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アストラゼネカのリムパーザ、米国食品医薬品局(FDA)が承認申請を受理、相同組換え修復(HRR)関連遺伝子変異を有する転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として優先審査に指定

アストラゼネカ株式会社
第III相試験で良好な結果が得られた初めての試験であるPROfound試験に基づく申請。バイオマーカーにより選択された前立腺がんを対象とした治療薬


本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年1月20日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A(北米およびカナダ以外ではMSD)は、2020年1月20日、相同組換え修復関連遺伝子変異(HRRm)を有するまたはその疑いがあり、新規ホルモン製剤(NHA)による治療中に病勢進行が認められた転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の治療薬として、米国でリムパーザ(一般名:オラパリブ)が追加承認申請の受理および優先審査に指定されたことを発表しました。

処方薬ユーザーフィー法に基づく審査期限は、2020年第2四半期を予定しています。

FDAの優先審査指定は、2019年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の年次総会プレジデンシャルシンポウムにおいて発表された(https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2019/2019100701.html)第III相PROfound試験の結果に基づくものです。

PROfound試験においてリムパーザは、主要評価項目であるBRCA1/2またはATM遺伝子変異を有するmCRPCの患者集団における画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)において、アビラテロン酢酸エステルまたはエンザルタミド投与群と比較して病勢進行または死亡のリスクを66%減少しました(ハザード比0.34 / p<0.0001)。

加えて、主要な副次評価項目であるHRRmを有するすべてのmCRPC患者集団(BRCA1/2、ATM、CDK12およびその他11のHRR関連遺伝子)でのrPFSにおいても、リムパーザはアビラテロン酢酸エステルまたはエンザルタミド投与群と比較して病勢進行または死亡のリスクを51%減少しました(ハザード比0.49 / p<0.0001)。PROfound試験におけるリムパーザの安全性および忍容性プロファイルはこれまでの試験で確認されたものとほぼ一致していました。

※本邦においてmCRPCに対するリムパーザの適応は未承認です。

以上

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転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)について
前立腺がんは男性において2番目に罹患率が高いがんであり、2018年には世界中で推定130万人が新たに前立腺がんと診断され、高い死亡率を伴います(1)。前立腺がんの発症は多くの場合、テストステロンを含むアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンにより促進されます(2)。男性ホルモンの作用を阻害するアンドロゲン除去療法を行ったにもかかわらず、前立腺がんが増殖し、他の部位に転移した場合、mCRPCと診断されます(2)。進行前立腺がん患者さんの約10-20%は5年以内に去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)へと進行し、そのうち84%以上の患者さんはCPRC診断時に転移を有しています(3)。また、CRPC診断時に転移のない患者さんであっても、そのうちの33%が2年以内に転移が発現します(3)。mCRPCに対する治療選択肢は増えてきていますが、依然として5年生存率は低いままです(3)。

PROfound試験について
PROfound試験は前向きな無作為化非盲検多施設共同第III相試験で、NHAによる治療歴のある進行がんで、かつBRCA1/2、ATM、CDK12などの相同組換え修復(HRR)に関連する15の遺伝子のうちのいずれかに変異が見られるmCRPC患者さんを対象にリムパーザの有効性と安全性を評価する試験です。

この試験は、HRRmを有する患者さんを2つの患者集団に振り分けて組み入れ、解析するよう設計されました。主要な解析対象集団は、BRCA1/2またはATM遺伝子変異を有する患者さんを含めた集団であり、この集団でリムパーザが臨床的ベネフィットを示した場合、副次的な解析対象集団として、HRRm(BRCA1/2、ATM、CDK12およびその他11のHRR関連遺伝子)を有する全患者さんを含めた集団も対象に解析を実施しました。

その結果、主要評価項目であるrPFSにおいてリムパーザによる統計学的に有意で臨床的に意義のある延長が示されました。BRCA1/2またはATM遺伝子変異を有するmCRPC患者さんのrPFSの中央値は、アビラテロン酢酸エステルまたはエンザルタミド投与群では3.6カ月であったのに対し、リムバーザ投与群では7.4カ月に延長しました。また、リムパーザはこれら患者さんの病勢進行あるいは死亡リスクを66%減少しました(ハザード比 0.34 [95% 信頼区間:0.25-0.47]、p<0.0001)。本試験では、主要な副次評価項目であるHRRmを有するすべてのmCRPC患者集団におけるrPFSも達成しました。リムパーザは病勢進行または死亡のリスクを51%減少し(ハザード比 0.49 [95% 信頼区間:0.38-0.63]、p<0.0001)、rPFSの中央値はアビラテロン酢酸エステルまたはエンザルタミド投与群の中央値3.5カ月に対し、リムパーザ投与群では中央値5.8カ月でした。なお、PROfound試験は、バイオマーカー選択された前立腺がん患者さんに対する治療として、良好な結果が得られた最初の第III相試験です。

PROfound試験のリムパーザの安全性および忍容性プロファイルはこれまでの臨床試験で認められたプロファイルとほぼ一致するものでした。発現頻度が20%以上の有害事象は貧血(47%)、悪心(41%)、疲労/無力症(41%)、食欲減退(30%)、および下痢(21%)でした。発現率1%以上のCTCAEグレード3以上の有害事象は、貧血(22%)、疲労/無力症(3%)、嘔吐(2%)、呼吸困難(2%)、尿路感染(2%)、肺塞栓症(2%)、食欲減退(1%)、下痢(1%)および背部痛(1%)でした。なお、リムパーザ投与群の患者さんの16%が有害事象により投与を中止しました。

相同組換え修復(HRR)遺伝子変異について
HRRは二本鎖切断および鎖間架橋の形で損傷したDNAを高い精度でかつ誤りのない修復を可能にするDNA修復プロセスです(4,5)。DNAの損傷を正確に修復できない場合、ゲノムの不安定性につながり、がんの発症原因になります(5)。HRRの欠損は損傷したDNAを修復する能力の低下につながります。また、HRRの欠損はリムパーザなどのPARP阻害剤の標的となるがん細胞の特徴の一つです。PARP阻害剤はDNA一本鎖切断に結合するPARPを捕捉し、複製フォーク停止と崩壊を惹起することで、DNA二本鎖切断を起こしがん細胞死を誘導します(4)。

リムパーザについて
リムパーザは、ファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異などの相同組換え修復の欠損を有する細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。リムパーザによるPARP阻害はDNA一本鎖切断に結合するPARPを捕捉し、複製フォーク停止と崩壊を惹起することで、DNA二本鎖切断を起こしがん細胞を死滅させます。リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のPARP依存性のがん種において試験が進行中です。

リムパーザは、BRCA遺伝子変異の有無に関わらず、プラチナ感受性再発卵巣がんの維持療法として現在EU諸国を含む65カ国で承認されており、プラチナ製剤ベースの化学療法に奏効後のBRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんの初回治療後の維持療法としても米国、EU、日本、中国およびその他数カ国において承認されています。また、本剤は化学療法による治療歴のある生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の転移性乳がんの適応症でも米国、日本を含む44カ国において承認されており、EUにおいては、局所進行乳がんも含まれます。さらに、米国においては、BRCA遺伝子変異陽性転移性膵がんの初回治療後の維持療法としても承認されています。加えて、卵巣がん、乳がんおよび膵がんに関する薬事承認審査が他の国・地域において進行中です。

アストラゼネカとMSDが共同で開発と商業化を行っているリムパーザは、進行卵巣がん、転移性乳がんおよび転移性膵がんの治療薬として承認され、現在までに全世界で3万人を超える患者さんの治療に使用されています。リムパーザはPARP阻害剤として最も広範かつ最先端の臨床試験開発プログラムを有しており、アストラゼネカとMSDは、さまざまながん種にわたり、リムパーザが単剤療法および併用療法としてPARP依存性腫瘍に及ぼす影響を解明するために協業しています。リムパーザはDDRを標的した新薬であり、アストラゼネカのポートフォリオを牽引する基盤となる薬剤です。

アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について
2017年7月、英国アストラゼネカ社とMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A(北米およびカナダ以外ではMSD)は、世界初のPARP阻害剤であるリムパーザおよび現在開発中であるMEK阻害剤セルメチニブについて、複数のがん種において共同開発・商業化するがん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。両社は、リムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として共同開発します。なお、リムパーザおよびセルメチニブと、各々の会社が保有するPD-L1またはPD-1阻害薬との併用療法は各々の会社で開発します。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたオンコロジーをアストラゼネカの成長の主要な推進力として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Bray et al. (2018). Global cancer statistics 2018: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries. CA: A Cancer Journal for Clinicians, 68(6), pp.394-424.
2. Cancer.Net. (2019). Treatment of metastatic castration-resistant prostate cancer. www.cancer.net/research-and-advocacy/asco-care-and-treatment-recommendations-patients/treatment-metastatic-castration-resistant-prostate-cancer Last Accessed: November 2019.
3. Cancer.Net. (2019). Prostate Cancer - Statistics. Available at: www.cancer.net/cancer-types/prostate-cancer/statistics Last Accessed: November 2019.
4. Li et al. (2008). Homologous recombination in DNA repair and DNA damage tolerance. Cell Research, 18(1), pp.99-113.
5. Ledermann et al. (2016). Homologous recombination deficiency and ovarian cancer. European Journal of Cancer, 60, pp.49-58.。
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