医療・医薬・福祉

ワクチン接種 認知症の人への見落としてはいけない対策~接種希望6割でも特有のハードルが存在~

株式会社インターネットインフィニティー
―ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNRメディカル』第23回―(朝日新聞社運営ウェブメディア「なかまぁる」との共同調査)

全国のケアマネジャー9万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一)は朝日新聞社が運営するウェブメディア「なかまぁる」(https://nakamaaru.asahi.com/)と共同で認知症の人の新型コロナワクチン接種意向に関するアンケートを実施しました。





■調査概要
1.「ケアマネジメント・オンライン」会員向けアンケート
調査期間:2021年2月1日~2021年2月12日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所に勤務)
調査サンプル数:243名
調査方法:WEBアンケート

2.「なかまぁる」読者向けアンケート
調査期間:2021年2月9日~2021年2月21日
調査パネル:「なかまぁる」読者
調査サンプル数:333名
調査方法:WEBアンケート

■調査結果(サマリー)
国内でも、2月17日から医療従事者向けの新型コロナウイルスワクチンの優先接種が始まりました。4月以降に予定されている高齢者への接種に向けても、急ピッチで様々な準備が進められています。

「ケアマネジメント・オンライン」と「なかまぁる」編集部はこのたび、認知症当事者とその家族、認知症のある要介護高齢者を担当するケアマネジャーらの協力を得て、認知症の人の新型コロナウイルスに対するワクチン接種意向についてWEBアンケートを実施し、計576人から回答を得ました。本プレスリリースでは、多くの回答を得られたケアマネジャーと、認知症当事者の家族からの回答に絞って結果の概要を公表します。

新型コロナウイルスワクチンを「打つ」という接種意向のある認知症の人は全体の58.6%、「まだ分からない」が24.6%、「打たない」が16.8%であるという結果となりました。ワクチン接種に消極的な人の理由としては、「ワクチンの安全性(副作用)が心配」や「効果があるか分からない」という回答がともに7割を超えていることが明らかになりました。

また、認知症のある要介護高齢者がワクチン接種を受ける際に特に必要としている支援は、「接種施設スタッフの理解や配慮」、「接種施設にいる他の高齢者の理解や配慮」、「接種に際する受付や予診など」といったものであることが分かりました。認知症の方へのワクチン接種をスムーズに進める上では、自宅から接種施設までの移動だけでなく、接種施設内での対応も検討する必要があると考えられます。個人や家族の努力に任せるだけではなく、社会全体としてサポート環境を整えることが望まれます。

■調査結果
本調査は、「ケアマネジメント・オンライン」と朝日新聞社が運営する認知症に特化したウェブメディア「なかまぁる」が共同で企画し質問内容を設計しました。「ケアマネジメント・オンライン」会員向け調査では、2021年2月1日から12日に、全国のケアマネジャー(243人)の協力のもと、729人の要介護高齢者を対象に聞き取り調査を実施しました。「なかまぁる」読者向け調査では2021年2月9日から21日まで、認知症当事者とその家族、支援者らを対象にインターネットアンケートを実施し、計333人から回答を得ました。
ここからは、ケアマネジャー、認知症当事者の家族から得られた回答に絞ったうえで、具体的な質問項目に沿って、主な結果をご紹介します。


◆新型コロナウイルスのワクチンを打ちますか?
認知症当事者で、ワクチンを打つ意向の人は半数を超えていることが分かりました。一方で、明確に「打たない」と決めている人も2割近くにのぼります


◆ワクチンを打つ理由は?
ワクチンの接種について「打たない」「まだ分からない」と答えた方で、理由として最も多く選ばれたのは「ワクチンの安全性が心配だから(91.1%)」、次いで「効果があるか分からないから(77.2%)」という結果でした。


◆何があれば、ワクチンを打ちますか?
現時点で、ワクチンを「打たない」「まだ分からない」と言っている方の家族に、何があれば認知症の方がワクチンを打つと思うか尋ねると、約9割が「国内で接種者が増えたら(90.1%)」「家族や身近な人が接種したら(90.1%)」と回答しました。「報酬、褒賞、サービスの需給など、経済的インセンティブ(2.0%)」と回答した方は僅かでした。

この2つの質問への回答結果から、ワクチン接種の意義について理解を深めるための、さらなる情報提供が求められていると考えられます。


◆ワクチン接種を勧めますか?
次に、認知症の方の身近で、その生活を支えている家族やケアマネジャーが、認知症の方にワクチン接種を勧めるかどうかを見てみます。

ワクチンを「打たない」「まだ分からない」と答えている方の家族とケアマネジャーのうち、接種を勧めるという家族は25.2%でした。ケアマネジャーでは43.0%でした。

より多くの認知症の方へのワクチン接種を勧めていくには、家族に頼るだけでは不十分であり、家族以外の介護従事者や医療従事者ら専門職からの働きかけが必要だと考えられます。その中の一つとして、ケアマネジャーからの接種勧奨も有効な手段だと言えそうです。


◆ワクチン接種に必要な支援
ここからは、ワクチン接種を希望している認知症の方が、滞りなく接種を受けるために必要な支援について見ていきます。

ケアマネジャーを対象とするアンケート結果から、認知症のある要介護高齢者と認知症でない要介護高齢者では、ワクチン接種に際して必要な支援に違いがあることが明らかになりました。
両者を比較すると認知症のある要介護高齢者は「接種施設スタッフの理解や配慮(認知症でない要介護高齢者の2.1倍)」、「接種施設にいる他の高齢者の理解や配慮(同1.9倍)」、「接種に際する受付や予診など(同1.2倍)」といった項目で、特に支援を必要としていることが分かりました。
ワクチン接種に際する高齢者の移動困難については、多くの自治体で対応が検討されてきていますが、認知症の方のワクチン接種を進める上では、接種施設内での配慮も注意して検討する必要がありそうです。

◆考察
ワクチンを「打たない」「まだ分からない」と答えている消極的な人に対しては、接種意向を高めるための何らかの働きかけが必要であると考えられます。
また、接種を希望している方に対しても、確実にかつ円滑に接種を受けられるように、支障となり得る事象を明らかにし、それらを取り除くための対応が求められます。

そのようなサポート体制を整えるためには、介護従事者の働きは欠かせないでしょう。一方で、専門職や家族の行動に任せるだけではなく、社会全体として認知症の方の接種を支える環境を整えることが望まれます。

*「なかまぁる」とは
「なかまぁる」は、「認知症当事者とともにつくる」をコンセプトに、朝日新聞社が2018年に立ち上げたウェブメディアです。誰がどこで認知症になっても安心して暮らし続けられる社会「認知症フレンドリー社会」への貢献を目指し、さまざまな情報をお届けします。

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