医療・医薬・福祉

アストラゼネカのセルメチニブ、神経線維腫症I型の治療薬として申請。米国FDAから優先審査品目に指定

アストラゼネカ株式会社
アストラゼネカとMSDのセルメチニブ小児の神経線維腫症I型を適応症とする初の治療薬承認へ期待


本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年11月14日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A(北米およびカナダ以外ではMSD)は、2019年11月14日付けで神経線維腫症に関連する症候性・手術不能な叢状神経線維腫(以下、PNs)を有する3歳以上の小児の神経線維腫症I型(以下、NF1)を適応症とするセルメチニブの新薬承認申請が米国FDAに受理され、優先審査品目として指定されたことをお知らせいたします。

米国における今回の承認申請受理は、難治性の遺伝性希少疾患であるNF1の経口薬単剤による治療薬として初の申請受理となり、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA:Prescription Drug User Fee Act)に基づくFDAの審査終了目標(PDUFA date)は、2020年の第2四半期です。

今回の承認申請は、米国国立がん研究所(NCI)の米国癌治療評価プログラム(CTEP)によって行われているSPRINT第II相試験のStratum1の結果に基づいています。客観的奏効率(ORR)は、セルメチニブ単剤を経口投与(1日2回)した神経線維腫症に関連する症候性・手術不能なPNsを有するNF1の小児患者群において66%(50例中33例)を示しました。ORRは完全奏効または部分奏効により20%以上の腫瘍縮小を評価基準とし、奏効が確認された患者数から算出しています。

セルメチニブは2018年2月に希少疾病用医薬品、2019年4月には画期的治療薬として米国FDAから指定( https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2019/2019040801.html )を付与されており、欧州では2018年8月( https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2018/2018080801.html )、同年12月にはスイス当局(Swissmedic)から希少疾病用医薬品として指定されたMEK 1/2阻害剤です。アストラゼネカとMSDは、セルメチニブを世界的に共同開発・製品化する戦略的提携契約を締結しています。

※セルメチニブは海外および本邦未承認です。

以上

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SPRINT試験について

SPRINT試験は、米国国立がん研究所(NCI)の米国癌治療評価プログラム(CTEP)によって行われている第I/II相試験です。第I相試験は、最適な第II相投与レジメンを特定する目的でデザインされ、その結果はThe New England Journal of Medicine( https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1605943 )に掲載されています (1)。

セルメチニブについて
セルメチニブはMEK 1/2阻害剤であり、細胞が無秩序な形で増殖して腫瘍増殖を引き起こすと考えられているRAS/MAPKのシグナル伝達経路におけるMEK酵素を阻害する作用機序を有しています。

神経線維腫症I型(NF1)について
神経線維腫症I型(NF1)は、3,000から4,000人に1人の割合で罹患する難治性の遺伝性疾患です (2,3)。NF1遺伝子の自発的あるいは遺伝的変異により発症し、皮膚あるいは皮下の柔らかい塊(皮膚の神経線維腫)、皮膚色素斑(カフェ・オ・レ斑)、および患者さんの30-50%にみられる神経鞘の腫瘍(叢状神経線維腫)(1) を含む多くの症状を伴います。これらの叢状神経線維腫は、疼痛、運動機能障害、気道機能不全、腸や膀胱の機能不全および変形などの病的状態を引き起こすとともに、悪性腫瘍(悪性末梢神経鞘腫瘍)(1) を発症する可能性があります。

NF1患者さんは、学習障害、視覚障害、脊椎の捻転および湾曲、高血圧およびてんかん等の多くの他の合併症を発症する可能性もあります。また、NF1患者さんは、悪性脳腫瘍および悪性末梢神経腫瘍、および白血病を含む他のがんを発症するリスクが増加しています。症状は様々な重症度において幼少期に始まり、平均余命を最長15年短縮する可能性があります (4)。

アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について
2017年7月、英国アストラゼネカ社とMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A(北米およびカナダ以外ではMSD)は、世界初のPARP阻害剤であるリムパーザおよび現在開発中であるMEK阻害剤セルメチニブの複数のがんの種類における共同開発・製品化に関するがん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。両社は共同で、リムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として開発します。また、単独で、各社は各々のPD-L1およびPD-1医薬品との併用療法としてリムパーザおよびセルメチニブを開発します。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Dombi E, et al. Activity of Selumetinib in Neurofibromatosis Type 1–Related Plexiform Neurofibromas. N Engl J Med. 2016;375:2550-2560.
2. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Neurofibromatosis Fact Sheet. ”What is NF1?” Available at: https://www.ninds.nih.gov/disorders/patient-caregiver-education/fact-sheets/neurofibromatosis-fact-sheet #3162_2 Accessed October 2019.
3. ASCO Cancer.Net. Neurofibromatosis Type 1. Available at https://www.cancer.net/cancer-types/neurofibromatosis-type-1 Accessed June 2019.
4. Evans DGR, et al. Reduced Life Expectancy Seen in Hereditary Diseases Which Predispose to Early-Onset Tumors. Appl Clin Genet. 2013;6:53–61.
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