医療・医薬・福祉

神戸大学と楽天メディカルジャパン、日本人の唾液腺がん患者におけるEGFR発現率に関する共同研究を開始

楽天メディカルジャパン株式会社
神戸大学大学院医学研究科(神戸大学長:藤澤 正人/以下、神戸大学)と楽天メディカルジャパン株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長:三木谷 浩史/以下、楽天メディカルジャパン)は、日本人の唾液腺がん患者におけるEGFR(上皮細胞増殖因子受容体)の発現率に関する共同研究契約を締結しましたので、お知らせします。


本共同研究は、日本人の唾液腺がんの種々の組織型におけるがんの増殖や進展に関連するタンパクであるEGFRの分析を行い、発現に関するデータの収集を目的としています。本共同研究契約のもと、楽天メディカルジャパンは、研究計画の立案、及び評価方法の開発を行います。神戸大学は、同学で蓄積された唾液腺がんの患者データの中から約100検体を選定し、免疫染色による評価及び解析を行います。

唾液腺がんは、唾液腺にできるがんで、頭頸部がん全体の約5%を占めます。唾液を作り出す唾液腺は、大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)と小唾液腺(口や咽頭に多数存在)に分かれています。唾液腺がんの約90%は耳下腺がんと顎下腺がんであり、舌下腺がんや小唾液腺がんは極めて稀です¹⁾。日本では、年間約1,800人が唾液腺がんを発症していると言われています²⁾。

神戸大学大学院 医学研究科 耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野の教授である丹生 健一は次のように述べています。「唾液腺がんは、頭頸部がんの中でも希少ながんであり、日本人の同疾患に対するEGFR発現に関する十分なデータがありません。頭頸部イルミノックス治療は、現在、『切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌』を効能または効果として承認されており、EGFRが発現しているがんに効果があると考えられています。本研究により、EGFRを標的とした本治療の唾液腺がんに対する可能性が広がるものと期待しています。」

楽天メディカルジャパンの代表取締役会長である三木谷 浩史は、次のように述べています。「EGFRを標的とした医薬品を含むイルミノックス治療(光免疫療法)の開発を行う当社として、多数の唾液腺がん患者データを蓄積している神戸大学と共に、同疾患におけるEGFRに関わる研究に取り組めることを大変嬉しく思います。本共同研究の解析結果が、唾液腺がんの治療選択肢を検討する上で重要な判断材料の一つとなり、イルミノックス治療を一日でも早く、一人でも多くの患者さまにお届けできることに繋がればと願っています。」

なお、神戸大学と楽天メディカルジャパンは、泌尿器領域においても共同研究を行っています。また、同大学は、楽天メディカル社(楽天メディカルジャパンの親会社、米国法人)が立ち上げたイルミノックス(R)プラットフォームの開発連携ネットワーク「Illuminox(R) Alliance Institutes(IAI:イルミノックス(R)・アライアンス・インスティチュート)」に参加しています。

神戸大学大学院医学研究科について
神戸大学大学院医学研究科は、明治2年に設立された神戸病院を創設母体とした医学部附属病院を基盤として今日まで先端的医学研究、卓越した臨床医・研究医の育成と地域医療の充実に尽力して参りました。平成29年4月には、神戸医療産業都市にリサーチホスピタルとしての医学部附属病院国際がん医療・研究センター(ICCRC)を新たに設置し、周辺の医療機関・研究機関との連携強化により次世代医薬品、新規治療・医療機器の研究開発・教育に取り組んでいます。

楽天メディカルジャパンについて
楽天メディカルジャパン株式会社は、米国・カリフォルニア州サンマテオに本社を構える楽天メディカル社の日本法人です。楽天メディカル社は、イルミノックス(R)プラットフォームと呼ぶ技術基盤を基に、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法の開発を行うグローバルバイオテクノロジー企業です。同プラットフォームを基に開発された医薬品・医療機器の前臨床試験では、特定の細胞の速やか、かつ選択的な壊死をもたらすデータが示されています。楽天メディカル社は、がんを克服するというミッションを掲げ、がん患者さんがより良い生活を送れる社会の実現を目指しています。米国本社と研究開発拠点に加え、日本、オランダ、台湾、スイスと、世界5 カ国に6 拠点を構えています。詳しくは、https://rakuten-med.com/jp/をご覧ください。

イルミノックス(R)プラットフォームについて
イルミノックス(R)プラットフォームは、治療技術基盤の名称であり、米国国立がん研究所の小林久隆先生らが開発したがん光免疫療法が基となっています。同プラットフォームは、医薬品、医療機器、医療技術、その他周辺技術を総合的に利用した技術基盤であり、楽天メディカル社は、これに基づき製品や治療法の開発を進めています。イルミノックス(R)プラットフォームとは、薬剤と光を組み合わせた、がんをはじめとした様々な疾患に対する新しい治療法を開発するための技術基盤です。同プラットフォームを用いた治療は、「薬剤の投与」と「光の照射」の 2 段階で構成されます。薬剤は、光感受性物質 (光に反応する物質) と、キャリア (特定の細胞に選択的に集積する成分) から組成される複合体です。同薬剤を投与し、特定の細胞に選択的に集積した後、その細胞に特定の光を照射することで光感受性物質が活性化し、生化学・物理学的プロセスにより、特定の細胞を壊死、あるいは、排除します。

頭頸部(とうけいぶ)がんについて
日本では、年間約28,000人*の方が頭頸部がんを発症しています。頭頸部がんとは、頭から鎖骨までの範囲に含まれるがんの総称です(脳と目は除く)。頭頸部は大きく分けて鼻、口腔、咽頭、喉頭といった器官で構成されており、発生部位により、咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)、喉頭がん(声門がん、声門上がん、声門下がん)、鼻腔・副鼻腔がん(上顎洞がんなど)、口腔がん(舌がんなど)、唾液腺がん、甲状腺がんなどの診断名がつきます。この頭頸部と呼ばれる部位には、呼吸や食事など人間が生きるうえで必要な機能、さらには発声、味覚、聴覚など日常生活に重要な機能が集中しています。これらに障害が起きるとQuality of Life (QOL: 生活の質)に影響を及ぼすため、がんを治すための根治性とQOLのバランスを保った治療法が必要とされています。
*政府統計の総合窓口e-Stat「全国がん登録罹患数・率」2018年調査(2-A)口腔、咽頭、喉頭がん合計値(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450173&tstat=000001133323&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000001133363&tclass2=000001133366&result_back=1&tclass3val=0

Illuminox(R) Alliance Institutes(IAI:イルミノックス(R)・アライアンス・インスティチュート)について
「Illuminox(R) Alliance Institutes(IAI:イルミノックス(R)・アライアンス・インスティチュート)」は、イルミノックス(R)プラットフォームを基に、まずは新たながん治療の開発を連携していくことを目的とした開発連携ネットワークプログラムです。楽天メディカル社は、世界各国のがん専門施設へIAIネットワークを拡大し、施設間におけるグローバルネットワーク構築を推進していきます。

¹⁾日本頭頸部外科学会(https://www.jshns.org/modules/citizens/index.php?content_id=12
²⁾多田雄一郎:唾液腺癌に対する個別化薬物治療 現状と今後の展開, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科, 93巻7号490-498頁, 2021
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