医療・医薬・福祉

ノボ ノルディスク ファーマ、郡山市、福島県立医科大学、「郡山市における糖尿病対策に係る共同研究」の結果報告

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
~糖尿病の治療を中断する人は、糖尿病の生活リスクを含めた病気への正しい理解が不足している傾向にある~


ノボ ノルディスク ファーマ株式会社(代表取締役社長:オーレ ムルスコウ ベック、本社:東京都千代田区)は、福島県郡山市および公立大学法人福島県立医科大学(医学部衛生学・予防医学講座)と産学官連携で取り組んできた、「郡山市における糖尿病対策についての共同研究」の結果をお知らせします。

本共同研究は、「郡山市を日本一健康な都市にする」という理念の下に、郡山市民の健康増進を図ることを目的として、2018年2月13日に郡山市とノボ ノルディスク ファーマが締結した「糖尿病対策に関する包括連携協定」に基づき、2018年8月1日にデータ統計分析等に医学的助言や指導を得るため福島県立医科大学(医学部衛生学・予防医学講座)と三者契約を締結し、同年10月より取り組んできたものです。

本共同研究では、郡山市における糖尿病対策の実践的指針を見出すことを基本方針とし、糖尿病治療状況に影響を与える郡山市特有の社会、文化、環境要因を把握することが郡山市においてより効果的なアクションプランの作成につながり、ひいては糖尿病性腎症等の合併症の重症化予防に貢献するものと考え、糖尿病の治療中断に影響を及ぼす要因を探るとともに、15地区の特性を知るための調査(インタビュー調査、アンケート調査、データベース解析)を実施しました。

インタビュー調査の結果によると、糖尿病治療を中断する人の傾向として、糖尿病治療により経済面の負担や生活に制限が生じると考えていること、糖尿病の具体的な経過や生活上の苦労が想像できないこと、飲酒が生活に入り込んでいることなどがわかりました。一方、糖尿病治療を継続できている人は、糖尿病による致命的な事態を具体的に想定できており、糖尿病になったことで健康の重要さを理解して健康管理への意識が向上していること、自立生活を重要視し、介護や家族などへの負担を懸念していることなどがわかりました。

アンケート調査においては、治療中断者では、糖尿病への正しい理解や認識が不足している人、時間の使い方を自身で自由に決められない人が有意に多いという結果が認められました。治療継続者では、家族など身近に糖尿病患者がいる人が多かったことから、治療の必要性を具体的かつ身近に捉えやすいため、治療を継続しやすい可能性が考えられました。なお、治療継続者においても、自身が糖尿病であると認識している者の割合は7割程度に留まっており、患者教育の必要性が示唆されました。治療状況に関わらず共通に認められた傾向としては、患者の多くが医師からの情報を重要視している一方で、市民公開講座や医師以外の医療従事者から情報を得ている患者が少ないこと、糖尿病治療の基本である食事や運動療法の実践率は高くないこと、時間的・金銭的負担感があるとの回答が一定数見られたことが挙げられます。また、調査実施前に、治療中断理由になりうると仮定していた「交通手段の無さ」、「被介護者の存在」、「団体活動に参加していないこと」、「同居家族がいないこと」、「通院手段の不便さ・移動の不便さ」、「自由に使えるお金が少ないこと」は、今回の調査で関連性は認められませんでした。

さらに、データベース解析を行い、市内15地区の患者数や治療を中断する割合なども算出しました。この結果は、今後、各地区の保健師が介入していく際の参考に使用されます。

郡山市は、広報誌やウェブサイト、市民公開講座、イベント等を通じて本共同研究結果の市民への周知を行うとともに、医療・保健等の関係機関へ情報共有をすることでそれぞれの活動に活かしてもらうほか、2020年度から「郡山市糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を実施し、医療機関未受診者に対する受診勧奨や、重症化予防対象者への保健指導などを実施していきます。

「郡山市における糖尿病対策に係る共同研究」の概要
共同研究内容
糖尿病の治療中断に影響を及ぼす郡山市特有の社会、文化、環境要因と、糖尿病治療中断者の特徴や中断に至る心理的要因を探るとともに、地域別の特徴や問題点を知るための調査を実施し、郡山市における糖尿病対策を見出す。

調査対象者の抽出方法と抽出結果
福島県独自情報提供システム、国保データベースシステムを用いて抽出した患者の医科レセプトデータを確認し、糖尿病治療の「継続者」、「中断者」、「投薬のみ継続者」へ分類。
1. 糖尿病患者の定義
 2018年3月末時点で40歳以上の国保加入者で、2016年12月から2018年3月末(当調査期間)において、糖尿病に対する内服薬および/またはインスリンの処方を受けている人
2. 中断者
 1.のうち、当調査期間において糖尿病に対する内服薬および/またはインスリンの処方もHbA1cの検査も受けていない期間が6カ月以上継続して認められた人
3. 投薬のみ継続者
 1.のうち、当調査期間において糖尿病に対する内服薬および/またはインスリンの処方を受けているものの、HbA1cの検査を受けていない期間が6カ月以上継続して認められた人
4. 継続者
 1.のうち、「中断者」、「投薬のみ継続者」に当てはまらない人
※透析患者は今回の解析から除外

抽出結果:合計 6,050名 (継続者5,644名、投薬のみ継続者271名、中断者135名)

調査方法
■インタビュー調査
 ●郡山市の各地区担当保健師約30名が対面で実施
 ・対象者106 名 (継続者89名、中断者17名)
 ・「診断当初からの歩みと展望」、「リスク認知の状況」、「健康・糖尿病・人生観」の3つの視点から考察した
■アンケート調査
 ●20問からなるアンケートを郵送
 ・送付数997名 (継続者760名、投薬のみ継続者148名、中断者89名)
 ・回答者数372名、回収率37.3%
■データベース解析
 ●既存のデータベースと今回の調査で用いた抽出方法により、15地区における評価項目を算出
【評価項目】健診未受診率、HbA1c6.5以上率、糖尿病患者率、中断者率、投薬のみ継続者率、透析患者率

共同研究の背景


ノボ ノルディスクは、都市における糖尿病治療の課題について検討し、糖尿病患者の治療継続をサポートするプログラム「Cities Changing Diabetes(都市に蔓延する糖尿病の克服)」を世界各都市で展開しています。一方、日本においては超高齢化が糖尿病増加のリスク因子となっており、日本特有の糖尿病増加の要因を踏まえて、2018年2月に日本初のCities Changing Diabetesプログラムとして、郡山市とパートナーシップを締結しました。郡山市は、1998年に設立されたノボ ノルディスク ファーマの唯一の国内工場(郡山工場)があり、20年間良好な関係を築いてきた同市への感謝の気持ちも込められた地域貢献となります。
郡山市においては、国民健康保険被保険者における生活習慣病患者総数に占める糖尿病患者の人数および割合が年々増加し、人工透析患者の50%以上が糖尿病を合併しております。このため郡山市においては、糖尿病に関する正しい知識の普及啓発、特定健診および特定保健指導の普及啓発や健診後の受診勧奨を行うことにより、糖尿病の予防および早期発見・早期治療、重症化予防につなげることが大きな課題の1つとなっています。





Cities Changing Diabetes(都市に蔓延する糖尿病の克服)について
「Cities Changing Diabetes」は、糖尿病患者の3分の2が在住している都市環境における糖尿病の劇的な増加に対応するためのパートナーシッププログラムです。市の指導者や省庁、学会、糖尿病協会、健康保険会社、コミュニティグループ、企業などを含む100以上のローカルパートナーが、分野を超えた新たな形の官民パートナーシップで協力し、課題を特定し、新しい健康行動とポリシーを提供し、健康に影響を与える他の課題に関連づけます。2014年に始動して以降、ノボ ノルディスクは世界25都市で「Cities Changing Diabetes」プログラムに取り組んでいます(2020年1月16日現在)。

ノボ ノルディスクについて
ノボ ノルディスクは、デンマークに本社を置き、95 年以上にわたり糖尿病治療に必要な革新的な医薬品の開発を通じ糖尿病ケアの革新をリードしてきました。糖尿病の克服を目指して培ってきた経験や能力は、肥満症、血友病、成長障害といったその他の重篤な慢性疾患の領域にも生かされています。ノボ ノルディスクは現在80カ国に約4万2,200人の社員を擁し、製品は170カ国以上で販売されています。日本法人は1980年に設立されました。
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