医療・医薬・福祉

アストラゼネカ、日立と実施したCOPD発症の経緯や予後に関する共同研究の結果を発表

アストラゼネカ株式会社
~COPD発症に関係するリスク因子を同定~


アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は、株式会社日立製作所(以下、日立)と2019年に提携した共同研究(Analysis of Risk factors To DEtect COPD : ARTDECO Study)の結果を報告いたしました。また、本結果はJournal of Medical Internet Researchに掲載されました。

COPDのリスク因子として、たばこの煙を含む有害物質への長期的な曝露はすでに明らかになっています。しかし、全ての長期喫煙者がCOPDを発症するわけではなく、他のリスク因子も存在しています。共同研究では慢性閉塞性肺疾患(COPD)発症にいたるまでの経緯、および発症後の予後に関する研究をAZと日立がそれぞれの専門性をもとに行いました。

本研究では、まず、日立の健康管理センターにおいて1998 年4月から2019 年3月の間に収集され匿名化された、日立の従業員およびその家族の年次健康診断のデータ(喫煙歴、スパイロメトリー(※1)による肺機能検査データ、咳・痰に関する問診票等)をもとに、日立がCOPDのリスク因子の解析を行いました。研究対象は30歳から75歳のCOPDおよび喘息の診断歴ならびにがん既往歴のない従業員およびその家族で、選別された24,815人となります。また、データベースには臨床測定値 (肺機能検査等)および質問票への回答が含まれました。解析計画に基づき日立がそれらのデータをArtificial Intelligence(AI)を用いて解析し、現時点から3年以内にCOPDを発症するリスク因子を同定し、解析しました。

アストラゼネカは、その結果をもとに、COPDに関する知見や他の先行研究の結果なども踏まえ、アカデミアの研究者とともにCOPD発症の経緯や予後に関する研究論文を作成し、発表しました。

今回報告した論文では、COPD発症における上位10位の予測因子はFEV1/FVC(※2.3)、喫煙状況、アレルギー症状、咳、喫煙の程度を表す指標の一つであるパック・イヤー(1日の喫煙本数/20本x喫煙年数)、ヘモグロビンA1c、血清アルブミン、平均赤血球容積、肺活量(%)、および FEV1(%)(※3)であることを発表しました。

COPDは世界の死因3位である一方、緩慢に進行する疾患であるため、未診断率の高さが課題となっています。今回、長期継続的に測定されている健康診断データをAIにより分析しCOPDを発症するリスク因子を同定したことで、それら因子をチェックすることでCOPD診断率の向上につながることが期待されます。

(※1)スパイロメトリー:スパイロメーターという機械を使い、呼吸機能を測定し、換気機能の状態を調べる検査。
(※2)FEV1(1秒量): FVC(努力性肺活量)のうち、最初の1秒間に吐き出した空気量。FVCとは最大吸気位から最大呼気位まで一気に呼出させた呼出量。
(※3)FEV1/FVC:FVCに占めるFEV1の割合(努力性肺活量の何%を1秒間に吐き出すことができたかを表す)。FEV1.0%(1秒率)= FEV1/FVCx100で表され、FEV1.0%が70%未満のとき、閉塞性障害(気流制限)があると判定します。

以上

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
COPDは、肺の気流閉塞により息切れが起き、体力が消耗する進行性の疾患です(1)。COPDは世界中で推定3億8,400 万人に影響を与え(2)、世界の死因第3位です(3)。肺機能の改善、増悪の減少、また、息切れなどの日常的な症状を管理することが、COPDの重要な治療目標です(1)。COPDが悪化するだけで、著しい肺機能の低下(4)、生活の質の大幅な低下(5)、平均余命の大幅な短縮、死亡リスク増加につながる可能性があります(6.7)。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で何百人もの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においても、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。

References
1. GOLD. Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD, Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2020. [Online]. Available at: http://goldcopd.org. [Last accessed: June 2020].
2. Adeloye D, Chua S, Lee C, et al. Global Health Epidemiology Reference Group (GHERG). Global and regional estimates of COPD prevalence: Systematic review and meta-analysis. J Glob Health. 2015; 5 (2): 020415.
3. Quaderi SA, Hurst JR. The unmet global burden of COPD. Glob Health Epidemiol Genom. 2018; 3: e4. Published 2018 Apr 6. doi:10.1017/gheg.2018.1
4. Halpin DMG, Decramer M, Celli BR, et al. Effect of a single exacerbation on decline in lung function in COPD. Respiratory Medicine 2017; 128: 85-91.
5. Roche N, Wedzicha JA, Patalano F, et al. COPD exacerbations significantly impact quality of life as measured by SGRQ-C total score: results from the FLAME study. Eur Resp J. 2017; 50 (Suppl 61): OA1487
6. Ho TW, Tsai YJ, Ruan SY, et al. In-Hospital and One-Year Mortality and Their Predictors in Patients Hospitalized for First-Ever Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbations: A Nationwide Population-Based Study. PLOS ONE. 2014; 9 (12): e114866.
7. Suissa S, Dell’Aniello S, Ernst P. Long-term natural history of chronic obstructive pulmonary disease: severe exacerbations and mortality. Thorax. 2012; 67 (11): 957-63.
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