医療・医薬・福祉

フォシーガ、2型糖尿病合併の有無に関わらず、日本で初めての慢性腎臓病の治療薬として承認を取得

アストラゼネカ株式会社
日本の慢性腎臓病患者さんの治療に大きな進展をもたらす


アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)と小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁)は、アストラゼネカの選択的SGLT2阻害剤「フォシーガ(R)錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、以下、フォシーガ)」について、2型糖尿病合併の有無に関わらず、「慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)」の効能又は効果の追加承認を、8月25日に取得しましたので、お知らせします。

厚生労働省(厚労省)による本承認は、第III相DAPA-CKD試験の肯定的な結果に基づいています(1)。この承認は、今年初めに厚労省に指定された優先審査に則り行われたものです。

慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患で、多くの場合、心疾患や脳卒中の発症リスクの増加と関連しています(2-4)。世界で8億4000万人以上、日本では約1,300万人が罹患していると推定されています(5,6)。しかしながら、その診断率は低く、90%の患者さんは罹患していることに気が付いていません(4)。フォシーガは、日本で初めてのCKDの治療薬として承認された薬剤です(7,8)。

DAPA-CKD試験の日本の治験統括医師であり、日本腎臓学会理事長の柏原直樹先生は次のように述べています。「慢性腎臓病患者さんにおいて、2型糖尿病合併の有無に関わらず、腎不全への移行抑制、心血管イベントおよび全死亡に対するダパグリフロジンの有効性が示されました。慢性腎臓病患者さんを対象としたこれまでの試験の中でも画期的な試験であり、ランドマークとなるものです。今回の承認は日本の多くの慢性腎臓病患者さんにとって大きな希望となります」。

アストラゼネカのバイオファーマ研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「本承認は、慢性腎臓病の患者さんの予後を改善するという当社の目標の実現に向けた重要な一歩となりました。当社は、フォシーガのような新薬によって標準治療を向上させるとともに、時に患者さんを衰弱させ、生命を脅かす慢性腎臓病の予防および早期診断にも取り組んでいます」。

第III相DAPA-CKD試験においてフォシーガは、CKDステージ2~4、かつ尿中アルブミン排泄の増加を認める患者さんを対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)もしくはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB) との併用で、腎機能の悪化、末期腎不全 への進行、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合主要評価項目のリスクを、プラセボと比較して、39%低下させました (絶対リスク減少率 [ARR]=5.3%, p<0.0001)。また、フォシーガは、プラセボと比較して、全死亡の相対リスクを有意に31%低下させました (ARR=2.1%, p=0.0035) (9)。フォシーガの安全性と忍容性は、これまでに確認されている安全性プロファイルと一貫していました。

フォシーガ は、米国および欧州連合においても2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDの治療薬として承認を取得しており、現在世界のその他の国においても審査が進行中です。フォシーガは2型糖尿病成人患者さんの血糖コントロールを改善する食事および運動療法の補助療法、および1型糖尿病の成人患者さんに対するインスリンの補助療法を適応としています。また、本剤は2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した慢性心不全の成人患者さんの治療薬としても承認されています。

アストラゼネカの子会社であるアストラゼネカ株式会社は、2013年、フォシーガに関して、小野薬品工業株式会社と日本におけるコ・プロモーション契約を締結しました。本契約に基づき、小野薬品工業株式会社はフォシーガの日本における流通および販売を担い、アストラゼネカ株式会社と2型糖尿病、1型糖尿病および慢性心不全においてコ・プロモーションを実施しています。両社は慢性腎臓病においてもコ・プロモーションを行います。

以上

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慢性腎臓病(CKD)について
CKDは、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患です(eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義されています(4)。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎です(10)。CKDは高い有病率や、心不全や若年死をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与しています。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります(2)。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています(11)。現在、日本におけるCKD患者数は、約1,300万人と推定されています(6)。

DAPA-CKD試験について
DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例を対象に、フォシーガ10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した国際多施設共同無作為化二重盲検第III相試験です。フォシーガ は1日1回、ACEiもしくはARBによる治療と併用されました。複合主要評価項目は、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、心血管または腎不全による死亡)リスクでした。副次評価項目は、腎機能の複合評価項目(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間でした。試験は日本を含む21カ国で実施されました(1)。結果はThe New England Journal of Medicineに掲載されました(1)。

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回、経口投与のファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。研究により、心腎疾患の予防および進展抑制、ならびに各臓器の保護に対するフォシーガの有効性が示され、心臓、腎臓および膵臓の臓器間の基本的な関連性を示す重要な知見が得られました(1,12,13)。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器の機能低下を引き起こし、全世界で主要な死因となっている2型糖尿病、心不全およびCKDを含む疾患の発症につながります(14-16)。

フォシーガは、米国において、成人2型糖尿病における血糖コントロール改善のための食事および運動療法の補助療法として承認され、また、第III相DECLARE-TIMI 58 CVアウトカム試験の結果に基づき、標準治療への追加療法で、成人2型糖尿病における心不全入院および心血管死のリスク低下の適応*を取得しています(12)。また、フォシーガは第III相DAPA-HF、第III相DAPA-CKD試験の結果に基づき、2型糖尿病合併の有無に関わらず、成人の左室駆出率が低下した心不全の治療薬、およびCKDの治療薬として承認された最初のSGLT2阻害剤です(1,13)。
*日本におけるフォシーガの承認された効能又は効果は、「2型糖尿病」、「1型糖尿病」、「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)」、および「慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)」です。

“DAPA Care”は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の臨床プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。またフォシーガは、現在、2型糖尿病合併の有無に関わらず、駆出率が保たれた心不全患者さんを対象として有効性を評価するDELIVER第III相試験および急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第III相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝 (CVRM) は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、オンコロジー、希少疾患、および循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマにおいて、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
https://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においても、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社については、https://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。

小野薬品工業株式会社について
小野薬品工業株式会社は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創製に取り組む研究開発型の製薬企業です。当社は、特に医療ニーズの高いがんや免疫疾患、中枢神経疾患およびスペシャリティ領域を創薬の重点研究領域として活動しています。詳細については、https://www.ono.co.jpをご覧ください。

References
1. Heerspink HJL, et al. Dapagliflozin in patients with chronic kidney disease. N Engl J Med. 2020;383(15):1436-1446.
2. Centers for Disease Control and Prevention (CDC) [Internet]. Chronic kidney disease in the United States; 2019 [cited 2021 Jul 08]. Available from: URL: https://www.cdc.gov/kidneydisease/publications-resources/2019-national-facts.html.
3. Segall L, et al. Heart failure in patients with chronic kidney disease: a systematic integrative review. Biomed Res Int. 2014;2014:937398.
4. Bikbov B, et al. Global, regional, and national burden of chronic kidney disease, 1990–2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet. 2020;395(10225):709-733.
5. Jager KJ, et al. A single number for advocacy and communication-worldwide more than 850 million individuals have kidney diseases. Nephrol Dial Transplant. 2019;34(11):1803-1805.
6. Okada K, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for chronic kidney disease 2018. Tokyo Medical Co., Ltd; 2018 Jun.
7. Fukui, A., Yokoo, T., Nangaku, M. et al. New measures against chronic kidney diseases in Japan since 2018. Clinical and Experimental Nephrology. 2019;23:1263–1271.
8. National Health Service [Internet]. Chronic kidney disease; Treatment; 2016 [cited 2021 Jul 09]. Available from: URL: https://www.nhs.uk/conditions/kidney-disease/treatment/.
9. Heerspink H. DAPA-CKD - Dapagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease. presented at: ESC Congress 2020 - The Digital Experience, 2020 August 29 - September 01.
10. National Kidney Foundation [Internet]. Kidney Disease: Causes; 2015 [cited 2021 Jul 08]. Available from: URL: https://www.kidney.org/atoz/content/kidneydiscauses.
11. Briasoulis A, Bakris GL. Chronic kidney disease as a coronary artery disease risk equivalent. Curr Cardiol Rep. 2013;15(3):340.
12. Wiviott SD et al., for the DECLARE-TIMI 58 Investigators. Dapagliflozin and cardiovascular outcomes in type-2 diabetes [article and supplementary appendix]. N Engl J Med. 2019;380:347-357.
13. McMurray J et al. Dapagliflozin in patients with heart failure and reduced ejection fraction. N Engl J Med. 2019; 381:1995-2008
14. Mayo Clinic [Internet]. Heart failure; 2020 [cited 2021 Jul 09]. Available from: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-failure/symptoms-causes/syc-20373142
15. Centers for Disease Control and Prevention (CDC) [Internet]. A snapshot: Diabetes in the United States; 2020 [cited 2021 Jul 09]. Available from: URL: https://www.cdc.gov/diabetes/library/socialmedia/infographics/diabetes.html.
16. National Institute of Diabetes and Digestive And Kidney Diseases (NIH) [Internet]. Heart disease & kidney disease; 2016 [cited 2021 Jul 09]. Available from: URL: https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/heart-disease.
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