、日本のCLL患者さんにとって大きな進歩と言えます。長年にわたり継続的な治療を必要とすることが多いCLL患者さんにとって、安全性と忍容性が確認されたレジメンによる治療は最も重要な課題のひとつとなっています」。

アストラゼネカの執行役員 研究開発本部長の大津 智子は次のように述べています。「日本におけるCLL有病率は他の地域に比べると低いですが、これらの患者さんに革新的な治療選択肢を提供することは、やはり重要です。今回のカルケンスの承認は、日本の患者さんに、有効性を損なわずにQOLを改善する可能性のある、化学療法を含まない、忍容性の確認された新たな治療選択肢を提供します」。

第III相ASCEND試験では、カルケンスを投与した再発/難治性CLL患者さんの推定88%が12カ月後に生存および病勢進行が認められなかったのに対し、対照群であるリツキシマブとidelalisibまたはベンダムスチンの併用投与を受けた患者さんにおいては68%でした。また、16.1カ月(中央値)の追跡調査において、対照群は16.5カ月のPFSであったのに対して、カルケンス単剤療法群は有意に改善しました(1)。



以上

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慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLは成人白血病において欧米では最も患者数が多く、2016年には世界で新たに105,000例が診断されており、治療の発展による生存期間の伸長に伴い患者数は増加するとみられています(5,6,7,8)。CLLでは、骨髄中の造血幹細胞が過剰に異常なリンパ球となり、これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られています。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります(4)。BTKを介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLの基本的な増殖経路の一つです。

ASCEND試験について
ASCEND試験(ACE-CL-309)は、再発または難治性CLL患者さんを対象に、カルケンスの有効性を検討した無作為化多施設非盲検国際共同第III相試験です。本試験では、310例の患者さんを2群に無作為割付け(1:1)しました。1群目の患者さんには、カルケンス単剤療法(病勢進行または許容できない毒性が現れるまで100mgを1日2回投与)を行いました。2群目の患者さんには、治験担当医師の選択により、CD20モノクローナル抗体であるリツキシマブとPI3K阻害薬であるidelalisibとの併用療法、またはリツキシマブと化学療法であるベンダムスチンとの併用療法のいずれかを行いました(1)。

主要評価項目は独立判定委員会(IRC)の評価によるPFS、副次評価項目は治験担当医師の評価によるPFS、IRCおよび治験担当医師の評価による全奏効率および奏効期間、ならびに全生存期間、患者さんが報告したアウトカム、および次治療までの期間でした(1)。ASCEND試験は、再発または難治性CLL患者さんを対象に、BTK阻害薬について、単剤療法とこれらの併用療法を直接比較した初の第III相無作為化試験です。

カルケンスについて
カルケンス(アカラブルチニブ)は、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します(9,10)。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています(9)。

カルケンスは米国でCLLおよび小リンパ球性リンパ腫の治療薬として、EUをはじめとする複数の国々でCLLの治療薬として承認されています。加えて、米国をはじめとする複数の国々で、少なくとも1回の前治療歴のあるマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者さんの治療薬として承認されています。米国でのMCLに対する適応は、全奏効率に基づいた迅速承認取得を受けて承認されています。本適応症に対する継続的な承認は、確認試験による臨床的ベネフィットの検証および説明が条件となる可能性があります。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、アストラゼネカとAcerta Pharmaでは、カルケンスについて、20を超える臨床試験を実施しています。カルケンスは、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、WM、濾胞性リンパ腫、およびその他の血液悪性腫瘍を含む複数のB細胞性の血液がんの治療薬として開発中です。

アストラゼネカにおける血液がん領域について
がん領域における強みを活かし、アストラゼネカは血液がんを4つの重点がん疾患領域のひとつとして確立しました。当社の血液がんフランチャイズは米国FDAにより承認された2つの治療薬と血液がん治療薬候補の広範なポートフォリオのための強固なグローバル開発プログラムを有しています。Acerta Pharmaはアストラゼネカの血液がん領域における中核的研究開発拠点としての役割を果たしています。アストラゼネカはアンメットニーズに応えるために治療薬の創薬および開発を進展させるため、志を同じくするサイエンス志向の企業と提携しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。2014年から2020年までの期間に7つの新薬の販売を開始し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体、エピジェネティクスおよび細胞療法の6つの科学的基盤を強化し、個別化併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。

References
1. Ghia P, et al. ASCEND: Phase III, Randomized Trial of Acalabrutinib Versus Idelalisib Plus Rituximab or Bendamustine Plus Rituximab in Relapsed or Refractory Chronic Lymphocytic Leukemia [published online ahead of print, 2020 May 27]. J Clin Oncol. 2020; JCO1903355. doi:10.1200/JCO.19.03355.
2. Mahlich J, Okamoto S, Tsubota A. Cost of Illness of Japanese Patients with Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL), and Budget Impact of the Market Introduction of Ibrutinib. Pharmacoecon Open. 2017;1(3):195-202. doi:10.1007/s41669-017-0024-5.
3. National Cancer Institute Cancer Information Service. Chronic Lymphocytic Leukemia/Small Lymphocytic Lymphoma. Available at: https://ganjoho.jp/public/cancer/CLL/index.html Accessed November 2020.
4. Takizawa J, et al. Comparative Analysis of Japanese and European Typical CLL Patients. Blood. 02 December 2016;128(22):5564.
5. American Cancer Society. What is Chronic Lymphocytic Leukemia? Available at https://www.cancer.org/cancer/chronic-lymphocytic-leukemia/about/what-is-cll.html Accessed August 2020.
6. National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment (PDQ(R))–Patient Version. Available at https://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/cll-treatment-pdq Accessed August 2020.
7. Global Burden of Disease Cancer Collaboration. Global, Regional, and National Cancer Incidence, Mortality, Years of Life Lost, Years Lived With Disability, and Disability-Adjusted Life-Years for 29 Cancer Groups, 1990 to 2016. JAMA Oncol. 2018;4(11):1553-1568.
8. Jain N, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126:871.
9. Calquence(R) (acalabrutinib) [prescribing information]. Wilmington, DE; AstraZeneca Pharmaceuticals LP; 2019.
10. Wu J, Zhang M & Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).


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