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シリア:北東部で活動の大半を中止し、外国人スタッフを退避

国境なき医師団
トルコの軍事作戦によって不安定な状況に置かれているシリア北東部で、国境なき医師団(MSF)は10月15日(現地時間)、活動の大半を中止して外国人派遣スタッフを全員退避させた。同地域では緊急の人道援助ニーズが高まっている中で苦渋の決断となった。同地に残るシリア人スタッフへの遠隔サポートは継続し、今後の援助に関してあらゆる方策を検討する。MSFは全紛争当事者に対し、民間人保護の徹底と、人道援助団体の活動を妨げないよう求めている。


アイン・イッサでの戦闘から避難する人びと(10月11日撮影) (C) Jake Simkin
極めて難しい決断

MSFは10月9日以降、シリア北東部ラッカ県のアイン・イッサ、タル・アブヤド、ラッカ、ハサカ県のアルホール、タル・タミール、タル・コチャル(アルヤルビア)、およびアレッポ県のアイン・アル・アラブ(コバニ)から順次、外国人派遣スタッフを退避させた。MSFは同地域で避難を強いられ困窮する人びとのニーズを把握していただけに、極めて難しい決断となった。




MSFで緊急対応責任者などを務めるロバート・オーナスは、「地域の人びとは既に何年もの間、戦闘と不安定な生活に耐えてきました。今回の軍事作戦によって人道援助ニーズは増えていますが、現地は危険で援助活動は不可能な状態です。退避は大変無念ですが、紛争当事者が人道援助活動を受け入れ、安全を確約するまでは大規模な活動はできない状況です」と話す。

シリア北東部では、数多くのグループが異なる陣営に組みして戦闘しており、MSFは活動の安全を確保できないと判断した。紛争の状況が刻々と変わる中、MSFの活動中止により人道援助ニーズもさらに増えると予想される。ここ数日間でも、空爆、砲撃、武力衝突が人びとに大きな影響を与えている。

シリア人スタッフの安全が最大の心配事

退避に先立ち、ハサカ県のタル・タミールでMSFは、ほぼ着の身着のまま避難してきた数千人の人びとに、毛布、非常食、飲料水、石けんを提供。また、空爆で水を供給するポンプ施設が壊れ、町全体が断水したため、MSFは10月13日まで、この地域の複数の村で給水を行った。同日には空爆で負傷した数十人がタル・タミール病院へ搬送された。

ラッカ県のアイン・イッサでは、紛争から徒歩で避難する人びとの姿も目撃された。MSFは同地の国内避難民キャンプで先週、医療、心のケア、給水活動をしたところだったが、今回の退避によって同キャンプでは食糧、水、医療の大幅な不足に直面すると予測される。ここ5日間、アイン・イッサ病院は負傷者治療における基幹病院の一つとして役割を果たしていたが、同病院からも医療従事者は退避を余儀なくされた。

シリア北東部に残るMSFのシリア人スタッフとその家族についてオーナスは、「彼らの安全は最大の心配事です。MSFは引き続き彼らを遠隔地からサポートするとともに、シリア北東部に残る人びとに援助を届けるべく、あらゆる方策を検討していきます」と述べている。

MSFはシリア北西部での活動は引き続き継続。複数の医療施設での活動と移動診療をおこない、同地域にある他の医療機関の支援も続けている。
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