医療・医薬・福祉

アストラゼネカのアカラブルチニブ(Calquence)米国において慢性リンパ性白血病(CLL)成人患者さんの治療薬として承認取得

アストラゼネカ株式会社
アカラブルチニブは、2つの第III相試験において良好な忍容性を維持し優れた無増悪生存期間を示す。アカラブルチニブはELEVATE-TN 試験において、病勢進行または死亡に至るリスクをオビヌツズマブとの併用療法で90%、単剤療法で80%減少


本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年11月21日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、11月21日、米国食品医薬品局(FDA)が、Calquence(以下、アカラブルチニブ)を慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の成人患者さんに対する治療薬として承認したと発表しました (1)。米国での承認は、FDAのリアルタイム・オンコロジーレビューおよび新たに設立されたProject Orbisプログラムによって行われました。

今回の承認は、前治療歴のないCLL患者さんを対象とした第III相ELEVATE-TN試験、および再発または難治性CLL患者さんを対象とした第III相ASCEND試験における中間解析の良好な結果に基づくものです。2つの試験において、アカラブルチニブ はオビヌツズマブとの併用療法または単剤療法で、CLLの一次治療、および再発または難治性CLLで病勢進行または死亡に至るリスクを対照群と比較して有意に減少しました。また、これら2つの試験においても、アカラブルチニブの安全性と忍容性は同剤のこれまでに報告されているプロファイルと一貫していました (1)。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニット責任者であるデイヴィド・フレドリクソンは次のように述べています。「今年、米国だけでも新たにCLLと診断を受ける患者さんが2万人以上いると予想されています。優れた有効性と良好な忍容性プロファイルを示した今回のアカラブルチニブの承認は、成人白血病の中で最も多いタイプの1つであるCLL患者さんにとって新たな希望となります。CLL患者さんは複数の合併症を患うことが知られており、忍容性は患者さんが治療を受けるうえで重要な要素となります」。

ELEVATE-TN試験のファーストオーサーである、ウィラメットバレーがん研究所の研究責任者で米国腫瘍学ネットワーク血液学研究所のメディカルディレクターのジェフ・シャーマン氏は次のように述べています。「忍容性の問題は、治療が長期にわたるCLLにおいて常に課題となっていました。ELEVATE-TNおよびASCEND試験の複数の試験において、アカラブルチニブは良好な忍容性と安全性プロファイルを維持し、標準治療法との比較で臨床的に有意な無増悪生存期間の延長を示しました」。

ELEVATE-TN試験において、アカラブルチニブとオビヌツズマブとの併用療法、またはアカラブルチニブの単剤療法を受けた患者さんは、現在の標準療法であるクロラムブシルによる化学療法とオビヌツズマブの併用療法を受けた患者さんと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました (1)。

アカラブルチニブ の併用療法群では、病勢進行または死亡に至るリスクが90%減少し (HR 0.10; 95% CI, 0.06-0.17, p<0.0001)、単剤療法群でも80%減少しました (HR 0.20; 95% CI, 0.13-0.30, p<0.0001)(1)。

アカラブルチニブ 単剤療法またはオビヌツズマブ併用療法群の患者さんの病勢進行までの期間中央値は未到達であったのに対し、クロラムブシルとオビヌツズマブ併用療法群では22.6ヵ月(95% CI, 20-28)でした (1)。

ELEVATE-TN試験の中間解析結果は、今後の米国血液学会で発表されます (2)。

ELEVATE-TN試験の安全性概要 (最もよく見られた有害事象 ≥15%)(1):



アカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法投与群では、有害事象(ARs)による治療中断例は11%、アカラブルチニブ投与減量例が7%、アカラブルチニブ単剤療法投与群ではARsによる治療中断例が10%、アカラブルチニブ投与減量例が4% (1) であったのに対し、対照群では治療中断例が14%、クロラムブシルの減量例が28%見られました (3)。オビヌツズマブ投与の減量例はありませんでした (1,3)。

複数の臨床試験を通じて、アカラブルチニブ100mgをおよそ12時間おきに投与された血液悪性腫瘍の患者さん1029例のうち、88%が6カ月以上、79%が1年以上の治療を継続し、重篤またはグレード3以上の感染症が発現した割合は19%、心房細動や心房粗動が発現した割合は1.1%でした。また、同じ患者群において、大出血(重篤またはグレード3以上の出血、または中枢神経系の出血)が発現した割合は3.0%、死亡に至る出血が発現した割合は0.1%でした。さらに、皮膚がんを含めた2次的ながん(全グレード)発現の割合は12%でした (1)。

今回の米国での承認は、FDA腫瘍学研究拠点の取り組みであるProject Orbisの下で行われた最初の承認薬の1つです。Project Orbisは国境を超えたパートナー間で同時にがん治療薬の申請と審査を行う枠組みで、FDA、オーストラリア薬品・医薬品行政局、およびカナダ保健省が今回のアカラブルチニブの審査を行っています (4)。

※アカラブルチニブは本邦未承認です。

以上

*****

アカラブルチニブについて
アカラブルチニブは、米国において再発又は難治性慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)の成人患者さんの治療薬として承認されています。また、米国、カナダ、オーストラリア、ブラジル、カタール、アラブ首長国連邦、メキシコ、アルゼンチン、シンガポール、チリ、そして最近ではインドにおいて、アカラブルチニブは前治療歴のある成人マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんの治療薬として承認されています。米国での迅速承認取得を受け、本適応症の今後の承認は、確認試験による臨床的ベネフィットの検証および説明が条件となる可能性があります。

アカラブルチニブはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する次世代の選択的阻害剤であり、BTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します (1,5,6,7) 。BTKシグナルはB細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています (1)。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、アストラゼネカとAcerta Pharmaでは、アカラブルチニブについて、23の臨床試験を実施しています。アカラブルチニブは、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、およびその他の血液悪性腫瘍を含む複数のB細胞性の血液がんの治療薬として開発中です。第III相試験であるASCEND試験、 ELEVATE-TN試験の他にも、CLLを適応症とする複数の第III相試験:前治療歴のあるハイリスクCLL患者さんを対象にアカラブルチニブをイブルチニブと比較したELEVATE-RR(ACE-CL-006)試験や、17p欠損もしくはTP53変異が無く前治療歴のないCLL患者さんを対象にアカラブルチニブとベネトクラクスとオビヌツズマブの併用、もしくはアカラブルチニブとベネトクラクスの併用療法を化学免疫療法と比較評価するACE-CL-311試験が進行中です。

ELEVATE-TN試験について
ELEVATE-TN(ACE-CL-007)試験は、前治療歴のないCLL患者さんを対象に、アカラブルチニブとCD20モノクローナル抗体であるオビヌツマブの併用療法またはアカラブルチニブの単剤療法を、化学療法であるクロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法と比較し、有効性と安全性を評価した、無作為化、多施設共同、非盲検の第III相試験です。本試験では、535例を1対1対1で3群に無作為割付けしました。一群目の患者は、クロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法を、二群目はアカラブルチニブ(100mgを1日2回、病勢進行、または許容できない毒性が認められるまで)とオビヌツズマブの併用療法を、三群目はアカラブルチニブ単剤療法(100mgを1日2回、病勢進行、または許容できない毒性が認められるまで)を受けました (1,8)。

主要評価項目は、クロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法のPFSで、独立判定委員会(IRC)によって評価されます。副次的評価項目はクロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブ単剤療法のPFSで、IRCによって評価されます。他の副次的評価項目は、全奏効率、次治療までの期間、全生存期間です (1,8)。

ASCEND試験について
ASCEND(ACE-CL-309)試験は、前治療のあるCLL患者さんを対象にアカラブルチニブの有効性を評価する、無作為化、多施設共同、非盲検である国際共同第III相試験です。本試験では、310例を2群に分け、1対1で無作為割付けをしています。一群目はアカラブルチニブ単剤療法(100mgを1日2回、病勢進行、または許容できない毒性が認められるまで)を、二群目は治験医師が選択したCD20モノクローナル抗体であるリツキシマブとPI3K阻害薬であるイデラリシブの併用療法、またはリツキシマブと化学療法であるベンダムスチンの併用療法を受けました (1,9)。

主要評価項目は独立判定委員会(IRC)によって評価されたPFSで、副次評価項目は医師の評価によるPFS、IRCと医師の評価による全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)、患者報告による治療アウトカム(PROs)および次治療までの期間(TTNT)です (1,9)。

慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLは成人白血病において最も患者数が多く、世界では約105,000人、米国では約20,720人が毎年新たに診断されており、患者数は治療の発展に伴い増加するとみられています (10,11,12,13) 。CLLでは、骨髄中の過剰な血液幹細胞が異常なリンパ球となり、これらの異常細胞によって、感染症に対する防御力が低下することが知られています (10)。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため (10)、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります (10)。BTKを通るB細胞受容体のシグナルは、CLLの基本的な増殖情報伝達経路の一つです。

アストラゼネカにおける血液がん領域について
がん領域における強みを活かし、アストラゼネカは血液がんを4つの重点がん疾患領域のひとつとして確立しました。当社の血液がんフランチャイズは米国FDAにより承認された2つの治療薬と血液がん治療薬候補の広範なポートフォリオのための強固なグローバル開発プログラムを有しています。Acerta Pharmaはアストラゼネカの血液がん領域における中核的研究開発拠点としての役割を果たしています。アストラゼネカはアンメットニーズに応えるために治療薬の創薬及び開発を進展させるため、志を同じくするサイエンス志向の企業と提携しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyを成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. CALQUENCE(R) (acalabrutinib) [prescribing information]. Wilmington, DE; AstraZeneca Pharmaceuticals LP; 2019.
2. Sharman JP, et al. ELEVATE TN: Phase 3 Study of Acalabrutinib Combined with Obinutuzumab (O) or Alone Vs O Plus Chlorambucil (Clb) in Patients (Pts) with Treatment-Naive Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL). Abstract 31 at: American Society of Hematology 2019 Annual Meeting and Exposition. Available online. Accessed November 2019.
3. Data on File. REF-64711. AstraZeneca Pharmaceuticals LP, Wilmington, DE.
4. US Food and Drug Administration. Project Orbis. Available online. Accessed November 2019.
5. Wu J, Zhang M & Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).
6. Khan Y & O’Brien S. Acalabrutinib and its use in treatment of chronic lymphocytic leukemia. Future Oncol. 2018;15(6).
7. Byrd JC, et al. Acalabrutinib (ACP-196) in Relapsed Chronic Lymphocytic Leukemia. N Engl J Med. 2016; 374:323-332.
8. ClinicalTrials.gov. Elevate CLL TN: Study of Obinutuzumab + Chlorambucil, Acalabrutinib (ACP-196) + Obinutuzumab, and Acalabrutinib in Subjects With Previously Untreated CLL. NCT02475681. Available online. Accessed November 2019.
9. ClinicalTrials.gov. A Study of Acalabrutinib vs Investigator's Choice of Idelalisib Plus Rituximab or Bendamustine Plus Rituximab in R/R CLL. NCT02970318. Available online. Accessed November 2019.
10. National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment (PDQ(R))–Patient Version. Available online. Accessed November 2019.
11. Global Burden of Disease Cancer Collaboration. Global, Regional, and National Cancer Incidence, Mortality, Years of Life Lost, Years Lived With Disability, and Disability-Adjusted Life-Years for 29 Cancer Groups, 1990 to 2016. JAMA Oncol. 2018;4(11):1553-1568.
12. American Cancer Society. Key Statistics for Chronic Lymphocytic Leukemia. Available online. Accessed November 2019.
13. Jain N, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126:871.
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)