美容・健康

【研究情報】クレンジングオイルの物性とメイク落とし時の心情に関連性を確認

株式会社ファンケル
「心地良いメイク落とし」の筋活動と脳波を用いた新たな知見

株式会社ファンケルは、化粧品の効果をさまざまな角度から研究し、お客様に情報をお伝えし続けています。今回その中で、クレンジングオイルの物性とメイク落とし時の心情に関連性を確認しましたのでお知らせします。本内容は、東京家政大学との共同研究であり、第 31 回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)横浜大会2020(2020年10月21日~30日)で、‟A Revolutionary New Analytical Method of including ‟Muscle Activity” in the Efficacy Testing of Cosmetics”として学術発表した内容と関連しています。本知見は、今後さまざまな化粧品にのみならず、幅広い分野への応用とともに、さらなる発展が期待できるものと考えています。


<結果概要>


手に取った時の厚み(以下、クッション性)が異なる2種のクレンジングオイルを使用し、メイク落とし時の顔にかかる力に差が生じることを胸鎖乳突筋*1の筋活動量で確認しました。
同時に脳波測定を行い、クッション性の高いクレンジングオイルは、手になじませた時とメイク落とし後に、クッション性の低いクレンジングオイルよりも心地良いと感じることを確認しました。
これらの相関性から、クッション性の高いクレンジングオイルで力をかけずにメイク落としをすることは、メイク落とし後の心地良さにつながることが示唆されました。

<測定方法と結果>
1)測定方法
被験者の額に脳波計、頸部と上肢に表面筋電図*2計の電極を装着し、メイク落とし中の筋活動と脳波を測定しました(図1)。試験品はクッション性の高いクレンジングオイル(以下、試験品)、クッション性の低いクレンジングオイル(以下、比較品)の2種です。

2)顔にかかる力の大きさを筋活動量で比較測定
予備検討により、顔にかかる力の大きさと、左右の胸鎖乳突筋の筋活動量には正の相関性があることが分かりました。このことから、メイク落とし中の顔にかかる力を左右の胸鎖乳突筋の筋活動量を用いて測定しました。試験品と比較品で比較した結果、クッション性の高い試験品のほうが筋活動量は小さいことが確認されました(図2)。このことから、クッション性によってメイク落とし中に顔へかかる力は異なり、クッション性の高い試験品は顔にかかる力が低く、肌への負担も少ないことが分かりました。

3)クッション性の高さが、メイク落とし中の心地良さに関与
メイク落とし中の脳波から算出された快適性の値を心地良さの指標とし、メイク落とし前後の変化量の推移を図3に示しました。クッション性の高い試験品は、メイク落とし前と比較してクレンジングオイルを手になじませた時や、メイク落とし後の心地良さの変化量がクッション性の低い比較品より良い結果でした。このことから、クッション性の高さは、心地良さを感じやすいことが推測されました。

4)「メイク落とし後にまで心地良さをもたらす」という心情面の効果にも期待
さらに、メイク落とし中の筋活動量とメイク落とし後の心地良さの変化量の関係を解析した結果、負の相関性が認められました(図4)。この結果から、力をかけずメイク落としすることが、その後の心地良さにもつながることが示されました。つまりクッション性の高いクレンジングオイルで、力をかけずにメイク落としをすることは、メイク落とし中に肌にストレスをかけないだけでなく、メイクを落とした後の心地良さという心情面にも効果をもたらすことが期待できます。

<研究背景・目的>
化粧時の行動解析について、筋の動きに着目した研究は多くありません。そこで本研究では、メイク落とし中の上肢および頸部の筋活動という新たな指標を用い、これまで明らかにされていないメイク落としという行動の解析を行いました。
化粧品の有用性評価はアンケートを用いるのが一般的ですが、試験終了後に回答することや、個人ごとに差があるなどの課題があります。本研究では、メイク落とし中の心情評価に脳波計を使用して経時的に脳波を測定し、それから算出された快適性値を心地良さの指標として用いました。
また、筋活動量や脳波は、いずれも脳からの神経伝達により検出される値であることが関連すると推測し、これらの値について関連性を評価しました。

<今後の予定>
今後も、メイク落とし以外にも筋活動量と脳波を用いた研究を続けていきます。スキンケア製品など化粧品を使用する際に肌が受ける力や感触が与える心情的な変化の研究を進め、より心地良く、快適性の高い化粧品の開発につなげてまいります。

【用語説明】
*1 : 胸鎖乳突筋:頸部(首)の左右に位置する筋(図5)。頭部を正面に維持することと頭部を回旋する働きを持つ。

*2 : 表面筋電図:皮膚に電極を貼付し筋の活動電位を測定する方法。人体への侵襲は軽度であるためリハビリテーション、人間工学の分野において多く用いられている1)。
1)木塚朝博・増田正・木竜徹・佐渡山亜兵 (2006) 表面筋電図 東京電機大学出版局
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