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共同声明:「18歳以下の子どもへの10万円相当給付」が別居中・離婚前のひとり親家庭および基準日以降に離婚したひとり親家庭にも届くようにしてください

認定NPO法人フローレンス
フローレンスは、この度、「18歳以下の子どもへの10万円相当給付」が別居中・離婚前のひとり親家庭および基準日以降に離婚したひとり親家庭にも届くよう、共同声明を発表いたします。 今回の共同声明は、「別居中・離婚前のひとり親家庭」実態調査プロジェクトチームとして、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ、シングルペアレント101、北明美福井県立大学名誉教授、そして徳島市とともに行わせていただきました。






共同声明


「18歳以下の子どもへの10万円相当給付」が別居中・離婚前のひとり親家庭および
基準日以降に離婚したひとり親家庭にも届くようにしてください


「別居中・離婚前のひとり親家庭」実態調査プロジェクトチームでは、2021年12月9日、18歳以下への10万円相当の給付について、経済的に困窮する別居中・離婚前の実質的なひとり親(ノーセーフティネットひとり親)家庭でも受け取れるような対応を国・自治体に求める提言(注1)を出させていただきました。
注1:https://florence.or.jp/news/2021/12/post49407/

2022年1月14日東京新聞の記事(注2)によると、今回の給付の対象外となる9月以降に離婚した世帯等の子どもは全国に約4万人程度います。児童手当準拠のDV被害者の定義が狭すぎるため、都道府県・自治体レベルでDV避難者と認めてもらえない方や、DVに限らない別居中・離婚成立前のノーセーフティネットひとり親の世帯数を合わせるとさらに数は増えると予想され、各自治体で給付が進んでいる現時点でなお、数万人規模の子どもが給付を受け取れていない可能性があります。
注2:https://www.tokyo-np.co.jp/article/154031

この給付金が届かない世帯を支援するしんぐるまざあず・ふぉーらむには以下のような悲痛な声が多数届いています。





私たちは、ノーセーフティネットひとり親の問題を2020年から訴えてきました。岸田文雄首相も昨日(1月20日)、ようやく本件について自治体に要請すると表明されました。今こそ、各自治体は徳島市などの先行自治体を参考に対応し、国は自治体に要請をお願いします。



別居中・離婚前のひとり親について


児童手当の仕組みを利用すると、支援を必要とする家庭に十分に届かない恐れがあります。2020年9月に私たちが実施した別居中・離婚前のひとり親家庭262世帯への調査にて、18.1%が児童と同居しているにも関わらず、児童手当を受け取れていないことを把握しています。

彼らは別居中・離婚前で、子どもと同居していながら児童手当をはじめとしたセーフティネットを剥奪され、精神的、経済的、社会的に追い詰められた状況にいるひとり親家庭です。

対象者の98%は母子家庭で、7割以上が相手からのDVを経験しており、かつ就労年収200万未満。過半数が行政等の専門機関、職場や友人に状況を打ち明けられていない状況でした。




そこで、児童手当の仕組みを利用する場合は、ノーセーフティネットひとり親であっても給付が受け取れるよう、事務連絡「児童手当における同居優先事例及び DV 事例に係る事務処理について」(令和3年2月26日)に則り、児童手当における同居親優先の原則をあらためて徹底し、各市町村にて積極的に運用されるよう、再周知をお願いいたします。

16歳以上の子どもについては、親が別居中の場合、両方の親から申請がされる可能性がありますが、所得が多い方や世帯主を優先するのではなく、子どもと同居している親からの申請を優先して認めるよう、注意喚起をお願いします。また、別居親の所得が不支給の理由にならないよう、同居親優先の原則をこちらでも徹底してください。

別居中の夫婦が別の自治体に住んでいる場合は、必要な自治体間の連携を確実に行ってください。その際、配偶者からの身体的DVはもちろん、深刻な精神的DVからやむを得ず避難しているケースもありますので、本人に無断で配偶者に居場所を伝えないように厳重に配慮してください。


さらに、私たちの調査では、対象家庭の多くが「児童手当の受給者変更手続きについて知らない・よくわかっていない」ということがわかっています。そのため、今回の給付についても、迅速に進むほど、多くのノーセーフティネットひとり親家庭が知らないうちに、対象から漏れてしまうこと、別居親への支払いが進んでしまうことが予想されます。そこで、国・自治体主導にて児童手当の受給者変更が可能であることの周知をわかりやすく行うと同時に、受給者変更が今回の10万円支給に間に合わない場合にも遡及措置が可能になるよう、柔軟な対応をお願いします。

国は上記の措置が可能であること、およびその周知の徹底を自治体にお伝えください。




基準日以降の離婚家庭について

今回の給付金の対象者は2021年9月の児童手当受給者となっており、結果、9月以降に離婚した世帯についても救済策が明示されていません。

現時点では子どもと別居しているほうの親に支払われてしまう、離婚前には所得制限で対象外となっていたが現在は対象内なのに支払われていない、などのケースが発生します。

特にすでに別居親に支払われてしまっているケースについては、シングルペアレント101に以下のような声が複数届いています。DVや失踪が原因で連絡が取ることが難しいケースを想定していない対応であり、当事者は泣き寝入りをせざるをえない状況です。





自治体による具体的な対応事例

兵庫県明石市では、給付金を受け取れないひとり親への支払いを市が一時的に立て替えて支払い、養育していない親に先に支払われた場合は市が回収する方針としています。

徳島県徳島市では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用(注3)し、子どもを監護しているものの、支給日までの離婚等が原因で国の臨時特別給付金の対象とならない世帯に独自に10万円を給付しています。子育てをしていることは、児童手当や住民票の異動状況などから確認しているとのことです。

上記のほか、大阪府高槻市、大阪府吹田市、大阪府豊中市、大阪府吹田市、大阪府枚方市、愛知県みよし市、埼玉県狭山市、石川県金沢市、兵庫県尼崎市などでも国の要件から外れた世帯への給付を独自に実施すると発表しています。

これらの事例から、各自治体での救済措置は実施可能であることは明らかです。まだ対応を検討していない自治体においては、先行事例を参考に検討をお願いいたします。また国は対応事例集などを作成して全自治体に共有するなど、積極的に対応がされるような後押しをお願いいたします。

注3:以下の通り、内閣府は2021年12月27日に、自治体に対するQ&Aで新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を、今回の給付金の上乗せ・横出しに活用することが可能であるとの通知を示しています。



最後に

迅速な支給のために児童手当の仕組みを使うこと自体は悪くありませんが、そのままでは対象外にされる子どもたちのための手立てを事前に十分工夫しなかったことに問題があると考えます。国・自治体はこのような制度的な欠陥があることをしっかりと認め、今からでも、すべての子どもに給付金が行き渡るよう、迅速かつ十分な対応をお願いいたします。

なお、今回の声明では取り上げなかった住民税非課税世帯向けの給付においても、DV避難と認められる場合と基準日以前の離婚・別居の場合は、別居した父の所得にかかわらず母子の所得が基準内なら対象になりますが、基準日以後の離婚・別居には対応しないというのが今のところの国の方針のようです。こちらについても、救済措置を検討されるよう、お願いします。

以上






認定NPO法人フローレンスについて

フローレンスは、「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現に向け活動する、国内最大規模の認定NPO法人です。病児保育事業、認可保育園事業、障害児保育事業などを運営するほか、子どもの虐待や貧困問題等、国内の親子領域の課題を解決するため、各種支援事業や政策提言活動、ソーシャルアクションを推進しています。

コーポレートサイトURL: https://florence.or.jp/
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