医療・医薬・福祉

新型コロナワクチン接種者1,774名のほぼ全員で抗体価上昇

国立大学法人千葉大学
抗体反応研究では最大規模― 免疫抑制治療、年齢や性別、飲酒、接種間隔などが影響―

千葉大学病院(病院長 横手幸太郎)は、本年2月1日に設置した「コロナワクチンセンター」において、新型コロナワクチン(ファイザー社製)を接種した当院職員の抗体価を調べたところ、1,774名のうち1,773名、ほぼ全員に抗体価の上昇がみられ、ワクチンが有効であることを確認しました。ワクチンに対する抗体反応を調べる研究としては、我々が調べ得た範囲ではこれまでで最大規模です。 年齢、性別、飲酒頻度、1回目と2回目の接種間隔などの因子と抗体価との関連についても明らかとなりました。今後、全国で対象年齢を広げてワクチン接種を加速化していく上で、接種に対する理解を高め、接種を後押しするデータとしてご活用いただくことを期待します。 本研究結果はプレプリントサーバーのmedRxiv(メドアーカイブ ※1)に6月2日に登録し、近々公開の予定です。当院では今後、ワクチンの抗体価と副反応の関連など、さらに研究を深めてまいります。



研究の概要

研究名:「COVID-19ワクチンに対する免疫応答を規定する機構の解明」
実施者:千葉大学病院コロナワクチンセンター(千葉大学病院と千葉大学医学研究院が連携)
対 象:新型コロナワクチン(ファイザー社製)を接種し、研究協力した当院職員
・1回目接種の前に採血・唾液採取‥2,015名 (男性 719名、女性1,296名、21才~72才)
・2回目接種の後に採血・唾液採取‥1,774名 (男性 606名、女性1,168名、21才~72才)
方 法:新型コロナウイルスに対する抗体価を測定し、人口統計学的要因との関連も調査。
※今回発表するのは採血検体の解析結果です。唾液検体に関する解析は現在実施中です。

研究成果のポイント

・ワクチン接種前の段階で、抗体が陽性だったのは、21名(1.1%)
・2回目接種後、抗体が陽性となったのは1,774名中1,773名(99.9%)


・抗体価は、接種前の中央値が<0.4 U/mL(多くが全く抗体がない状態)に対し、接種後の中央値は2,060 U/mLと大幅に上昇(右図)






今後の展望

現在、ワクチンによる副反応と抗体反応がどのように関連するのかについて、解析を進めています。さらに、今回研究に協力した当院職員には、1年後COVID-19にかかったかの調査を予定しています。



投稿論文

本研究結果をまとめた論文は、査読付き学術誌の審査前にプレプリントサーバーのmedRxivに6月2日に登録し、近々公開の予定です。今後、審査によっては、論文内容が修正される場合があります。
Antibody responses to BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine in 2,015 healthcare workers in a single tertiary referral hospital in Japan Takahiro Kageyama, Kei Ikeda, Shigeru Tanaka, Toshibumi Taniguchi, Hidetoshi Igari, Yoshihiro Onouchi, Atsushi Kaneda, Kazuyuki Matsushita, Hideki Hanaoka, Taka-Aki Nakada, Seiji Ohtori, Ichiro Yoshino, Hisahiro Matsubara, Toshinori Nakayama, Koutaro Yokote, and Hiroshi Nakajima
※1 medRxiv(メドアーカイブ)
コールド・スプリング・ハーバー研究所(CSHL)、医学系雑誌出版社BMJ、米・イエール大学の3機関共同運営によるライフサイエンス分野のプレプリントサービス。査読前の論文を受付し、新しい知見の迅速な共有やフィードバックを受けるためのプラットフォームを無料提供している。

横手幸太郎病院長のコメント

新型コロナワクチンについては、感染後の発症と重症化の抑制に向けて、ワクチン接種後の抗体反応を大規模に調べる研究が待たれていましたので、今回、日本で約2,000人規模の効果検証ができたことは大きな成果であり、今後の接種を後押しし、コロナと闘う医療従事者に安心を与えてくれるものと考えます。また、この研究は、千葉大学病院および千葉大みらい医療基金にいただいた善意の寄附金を活用して実施しています。ご寄附を賜わりました皆様に、改めて心より感謝申し上げます。
引き続き、研究に取り組み、皆様に還元していけるよう、努めてまいります。
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