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Saphnelo (アニフロルマブ)、米国において中等症から重症の全身性エリテマトーデスの適応で承認取得

アストラゼネカ株式会社
本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年8月2日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


Saphneloはファースト・イン・クラスのI型インターフェロン受容体抗体でありこの10年で初の全身性エリテマトーデス患者さんの新たな治療薬

アストラゼネカのSaphnelo (一般名:アニフロルマブ(遺伝子組換え))が、標準治療を受けている中等症から重症の全身性エリテマトーデス (SLE) 成人患者さんの治療薬として米国で承認されました(1)。

米国食品医薬品局 (FDA) による本承認は、2つの第III相試験であるTULIP試験と第II相試験であるMUSEを含むSaphnelo臨床開発プログラムの有効性および安全性データに基づいています。これらの試験では標準治療に加えて、Saphnelo投与群の患者さんは、プラセボ群に比べ、皮膚および関節を含む臓器系全体にわたる疾患活動性の低下を示すとともに、経口ステロイド剤(OCS)の使用量の持続的低減を示しました(1,2,3,4)。

この承認は、I型インターフェロン(I型IFN)受容体拮抗薬の新規の薬事承認であり、ここ10年間で、SLE治療薬に対する初の薬事承認です(5,6)。I型IFNはループスの病態生理において中心的な役割を果たし、I型IFNシグナルの亢進は疾患活動性の増加と重症度の増大に関連しています(7,8,9,10,11)。

米国ニューヨークにあるNorthwell Healthのリウマチ学の部門責任者であり、Saphneloの臨床開発プログラムの治験統括医師であるRichard Furie博士は次のように述べています。「私たちのSLE治療の目的は、疾患活動性を低下させ、疾患自体による、または治療薬による臓器障害を予防し、患者さんのQOL(生活の質)を改善することです。Saphneloの承認は、ループスの疾患領域全体にとって、大きな進歩を意味します。医師はステロイド剤の使用を抑制しつつ、疾患活動性の意義のある改善をもたらした効果的で新たな治療薬を提供することが可能になります」。

バイオファーマ研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「Saphneloの画期的な承認は、SLEの病態生理における中心的なドライバーであるI型IFNの情報伝達経路に対する長年にわたるアストラゼネカの先駆的研究の集大成です。この画期的な治療薬は、多くの場合消耗性疾患であるこの疾患と共に生きる患者さんの人生を有意義に改善する可能性を有しています」。

この3つの臨床試験のSaphnelo投与群の患者さんに発現した、頻度の高い有害事象として、鼻咽頭炎、上気道感染、気管支炎、注入関連事象、帯状疱疹および咳が挙げられます(1)。

米国において最大30万人に影響を及ぼしている最もよく見られるループスの一種であるSLEは、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系およびアジア系の人口集団に偏って影響を及ぼします(12)。これは、すべての臓器に影響し得る複雑な自己免疫疾患であり、患者さんは多くの場合、消耗性症状、長期的な臓器障害および健康関連のQOLの低下を経験します(12,13,14,15)。

第III相TULIP-2試験の結果は、2020年1月、The New England Journal of Medicineに掲載され、第III相TULIP-1試験の結果は、2019年12月、The Lancet Rheumatologyに掲載され、第II相MUSE試験の結果は2016年11月、Arthritis & Rheumatologyに掲載されました。

Saphneloは、SLEの適応で、EUおよび日本で薬事審査中です。皮下投与を用いたSLEを対象とする第III相試験が既に開始され、複数の新たな第III試験が、ループス腎炎、皮膚エリテマトーデスおよび筋炎を対象として計画中です。

以上

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対価について
アストラゼネカは、Saphneloの全世界を対象とする権利を、2004年にメダレックス社との独占的権および提携に関する契約を通じて獲得しました。本製品を共同販促するメダレックスのオプションは同社がブリストル・マイヤーズスクイブ (BMS) により買収された2009年に失効しました。本契約のもと、アストラゼネカはBMSに対し、地域別に売上の10%から15%のロイヤリティを支払います。

全身性エリテマトーデス(SLE)について
SLEは、免疫系が自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫疾患です(16)。慢性的であり、さまざまな臨床症状を伴う複雑な疾患であるため、多くの臓器に影響を及ぼし、疼痛、発疹、倦怠感、関節の腫れ、発熱など幅広い症状の原因となります(13)。SLE患者さんの50%以上は、本疾患自体あるいは既存の治療薬が原因の恒久的な臓器障害を引き起こし、症状が増悪や死亡リスクの上昇につながります(17,18)。世界中で少なくとも500万人がある種のループスに罹患しています(19)。

TULIP-1試験、TULIP-2試験およびMUSE試験 について
Saphneloに対する3つの臨床試験 (TULIP-1試験、TULIP-2試験 および MUSE試験) の全てが、標準治療を受けている中等症から重症のSLE患者さんを対象とする無作為化二重盲検プラセボ対照試験でした(1)。標準治療には少なくとも、OCS、抗マラリア薬および免疫抑制薬 (メトトレキサート、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル)のいずれかが含まれました(2,3,4)。

主要な第III相試験であるTULIP(Treatment of Uncontrolled Lupus via the Interferon Pathway)プログラムは、Saphneloの有効性と安全性をプラセボとの比較で評価したTULIP-1試験および TULIP-2試験という2つ試験で構成されました(2,3)。標準治療に加えてSaphnelo又はプラセボの投与を行い、Saphneloはプラセボに対し複数の有効性評価項目において優位性を示しました。本試験では、条件に該当する362例の患者さんを無作為化し(1:1)、300mgのSaphnelo投与群とプラセボ投与群に分けて、4週間ごとに固定用量で静脈投与を行いました。TULIP-2試験はBILAG-Based Composite Lupus Assessment (BICLA) に基づいて疾患活動性の低下を評価することにより、Saphneloの有効性を評価しました(2)。TULIP-1試験では、条件に該当する457例の患者さんを無作為化し (1:2:2) 、標準治療に加えて150mgおよび300mgのSaphnelo投与群とプラセボ投与群に分けて4週間ごとに固定用量で静脈投与を行いました。本試験は、主要評価項目であるSLE Responder Index 4 (SRI4)複合評価指標を達成しませんでした(3)。

第II相MUSE試験では、プラセボに対し、Saphneloの2つの用量の有効性と安全性が評価されました。MUSE試験では305例の成人を無作為化し、標準治療に加えて300mgまたは1,000mgのSaphnelo投与群またはプラセボ投与群に分け、4週間ごとに固定用量で静脈投与を48週間行いました。本試験では、複数の有効性評価項目においてプラセボに対する改善が示されました(4)。

SLEにおいては、主要第III相試験TULIP プログラムに加えて、Saphneloの評価は長期第III相延長試験および皮下投与を用いた第III相試験が継続して評価されています(20,21)。加えて、アストラゼネカはループス腎炎、皮膚エリテマトーデスおよび筋炎を含むI型IFNが重要な役割を担う様々な疾患に対するSaphneloの可能性を探求しています。

Saphneloについて
Saphneloは、I型IFN受容体のサブユニット1に結合する完全ヒト型モノクローナル抗体であり、I型IFNの活動を阻害します(4)。 IFN-alpha、IFN-beta、IFN-kappaなどのI型IFNは、SLEに関与する炎症反応経路に関係するサイトカインです(7,9,10,11,22,23)。SLEの成人患者さんの大多数に、疾患活動性と重症度との関連性があるI型IFNのシグナルの増加が見られます(7,8)。

アストラゼネカの呼吸器・免疫領域について
呼吸器・免疫疾患はアストラゼネカが注力する3つの疾患領域のひとつで、当社にとって重要な成長の原動力です。

50年の歴史を基盤として、アストラゼネカは吸入薬および生物学的製剤による呼吸器疾患治療の確固たるリーダーです。アストラゼネカは、予防可能な喘息発作をなくし、生物学的製剤を中心とした早期治療によりCOPDを死因の上位3位から除くことで、喘息およびCOPD治療を革新的に向上させることを目指しています。また、当社の呼吸器領域における初期研究では、疾患や神経機能不全における免疫機構、肺損傷および異常細胞修復プロセス等の新たなサイエンスに焦点を当てています。

アストラゼネカは、呼吸器疾患と免疫疾患に共通する経路と基礎疾患ドライバーを足掛かりに、慢性肺疾患から自己免疫疾患領域まで網羅する研究に注力していきます。また、リウマチ性疾患 (SLEを含む) 、皮膚疾患、消化器疾患、全身に対する好酸球性の疾患をはじめ、複数疾患につながる可能性がある5つの中期~後期フランチャイズに焦点を当て、自己免疫疾患領域におけるプレゼンスを高めています。アストラゼネカは、呼吸器・免疫疾患領域において、世界中の多くの患者さんのために疾患修飾および継続的な寛解を達成することを目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Saphnelo [anifrolumab-fnia] US prescribing information; 2021.
2. Morand E, et al. Trial of Anifrolumab in Active Systemic Lupus Erythematosus. N Engl J Med. 2020;382(3):211-221. Accessed July 2021.
3. Furie R, et al. Type I interferon inhibitor anifrolumab in active systemic lupus erythematosus (TULIP-1): a randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Rheumatol. 2019;1(4):e208-e219. Accessed July 2021.
4. Furie R, et al. Anifrolumab, an Anti–Interferon‐α Receptor Monoclonal Antibody, in Moderate‐to‐Severe Systemic Lupus Erythematosus. Arthritis Rheumatol. 2017;69(2):376-386. Accessed July 2021.
5. Mahieu MA, et al. A critical review of clinical trials in systemic lupus erythematosus. Lupus. 2016;25(10):1122-1140. Accessed July 2021.
6. Merrill JT, et al. Lupus community panel proposals for optimising clinical trials: 2018. Lupus Sci Med. 2018;5:e000258. Accessed July 2021.
7. Lauwerys BR, et al. Type I interferon blockade in systemic lupus erythematosus: where do we stand? Rheumatol. 2014;53:1369-1376. Accessed July 2021.
8. Crow MK. Type I Interferon in the Pathogenesis of Lupus. J Immunol. 2014;192(12):5459-5468. Accessed July 2021.
9. Sarkar MK, et al. Photosensitivity and type I IFN responses in cutaneous lupus are driven by epidermal-derived interferon kappa. Ann Rheum Dis. 2018;77:1653-1664. Accessed July 2021.
10. Jefferies CA. Regulating IRFs in IFN Driven Disease. Front Immunol. 2019;10:325. Accessed July 2021.
11. Mai L, et al. The baseline interferon signature predicts disease severity over the subsequent 5 years in systemic lupus erythematosus. Arthritis Res Ther. 2021;23:29. Accessed July 2021.
12. Centers for Disease Control and Prevention. Systemic Lupus Erythematosus (SLE). Available online. Accessed July 2021.
13. American College of Rheumatology. Guidelines for referral and management of systemic lupus erythematosus in adults. Arthritis & Rheumatology. 1999;42:1785-1796. Accessed July 2021.
14. Touma Z, et al. Current and future therapies for SLE: obstacles and recommendations for the development of novel treatments. Lupus Sci Med. 2017;4:e000239. Accessed July 2021.
15. Izmirly PM, et al. Prevalence of Systemic Lupus Erythematosus in the United States: Estimates From a Meta-Analysis of the Centers for Disease Control and Prevention National Lupus Registries. Arthritis Rheumatol. 2021;73(6):991-996. Accessed July 2021.
16. The Lupus Foundation of America. What is Lupus? Available online. Accessed July 2021.
17. Bruce IN, et al. Factors associated with damage accrual in patients with systemic lupus erythematosus: results from the systemic lupus international collaborating Clinics (SLICC) inception cohort. Ann Rheum Dis. 2015;74:1706-1713. Accessed July 2021.
18. Segura BT, et al. Damage accrual and mortality over long-term follow-up in 300 patients with systemic lupus erythematosus in a multi-ethnic British cohort. Rheumatol. 2020;59(3):524-533. Accessed July 2021.
19. The Lupus Foundation of America. Lupus facts and statistics. Available online. Accessed July 2021.
20. ClinicalTrials.gov. Long Term Safety of Anifrolumab in Adult Subjects With Active Systemic Lupus Erythematosus (TULIP SLE LTE). NCT Identifier: NCT02794285. Accessed July 2021.
21. ClinicalTrials.gov. Subcutaneous Anifrolumab in Adult Patients With Systemic Lupus Erythematosus (Tulip SC). NCT Identifier: NCT04877691. Accessed July 2021.
22. López de Padilla CM, et al. The Type I Interferons: Basic Concepts and Clinical Relevance in Immune-mediated Inflammatory Diseases. Gene. 2016;576(101):14-21. Accessed July 2021.
23. Rönnblom L, et al. Interferon pathway in SLE: one key to unlocking the mystery of the disease. Lupus Sci Med. 2019;6(1):e000270. Accessed July 2021.
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