医療・医薬・福祉

アストラゼネカのイミフィンジとトレメリムマブが、化学療法との併用療法においてステージIVの非小細胞肺がん一次治療を対象とした第III相POSEIDON試験で全生存期間を延長

アストラゼネカ株式会社
トレメリムマブとの併用療法において全生存期間に対する有効性を示した初の第III相試験 イミフィンジと化学療法による併用療法は無増悪生存期間を延長するも全生存期間においては統計学的に有意な延長を示さず


アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、POSEIDON試験における全生存期間(OS)の延長について発表しました。本試験は、ステージIVの(転移性)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの一次治療として、イミフィンジ(R)(一般名:デュルバルマブ [遺伝子組換え]、以下、イミフィンジ)とプラチナ製剤を含む化学療法との併用療法、またはイミフィンジ、抗CTLA-4抗体のトレメリムマブ(遺伝子組換え)とプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法を化学療法の単独療法と比較する第III相試験です。

POSEIDON試験の最終解析から、化学療法の単独療法と比較して、イミフィンジ、トレメリムマブおよび化学療法の併用療法が、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるOSの延長を示したことが明らかとなりました。 2019年10月( https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2019/2019110801.html )には、この免疫治療薬を加えた併用療法により、統計学的に有意な無増悪生存期間(PFS)が延長したことを発表しています。この治療群の患者さんは、イミフィンジと標準的な化学療法による治療に加え、16週間にわたってトレメリムマブによる短期間の治療を受けました。

これまでの解析において、イミフィンジと化学療法の併用療法群は、化学療法の単独療法群と比較して、統計学的に有意なPFSの延長を示しましたが、今回の新たな解析において、OSについて統計学的に有意な延長は確認されませんでした。なお、比較対照群の患者さんは最大6サイクルの化学療法による治療を受け、一方で併用療法群の患者さんは最大4サイクルの化学療法による治療を受けました。

それぞれの併用療法群は許容可能な安全性プロファイルを示し、安全性に関わる新たな懸念は特定されませんでした。また、トレメリムマブを加えた併用療法は、イミフィンジと化学療法による併用療法と概ね同様の安全性プロファイルを示し、トレメリムマブを追加したことによる治療中止の増加はありませんでした。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニットの責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「イミフィンジにトレメリムマブと化学療法を追加した併用療法が、初めて転移性のNSCLCに対して、有意かつ臨床的に意義のあるOSの延長を示した今回のPOSEIDON試験の結果を嬉しく感じており、特に安全性プロファイルに満足しています。この新しい治療アプローチがこの疾患における大きなアンメットニーズに対する新たな選択肢となり得ることを信じており、今後、規制当局との話し合いに進められることを楽しみにしています」。

本試験の詳細データは今後の学会で発表される予定です。

イミフィンジは第III相PACIFIC試験の結果に基づき、化学放射線療法後の切除不能なステージIIINSCLCの治療薬として承認されている唯一の免疫治療薬です。また、米国、ヨーロッパ日本を含む多くの国々で第III相CASPIAN試験の結果に基づき、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬としても承認されています。

イミフィンジは、肺がんにおける包括的ながん免疫療法の一環として、より早期を含めた全てのステージにおけるNSCLCに対する治療薬としても開発中です。

また、イミフィンジとトレメリムマブの併用療法は肺がん、膀胱がん、肝がんを対象に臨床試験が現在進行中です。

※なお、ステージIVのNSCLCに対するイミフィンジ、トレメリムマブの化学療法との併用療法は未承認です。

以上

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ステージIVの非小細胞肺がんについて
肺がんは男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています(1)。患者さんは、肺から離れた臓器に転移した状態であるステージIVで肺がんと診断される場合が多くあります(2)。

肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、80-85%がNSCLCと診断されます(2,3)。NSCLC患者さんのうち、扁平上皮がんの患者さんが25-30%、非扁平上皮がんの患者さんがおおよそ70-75%を占めます(2)。ステージIVは肺がんの病状が最も進行した状態で、転移性肺がんとも呼ばれます(4)。

POSEIDON試験について
POSEIDON試験は、ステージIVの(転移性)NSCLCの一次治療として1,013名の患者さんを対象に、イミフィンジとプラチナ製剤を含む化学療法との併用療法、またはイミフィンジ、トレメリムマブ、プラチナ製剤を含む化学療法の併用療法と化学療法の単独療法を比較する、無作為化、非盲検、多施設共同国際第III相試験です。また、本試験には、全てのPD-L1発現レベルの非扁平上皮がんまたは扁平上皮がんの患者さんが組み入れられていました。なお、EGFR遺伝子変異陽性、ALK遺伝子変異陽性の患者さんは試験対象外でした。

試験治療群の患者さんには、化学療法とイミフィンジ1500mgまたはイミフィンジ1500mgに加えてトレメリムマブ75mgを固定用量で3週間ごとに4サイクル投与後、4週間ごとのイミフィンジによる維持療法、または4週間ごとのイミフィンジに1回のみトレメリムマブを加える維持療法を行いました。比較対照群では、6サイクルを上限に化学療法を実施しました。また、すべての治療群において、非扁平上皮がんの患者さんに対しては、化学療法としてペメトレキセドが投与されている場合は必要に応じてペメトレキセド維持療法の併用を許容していました。

本試験はイミフィンジと化学療法併用群でのPFSおよびOSを主要評価項目、イミフィンジ、トレメリムマブ、化学療法併用群でのPFSとOSを重要な副次評価項目としています。なお、イミフィンジと化学療法の併用療法およびイミフィンジ、トレメリムマブ、化学療法の併用療法の両治療群ともにPFSのエンドポイントを満たしたことから、事前に指定された統計解析計画により、イミフィンジ、トレメリムマブ、化学療法の併用療法群のOSに対する有効性の検証を行うことが許可されています。本試験は、米国、ヨーロッパ、南米、アジアおよび南アフリカを含む18カ国150以上の施設で実施されました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ [遺伝子組換え] )はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、切除不能なステージIIINSCLCおよびES-SCLCの治療薬として承認されています。また、イミフィンジは前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても複数の国々で承認されています。

様々ながん種を対象とした開発プログラムの一環として、イミフィンジは、NSCLC、SCLC、膀胱がん、肝細胞がん、胆道がん(肝がんの一種)、食道がん、胃がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。

トレメリムマブについて
トレメリムマブ(遺伝子組換え)は開発中の新薬で、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を増強します。トレメリムマブ(遺伝子組換え)はイミフィンジとの併用療法として、NSCLC、SCLC、膀胱がん、および肝細胞がんに対する臨床試験プログラムにおいて開発中です。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットとアプローチを定義することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

当社の包括的なポートフォリオには、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤である タグリッソ(R)(オシメルチニブ)やイレッサ(R)(ゲフィチニブ)などの肺がん治療薬、PD-L1抗体イミフィンジ(デュルバルマブ)があり、加えて抗CTLA-4抗体トレメリムマブやHER2に対する抗体薬物複合体(ADC)であるエンハーツおよび抗TROP2抗体薬物複合体であるdatopotamab deruxtecanなど、新たな分子やこれら新たな分子の組み合わせによる多様な作用機序を有する開発パイプラインが含まれます。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
免疫腫瘍学(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療によって支えられています。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法に対しては、様々ながん腫、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at: http://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed May 2021.
2. Abernethy AP, et al. Real-world first-line treatment and overall survival in non-small cell lung cancer without known EGFR mutations or ALK rearrangements in US community oncology setting. PLoS ONE. 2017;12(6):e0178420.
3. Cheema PK, et al. Perspectives on treatment advances for stage III locally advanced unresectable non-small-cell lung cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.4. Cancer.Net. Lung Cancer – Non-Small Cell: Stages. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/stages. Accessed May 2021.
4. Cancer.Net. Lung Cancer – Non-Small Cell: Stages. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/stages. Accessed May 2021.

プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2021051715-daf4313b71c2f03fe98c397fbdfd52c7.pdf
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