美容・健康

皮膚の透明化技術で「EMILIN-1」が弾性線維に重要であることを発見

株式会社ファンケル
株式会社ファンケルは、北里大学医学部形成外科・美容外科学の武田啓教授と共同研究を行い、弾性線維を構成するタンパク質のうち「EMILIN-1」*1が、同線維の構造を若く維持するために重要であることを発見しましたのでお知らせします。


この研究は、皮膚の透明化*2によって線維の内部構造を数値解析する独自の技術と、遺伝子の解析技術を組み合わせて行いました。これまで、加齢とともに生じるシワは、皮膚内部のコラーゲン線維や弾性線維の構造の劣化が原因と考えられていました。今回の研究による弾性線維の構造に「EMILIN-1」が関わっているという発見は、弾性線維の構造の劣化を制御するという次世代のアンチエイジング化粧品へ応用が期待できます。
本成果は、9月にフランスのボルドーで開催された第49回欧州研究皮膚科学会(ESDR:EUROPEAN SOCIETY FOR DERMATOLOGICAL RESERCH)で発表しました。

【研究結果で発見した二つのポイント】
◇眼の周辺の弾性線維の構造は、加齢による変化が大きいこと
◇弾性線維に関係する遺伝子の中でも、「EMILIN-1」が線維構造の加齢変化に重要であること

※皮膚の透明化技術の動画を以下からご覧いただけます。
<研究技術動画  https://youtu.be/j9r6Vy1Z0Ew >




<研究の背景と目的>
当社ではこれまで、透明化した皮膚組織を3次元的に構造解析し、加齢に伴う弾性線維の構造変化の詳細について明らかにしてきました。さらにこの研究では、皮膚の中でも特にシワができやすい眼の周辺皮膚に着目し、加齢による弾性線維の変化と、それに関わる原因遺伝子を探索してメカニズムを明らかにすることを目的にしました。

<研究方法と結果>
■眼の周辺の弾性線維は、加齢による変化が大きい
始めに、20~60代の6人の腹部皮膚組織と、10~80代の16人の眼の周辺であるの皮膚組織を用い*3、皮膚真皮層の弾性線維を構成する二つのタンパク質(エラスチンとfibrillin-1)を蛍光染色しました。その後、組織を透明化して共焦点レーザー顕微鏡*4を使って弾性線維の構造を立体的に観察しました。その結果、両部位とも老齢の皮膚中の弾性線維が変性していました(図1 △印参照)。特に眼の周辺皮膚は、腹部より劇的に変化している様子が観察されました。



さらに弾性線維の形状を独自の3次元構造解析手法*5を用いて図2の項目をパラメータ数値化し、部位や年齢による比較を行いました。その結果、両部位ともに弾性線維の体積や表面積に数値では大きな変化はないものの、線維の形状には変化が見られました。若齢に比べて老齢の線維形状は、太くて短く、かつ直線性が低下していることが分かりました。さらに、眼の周辺皮膚の線維は、線維の枝分かれ構造も減少していることが分かりました(図2)。このような、直線性の低下や枝分かれ構造の減少などの構造変化は、真皮弾性線維の皮膚を支える力を弱め、シワやたるみにつながることが考えられます。


■老齢皮膚の弾性線維の形状変化に「EMILIN-1」の発現量が関わることを発見
弾性線維の加齢による構造変化の原因を調べるため、皮膚から細胞を取り出して弾性線維に関係する遺伝子発現量を測定し、図2で数値化したパラメータとの関係度合いを解析しました。その結果、特に「EMILIN-1」は線維の長さや直線性と関係することが分かりました(表1)。

<まとめ>
こうした研究から、眼の周辺の弾性線維は、腹部に比べて加齢による変化が大きいことが分かりました。さらに、その変化に関わる遺伝子を調べたところ、「EMILIN-1」の発現量が多いほど、線維の形状が長くて直線的であり、構造が若い状態に保たれていることが分かりました。
シワやたるみは、弾性線維やコラーゲン線維の劣化が原因と考えられています。「EMILIN-1」の減少を抑えると、線維の劣化も抑えることができます。その結果、シワやたるみの形成を防げる可能性も分かりました。

<本研究成果による今後の製品開発>
当社は、細胞内で減少する「EMILIN-1」の産生量を増やす成分として「マイオキシノール」を発見し、目もとケアの製品開発に応用しています。今後も「EMILIN-1」や加齢による線維構造の変化の要因に関する研究を進め、次世代のアンチエイジング化粧品の研究開発を進めてまいります。

【用語解説】
1:EMILIN-1(Elastin Microfibrillar Interface protein 1)
弾性線維を構成するフィブリリンとトロポエラスチンの間に存在し、接着の役割を持つタンパク質。
2:皮膚の透明化
生体組織内部の色素を脱色し、屈折率を溶媒に合わせることにより組織を透明にする技術。
3:本研究は、ヘルシンキ宣言の倫理的原則に基づき、北里大学および株式会社ファンケルの倫理委員会で承認を受け、倫理的配慮のもとに入手した皮膚組織を用いて行っております。
4:共焦点レーザー顕微鏡
焦点外の光の検出をピンホールにより防ぐことで、被写体の断面像の撮影をすることができる光学顕微鏡。細胞レベルのミクロな範囲を鮮明かつ立体的に撮影することができる。
5:3次元構造解析手法
組織の透明化により、3次元的に撮影した画像を画像処理や画像演算で形状の各パラメータを計測する方法。
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